AV女優の出演料の裏側を徹底解説
AV女優は、AVへの出演の際に出演料をもらっているのですが、この出演料はどれくらいなのでしょうか。
中には、「裸やセックスを不特定多数にさらすんだし、バレて生活しにくくなるリスクもあるし、100万円や200万円じゃ割に合わないな」などという人もいます。
しかし、そのような認識は間違っています。
AVの出演料はもっと現実的なもので、途方もないお金を稼げる仕事ではないのです。
また、出演料は変わらないのに労働量は増えているというような、厳しい状況も生まれつつあります。
本稿では、出演料の裏側を詳しく解説していきます。
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出演料の決められ方
AV女優たちは、いったいどれくらいの出演料で出演しているのでしょうか。
それを知るためには、まずAV女優が出演した際に、メーカーからプロダクションに支払われる出演料のしくみを知る必要があります。
AV女優に支払われるギャラは、昔は手渡しでした。
撮影当日の待ち合わせ場所で、メーカーの担当者がAV女優と引き換える形で、プロダクションの担当マネージャーに現金で手渡しをしていたのです。
しかし、このようにして路上で多額の現金をやり取りするのは不便でもあり、危険でもあります。
そこで、最近では銀行振り込みという手段のほか、撮影当日に撮影現場でAV女優が現場入りすると同時に、決済されるのが普通になっています。
なぜ昔は、あえて路上で出演料の引換をしていたのかと言うと、そもそもプロダクションが個人経営であり、法人化せずに税金も支払っていない業者ばかりだったからです。
したがって、「AV女優と引き換えに現金を受け取る」という言葉からもわかりますが、昔はビジネスというよりも人身売買のような雰囲気があったものです。
しかし、2000年代に入ってからは、AV業界も大きく変わって法人が中心となりました。
それでも、やはり撮影当日に出演料が支払われるのが普通です。
というのも、多くのプロダクションでは、出演すればその日にお金を支払うことを条件に募集していることが多いからです。
AV女優としても、撮影当日にまとまったお金をすぐにもらえるというのは好都合なことです。
単体になると、1本の撮影で100万円以上の出演料が支払われます。
これは、単体女優が商品としてのクオリティが高く、性格や経歴といった要素も優れているからです。
メーカーは、過去の単体女優の売り上げや出演料を元に、契約するAV女優がどれほどの貢献をしてくれるかを総合的に判断して、プロダクションと相談しながら契約本数と出演料を決めていきます。
もちろん、当初の予想よりも売り上げが良く、契約が更新された場合には、出演料がアップすることになります。
逆に、売り上げが予想よりも悪ければ、契約は更新されずに打ち切りとなります。
単体の場合、それがよほど付加価値のあるAV女優でなければ、メーカー主導で出演料が決められます。
その出演料は、大抵の場合1本あたり100万円からスタートとなるのが普通です。
もっとも、人気のある芸能人がAV女優になる場合などは、メーカーはたくさんの出演料を出しても出演してほしいと思うものですから、プロダクション主導で価格交渉が進められることもあります。
単体・企画単体・企画、それぞれの出演料
AV女優のランクは、単体・企画単体・企画の三種類に分けられますが、それぞれ出演料の相場は大きく異なります。
単体の出演料
単体は作品1本あたりの出演料として支払われ、出演料の相場は100~250万円です。
これは、そのAV女優の人気や知名度、売り上げ成績といった要素によって変動するものです。
このように、単体として本数契約をすると、数百万円のお金が動くことになります。
企画単体・企画の出演料
次に企画単体ですが、企画単体は1日当たりの日当として出演料が支払われ、相場は30~80万円です。
この日当は、すべてのプロダクションに共通した相場の設定があるため、それほど大きな変動はありません。
AV業界では、撮影の際のセックスを「絡み」、本番を伴わないセックスを「疑似」と呼びますが、一般的な撮影では「2絡み、1疑似(例えば、作品の序盤で本番をしない手コキやフェラなどの撮影を行い、中盤と終盤で2回のセックスを演じる)」となっており、その出演料が30~80万円なのです。
企画の場合は、企画単体と同じように日当で支払われ、出演料は15~25万円です。
出演料は総合的判断による
AV撮影が行われるときには、あらかじめどのような撮影内容であるのか、拘束時間はそれくらいになるのかといった情報を、メーカーからプロダクションに伝えておきます。
もちろん、撮影内容を伝える際には、その撮影での絡みが1回なのか2回なのかといった情報を始め、複数とのプレイ、外人とのセックス、ザーメンのぶっかけ、ソフトあるいはハードなSMといった、撮影内容についても伝えられます。
このほか、撮影したAVはどのような媒体で利用されるのか、例えば販売用のDVDなのか、雑誌の付録用DVDなのかといった情報も伝えられます。
相場を軸としたうえで、これらの情報から総合的に判断して、出演料が決められるのです。
基準は「絡み」の回数
例を見てみましょう。
企画女優の定価、すなわち2絡み1疑似の価格設定を20万円と設定しているプロダクションにメーカーが出演依頼をかけ、出演内容は1絡みだけであったとすれば、半額の10万円が出演料となります。
もちろん、1疑似を含まないことから、もう少し安くなるかもしれません。
また、メーカーとプロダクションの交渉によって決まるものですから、例えばメーカーが「1絡みで10万円の条件でいいけど、その代わり同じ条件でもう1人出演してもらうから、5%引きで2人で19万円でどうですか」といった交渉です。
基本的には、絡みの回数を基準にして出演料の交渉が行われます。
つまり、2絡み1疑似で20万円ならば1絡みの場合には10万円といったように、セックスの回数で交渉されるのです。
