AV女優は病んでいるのか?
AV女優のイメージとして、「訳あり」、「精神的にちょっとズレている」、「病んでいる」、「リストカット経験がある」など、色々ありますが、実際はどうなのでしょうか?
ネット上での黒いうわさ
ネットでAV女優に関する情報を検索すると、色々な情報が出てきます。
「可愛いAV女優をあげていこう」とか「スタイルが最高のAV女優はだれだ」というようにAVのファンがAVの魅力を語りあうようなものもあれば、「AV女優はなぜAVにでるのか」とプラスの面とマイナスの面の両面に目を向けたもの等色々です。
その中には、AVの黒い噂が書かれているものもあります。
何でも、AV女優には心を病んでいる人が多いと言うのです。
ヤ○ー知恵袋などの質問サイトにはこの手の書き込みが特に見られます。
ある人が「AV女優とは心を病んでいる女性たちなのでしょうか?」という書き込みに対し、
「AV女優は間違いなく病んでいる」
と書き、その理由として男とのセックスを披露する等普通の神経ではあり得ないとその人の価値観を当然のように書き込んでいます。
またプロダクションはAV女優をモノのように扱う、プロダクションの経営者は薬物の流通に詳しく、病んだAV女優には薬物を提供しているという、まったく意味不明な事を書いている人もいます。
ネットの厄介なところはこのようなところです。
何の根拠もなく、また事実でもないことを、知識のない人が真実のように書きこみ、それを読んだ人たちに伝播していきます。
そして、そのことがAV女優たちに世間が抱くイメージが悪くなることにつながっているのです。
たしかに、昔のAV女優は病んでいた
のAV女優は病んでいる女性も多かったものです。
当時は今のように自らAV業界に飛び込んでくるような女性は全くと言っていいほどいない状態でした。
したがって、プロダクションは女性をスカウトし、半ば騙すようにして業界に引っ張り込むこともありました。
このときに、精神を病んでいる女性は都合がよかったのです。
まず、精神を病んでいる女性はそれが理由でまともに働くことができず、経済困難に陥っていることがあるため、そのような女性をお金で釣ることができます。
また、精神を病んで誰かに優しくされたい、誰かから認められたいと思っている女性ならば、AV女優になってスタッフから優しくされ、撮影現場で褒められたりAVが実際に売れてファンができると心が満たされるため、女優として働かせることができます。
この他、心を病んで自暴自棄になり「もう全てがどうでもいい」などと思っている女性はAV出演に関しても「どうでもいい」と考えることがあるため、そのような女性も出演させることができます。
このような理由で、昔は心が病んでいる女性がAVのスカウトに引っ掛かった結果、AV女優の中に病んでいる女性が多くなり、消費者側もそのようなイメージを抱いたと言うことが考えられます。
今のAV女優は病んでいない
病んでいるAV女優が存在したのは90年代から2000年代初頭までのことです。
最近では、心を病んでいる女性はいませんし、AV業界がクリーン化に向かって進んでいるため、経営者が女優に薬物を与えている等と言うことはありません。
女優をモノのように扱うと言うのも、以前に比べれば極端に少なくなったと言っていいでしょう。
それはなにも、AV女優に限ったことではなく、女性を扱う業界でも起こり得ることであり、全く売れず稼ぎを生みだしてくれない女優がそのように扱われる可能性があることは否定はできません。
「AV女優が病んでいる」などと言う人は、ほとんどAV業界の事など知らないにもかかわらずAV業界を論じる白痴です。
AV業界の近況を知っていれば、AV女優が病んでいないことがおのずと分かるからです。
今は昔とは倫理観や情報環境も大きく変わりました。
AV女優の社会進出によって、AV女優と言う職業は昔よりもはるかにイメージが向上しましたし、インターネットの発達によって誰もがAV女優の募集広告を目にするようになりました。
AV女優に応募する女性の中には、単にお金や好奇心によって応募してくるのではなく、AV女優になって有名になりたいという願望を抱いて応募してくる人が決して少なくないのです。
そして応募人数は膨大な数にのぼり、プロダクション側は応募してくる女性の中からよさそうな女性を取捨選択できる立場になったのです。
つまり、わざわざ心を病んでいる女性を業界に引っ張り込む必要がなくなったのです。
