昔は多かった、借金返済のためにAV女優になる人のパターン
最近のAV業界はクリーン化されているため、世間一般が抱くようなダーティなイメージとはかけ離れたものになっています。
しかし、世間ではいまだに暗いじめじめしたイメージが抱かれていることは否めません。
そのイメージの源泉はクリーン化する以前のAV業界にあるでしょう。
ここでは、借金返済のためにAV女優になった女性についてみていきましょう。
昔のAVには影の部分が多かった
AV初期から2000年代初めくらいまでのAV業界は暴力が渦巻いていたのは事実であり、借金を負ってAV女優になった女性や、社会不適合な精神病患者が他に働く手段を得られずにAV女優になったケースが多かったものです。
今やそのようなことはほとんどなくなっているのですが、世間のイメージ通りのAV女優がかつてのAV業界では活躍していたのです。
では、具体的にはどの様な女性がAV女優をやっていたのでしょうか。
もちろん、当時もポジティブにAV女優をやっていた女性もいましたが、当時のAV女優ではそのような典型的な例を見つけやすいので、ここで一人のAV女優を紹介しようと思います。
彼女はOというAV女優であり、2000年代初めに企画女優として企画ものAVに出演していたAV女優です。
19歳の時にデビューしましたが、デビューのいきさつにはいくつもの不幸がありました。
AV女優になるまで
彼女がAV女優になった直接的な原因は少し後に述べるとして、彼女がAV女優的気質を形成するに至った経緯から話しましょう。
彼女は決して裕福ではない家庭に生まれました。
姉と弟がおり、両親は共働きでした。
父親は調理師であり、給料は決してよくなかったため、母親もパートで働いていたのです。
彼女の毎日といえば、朝食は家族みんなで食べるのですが、その後は父も母も遅くまで帰ってこないため弟と二人きりの時間が長かったといいます。
彼女が中学生の時に父親は交通事故に遭って入院し、それが家計に響いて母親が無理をして過労で倒れたりといったことが繰り返されていたそうです。
そんな彼女にも、中学の頃に年上の彼氏ができました。
彼氏も同じような家庭環境であったため、夜遅くまで毎日一緒に過ごしていました。
初体験はその彼氏とであり、彼氏の部屋で経験しました。
彼女の14歳の誕生日の頃、彼氏は原付免許を取って原付を買いました。
二人で原付に乗って池袋を走り回って遊び、遅くまで遊んだため彼氏が家まで送り届けてくれました。
しかし、その帰り道で彼氏は交通事故に遭って即死します。
このことが彼女に与えた影響は非常に大きく、精神的に大きな打撃を受けました。
不眠に陥り、食欲はなくなり、動く意欲がなくなりました。
放心状態になって、すべてがどうでもよくなった彼女は彼氏の後を追おうとして風邪薬を一瓶飲みました。
しかし、睡眠薬ならまだしも風邪薬では死ねないものです。
せいぜいエフェドリンとコデインの作用でひどい酩酊状態になるくらいのものです。
彼女は意識を失い、三日間眠ったといいます。
その後、彼女は寂しさを埋めるためか、または自暴自棄に陥ったのか、あるいはその両方か、援助交際に走るようになりました。
テレクラで出会った客と一回3万円でセックスをしていました。
罪悪感は全くなかったものの、好きでもない男とセックスすることには抵抗があったようです。
最初の頃は気持ち悪くて仕方がなく、恐怖さえ覚え、援助交際を通してセックスにトラウマを覚えるようになりました。
AVの撮影の時でさえリラックスして撮影に臨むことはできないようです。
父の借金の肩代わりにAV女優になる
上述の通り、Oの父親は彼女が中学生の頃に交通事故に遭って入院し、後遺症で体が思うように動かなくなったため、仕事をせずに酒におぼれるようになりました。
酒乱の父は酒を飲むと人間が変わったように暴力的になり、弟や彼女や母を殴って暴れ回ったそうです。
耐えられなくなった母親は離婚考えるようになり、家から出て行ってしまいました。
弟も母親についていったようで、行方不明になりました。
その後、彼女は母と弟に会っていません。
当時、彼女は高校を卒業して就職をしており、アパートで一人暮らしをしていました。
つまり、父親は一人ぼっちになってしまったわけですが、あるときその父が首吊り自殺をします。
母親と弟の失踪、父親の自殺は半年間で起こったといいます。
父親の死から一週間後、葬儀を済ませて一息ついていた彼女のもとに借金の取り立てが来ました。
父親は働いていなかった時にサラ金からお金を借りており、300万円ほどの借金を作っていました。
取り立て屋が毎日のように「娘のお前が肩代わりしろ」と迫って家に来るため、うっとうしくなった彼女は働いて貯めた100万円ほどを支払ってしまいました。
それが災いして借金を相続することになってしまいました。
当時の彼女の仕事ではとても支払うことができないため、風俗でも何でもやろうという気になりました。
そんな時に、AVのスカウトマンに声を掛けられ、二つ返事でやることにしました。
とはいえ、彼女のルックスはそれほど良いものではありませんでした。
AV女優が飽和状態にある今ならば、AV女優になれるかどうかも危ういほどです。
しかし、彼女がAVデビューした2000年代初めの頃はまだAV女優の数がそれほど多くなかったため、なんとか企画女優として働けるようになりました。
しかし、ルックスが優れていなければAV女優として大きく稼ぐのは難しいものです。
彼女は普段は会社で働き、会社が休みの日にAV女優として働くという二重生活を行っていましたが、雑誌の素人企画の仕事くらいしかなく、ギャラもたかが知れています。
借金は大きい、それでAV女優になったけれども、ルックスもスタイルも特に優れているわけではない彼女はAVに向いているとは言えません。
逃げ場のない生活で、向いていない仕事で借金を返済しよとする姿は痛ましいものがあります。
彼女のような不幸の連続の結果AV女優となり、しかもAV女優としても大した働きができずにその後どうなったか分からないような女性こそが、いまだに続くAV女優へのマイナスイメージの源泉になっているのでしょう。