したがって、2絡み1疑似で20万円のところを、「今回はフェラだけを集めたオムニバスを作るから、絡みはありません」といった撮影になったとすれば、出演料はかなり下がって5万円くらいで出演となる場合もあります。
もちろん、絡みも疑似もなく、ただただ女の子のオナニーをする姿だけを集めたような作品になると、2~3万円ということにもなります。
90年代との比較
単体女優の出演料は、売り上げに比例します。
売り上げが良ければ出演料は上がり、売り上げが悪くなれば出演料は下がるのです。
企画単体も、おおむね同じです。
それでも、そのAV女優一人を主役にして1本の作品が取られるのですから、「2絡み1疑似」以上の条件は満たされることが多く、まとまった収入を得られることが多いものです。
しかし、企画では状況が違います。なぜならば、出演料の相場は10年前と変わっていないのですが、「2絡み1疑似」を全てこなす撮影がかなり減っているからです。
1絡みだけの撮影を半額で受注したり、疑似だけの撮影を低額で受注したりと、ばら売りが普通になっているので、相場は変わっていなくても、実際に支払われる出演料はかなり下がっているのです。
また、90年代のAVは、作品の内容が非常に低かったものです。
このことは、実際に昔のAVと現代のAVを見比べると、AV女優のクオリティ、作品の作り方、行為の激しさなどが明らかに異なることがよくわかります。
90年代のAVは、言ってしまえばそれなりのAV女優が出演し、常識の範囲内で裸とセックスが写っており、パッケージ写真にこだわっていれば、それなりに売れていたのです。
したがって、無名の女優が制服を着て、ノーマルなセックスをして、顔面に精子をかけられて終わりというような、ワンパターンで面白味のないAVばかりだったのです。
しかし、現代のAVはあらゆる点でレベルが上がっています。
AV女優のルックスやスタイルは非常に良くなっており、それだけで勝負をするのが難しいほどです。
それにプラスして演技力や演出がなければ売れない時代ですから、監督からも色々な指示がなされます。
例えば、「痴女っぽく演じる」「挿入前に何度も潮吹きをする」「レイプされながら20人の男にザーメンをかけられる」「5人連続で中出しをする」など、非常にハードな、日常生活ではまずありえないシチュエーションを要求されるようになってきているのです。
その結果、AV女優の労働内容は過酷になっています。
もちろん、この背景にはAVがなかなか売れない時代になったことがありますが、出演料の相場はそれほど大きく崩れてはいません。
しかし、その代わりに内容を充実させたり、もっとクオリティの高いAV女優を出演させることで対応しようとしています。
だからこそ、最近のAV女優は異常なくらいに美人でスタイルのよいAV女優が増えていますし、行為も過激なものばかりになっています。
また、経費削減のためには監督、カメラマン、AD、ヘアメイク、編集者など、製作にかかわる人員をできるだけ削減することで、なんとか出演料を確保している状態です。
その見返りとして、メーカーはプロダクションにもっとクオリティの高いAV女優を要求しているとも言えます。
このように、昔と今では出演料はそれほど変わっていないものの、AV女優の労働量は非常に多くなっているのです。
売り上げゼロの女優がいるって本当?
出演料が横ばいならば、「AV女優は稼げる」という世間一般のイメージの通り、まだまだ稼げる仕事のようにも思えるかもしれません。
しかし、実際にはそう簡単ではないのです。
現在、企画内容や出演する人数よりも、出演するAV女優の外見的なクオリティが重視される時代になっています。
その結果、クオリティが低い企画女優の仕事が減ってしまい、企画単体女優の仕事が増えている状況です。
このことは、実際の製作における出演料を見てみるとよくわかります。
例えば、ある作品の製作に当り、100万円の出演料を予算としたならば、この100万円は様々な使い方が考えられます
- 1絡み10万円の企画女優を10人使う
- 1絡み40万円の企画単体女優を1人、1絡み10万円の企画女優を2人使う
- 1絡み40万円の企画単体女優を1人、1絡み30万円の企画単体女優を2人使う
- 1絡み40万円の企画単体女優を1人、1絡み15万円の企画女優を4人使う
といったあんばいです。
昔は、企画女優を10人出演させ、パッケージにもたくさんの女性が写っているような作品が、お得感があって良く売れていましたが、最近では外見的なクオリティが高く、知名度もある程度ある企画単体女優がパッケージに写っているほうがよく売れます。
したがって、企画女優だけ、あるいは企画単体女優と企画女優の組み合わせよりも、企画単体女優を数人組み合わせたほうがよいとされています。
このような傾向から、企画女優の仕事はどんどんなくなってきています。
メーカーと契約して安定的に仕事をする単体女優、色々なメーカーから仕事の依頼を受ける企画単体女優が多くの仕事を受けるようになっており、これらのAV女優は全体の10~20%程度です。
つまり、全体の80~90%に当たる企画女優たちは、数が多く仕事が少なく、全員にはとても仕事が行き渡らない状況が生まれているのです。
実際、稼ぎたいと思ってプロダクションに応募した結果、企画女優を始めることになったものの、どこからも声がかからず、1ヶ月間の売り上げがゼロというケースも増えています。
あるプロダクションでは、所属している企画女優の半分以上が売り上げゼロであり、マネージメントするだけ無駄との判断から、企画女優の採用基準をさらに上げるという状況に陥っているそうです。
まとめ
AV女優の出演料について、詳しく解説してきました。
これを読めば、AV女優の出演料は単体や企画単体では多く、出演料の水準は変わっていないこと、しかし内容が過激化していること、また企画女優の出演の機会が減ってきていることなどが良くわかると思います。
AV女優という仕事は、きれいな女性が多く華やかに見える一面もありますが、実際には厳しい部分もある仕事なのです。