ルックスやスタイルが同程度の女性が2人いたとして、一人は明るく元気はつらつとしているのに対し、一人は心を病んで笑顔が自然に作れないと言うのであれば、前者が採用されることは目に見えています。
また、心を病んでいる女性はAV女優に向いている存在とはいえません。
AVの製作費が削減されている昨今、AVの撮影現場は非常にあわただしく動いていきます。
女優もテキパキと動いて監督やスタッフの要求をこなし、無駄のない撮影をしていくことが求められます。
心を病んでいるばかりにコミュニケーションがうまくいかなかったり、途中で撮影をいったん中止しなければならなくなったり、撮影に遅刻したりすれば撮影が円滑に進むはずはなく、そのような女性は女優として失格です。
心を病んでいればそのようなことが度々起こる可能性があります。
前日にお酒を飲み過ぎたために翌日の撮影に遅刻すると言うようなことがよくあるのです。
もっといえば、精神疾患のなかでもごく軽微なものとされている「不眠症」を抱えているだけでもAV女優として働く上での大きな足かせとなります。
夜中眠れないために肌が荒れがちとなり、ハードな撮影現場に耐えられる体力がつかず、撮影の途中にとほうもない眠気に襲われたりします。
不眠症だけでも不都合なのですから、より重度のものになればもっと大変です。
うつならば家から出られなくなってスケジュールをこなせない可能性があります。
自傷癖があれば傷ついた体をさらせないために休まなければなりません。
パニック障害があって急に撮影中にパニックを起こせば、撮影現場は大混乱です。
統合失調症やパーソナリティ障害などの治療が難しい部類のものならば最悪です。
健康的でルックスもスタイルも非常によい女性が多数応募してくるようになった現在、わざわざ病んでいる女性を採用する理由がありません。
したがって、現代のAV業界に病んでいる女性はほとんどいないのです。
自殺するAV女優について
AV女優が自殺するとそのことが取沙汰され、「やはりAV女優は病んでいる」と断定する人がいますが、これはどうでしょうか。
たしかに、AV女優は普通の職業よりもハードな現場であり、労働環境も次第に厳しいものになってきているため、それによって心が病んでしまい自殺している女性が多いように感じてしまうのかもしれません。
しかし、これは誤りです。
AV女優という職業が彼女たちを不幸にし、自殺に追い込んでいるわけではないのです。
AV女優はネットの中でも非常に興味を持たれているコンテンツであり、中には偏見や卑下する気持ちから関心を寄せている人もいます。
なかには、到底AVでは稼いでいくことができないようなルックスやスタイルをもった女性の嫉妬から関心をもたれることもあります。
そのような人たちは、AV女優が自殺でもしようものなら、ここぞとばかりにとりあげ、また一人のAV女優が業界の闇にのまれたと言わんばかりの騒ぎ方をします。
AV女優の死というのは一般メディアでは報道されにくいことですから、自殺の情報を得るのはネットがメインです。
そのネットには業界の闇と抱き合わせるような形の情報しかないものですから、AV女優の死は業界の闇とそれによって心を病んだ女優という構図で描かれるのです。
そして、昨今の日本人は思考力が低下しているものですから、そのような根も葉もない情報をうのみにしてしまうのです。
しかし、自殺ということを考えれば、何もAV女優だけの話ではありません。
毎年1万人弱の女性が自殺をしていることを考えても、AV女優だったからこそ自殺するということは考えにくいことです。
また、最近のAV女優の多くはお金や好奇心や有名になりたい願望からAV女優に自ら志願している人が多いだけに、業界にいる途中に病んでしまう女性もあまり見られません。
自ら望んではいってきた業界の理想と現実が違ったからといって、たちまち病んでしまうと言うことはあまり考えられないことです。
また、自殺者統計を見ると女性自殺者は男性自殺者の半分以下であり、女性のほうが精神的には強くしたたかに生きていく生き物であることも、容易に精神病には陥らせない要素の一つです。
以上のように、最近のAV業界の状況では病んでいるAV女優はまず採用されませんし、AV業界にいるからと言って彼女たちが病んでしまうわけではないのです。
したがって、AV女優が病んでいると言う情報は、間違いであると断言します。