AV女優達が、声を大にして訴えたいこと
彼女たちは自分たちの作品作りに強い思い入れがあり、世間の職業差別と自分が職業にたいして抱く思いの間に挟まれながら、日々葛藤しているのです。
AV女優達が訴えたいこととは
AV女優は、雑誌やAVの中でインタビューを受けることがあります。
そのようなインタビューは彼女たちが唯一主張できる場所と言えますが、それでもまさかインタビューの中で不満を述べるわけにはいきません。
自分がAVに対して抱くことができるポジティブな部分をインタビューで語っているのです。
もっとも、AVプロダクションからこう言え、ああ言えと強制されているというのではなく、彼女たちなりにポジティブに捉え、ポジティブな発言をしています。
そんな彼女たちに、匿名で心情を聞いた資料が手元にあります。
それを見てみると、インタビューでは見られない意見もいくつか見られます。
職業差別はあります。マンションを借りることができなかったり。こういう差別をなくしてほしいです」。
AV女優やってるとローンを組めないんです。ローンを組めるようにしてほしいです。
AVは性に関して具体的に学べる、唯一の教材だと思ってます。
作る側の人達はとてもまじめですよ。AVは世の男性のために必要なものです。
AV女優がエッチのことを軽く考えてる女の子ばかりだと思ってませんか?AV女優がすべて、体のこととかエッチのことを何も考えてない軽い女の子じゃないですよ。
AV女優の実に7割以上が、自分の仕事に誇りを持っています。
しかし、AV女優本人は自分の仕事に意義を感じていても、社会はAV女優に対して無理解であり、その根は深いものです。
日常生活の中でも、色々な偏見や差別を体験していることが、このコメントから分かります。
AV女優たちの主張の中でも、もっとも多いのが「汚いイメージを持たれるのが嫌」「AV女優というだけで全否定されてしまうのが悲しい」という職業差別への不満です。
このような職業差別は、AV男優にはないものでしょう。
確かに、AV男優と聞いても眉をひそめる人は多いでしょうが、AV女優ほどではないのは確かです。
なぜならば、そもそも男性は本質的にいつでもセックスをしたいと思っている生き物であるのに対し、女性はおしとやかで清楚であるべきだ、セックスを大切に思うべきであり、それを売り物にするべきではないという考え方が根強いからです。
上記のコメントの通り、「ローンを組めるようにしてほしい」「マンションが借りられない」など、AV女優という肩書が社会生活を不自由にしている場面もたくさんあるのです。
AV女優が特に迫害されるということは、AV以外の観点からみても分かります。
最近は晩婚化が進み未婚女性が多くなっていますが、独身女性は独身男性に比べて賃貸マンションの契約が難しい傾向があります。
このように、独身女性というだけで貸借人として認めたがらないオーナーが多いのですから、ましてや肩書がAV女優となればなおさらでしょう。
このことはAVプロダクションでも悩んでいるところで、所属するAV女優に不自由をさせない工夫をしているプロダクションは少なくありません。
例えば、賃貸マンションと契約する際には事務所名義で借りてあげたり、アリバイを使って派遣社員と偽って住居を斡旋したりといったサポートがあります。
しかし、だからといってAV女優達がありがたいと思うばかりかというとそうではなく、自分が迫害されていることを実感して悲しくもなることが多いようです。
また、AV女優たちは自分のDVDを「作品」と呼びます。
このことから、AVは単なるエロビデオではなく、映画やドラマなどと同じくエンターテイメントであるという自負があることがわかります。
しかし、これをおかしいと感じる人も多いでしょう。
これに対して、彼女たちは
作る側の人達はとてもまじめですよ。AVは世の男性のために必要なものですよ。
需要があるから供給があるんです。AV女優を否定する人は性産業に全く世話になって事がないの?って思います。
といった主張をかなり強く抱いているようで、怒りを伴っている雰囲気さえあります。
このほか、「AVは性に関して具体的に学べる、唯一の教材だと思ってます」という主張もありますが、これは超人気女優である麻美ゆまの主張です。
大人気の女優が語るからこそ、「臭いものにはふたをする」という日本の困った考え方への、強烈な主張と言えるでしょう。
彼女たちは自分たちの作品作りに強い思い入れがあり、世間の職業差別と自分が職業にたいして抱く思いの間に挟まれながら、日々葛藤しているのです。
別に汚い仕事じゃないです。