実録・人妻AV女優~人妻たちはなぜAVに向かうのか~
若い女性か活躍するAV業界ですが、その一方で今も昔も変わらず人妻AV女優がいます。
ここでは、AV女優になったある人妻の動機やAV業界での働きを詳しく見て行くことにします。
AVに興味のある人妻はもちろんのこと、AV業界の内部を知りたい人の参考にもなると思います。
見出し
今も昔も変わらない人妻AV女優
一昔前までは、AV女優は忌み嫌われ、社会からの強い偏見にさらされながら生きるほかありませんでした。
たまに代表的AV女優が深夜テレビに出ることはあっても芸能人へのステップアップはほぼ不可能でした。
しかし、AVの歴史が始まってから30年以上になる今、AV女優の地位は確実に向上し、より一般の世界に近づきつつあります。
社会道徳による締め付けが緩くなったことで、AV女優が活動する場所が増えました。
AV女優が一般メディアのバラエティ番組に出演したり、アイドルグループとして人気を博したりしているほどです。
昔は精神を病んだり、性格に大きな問題があったり、何らかの理由から多額の借金を抱えたりした女性が、AV以外に道がないためにAV女優になるケースがほとんどでした。
しかし、今ではごく普通の女性がAV女優に志願するケースが非常に多くなっています。
彼女たちは不幸な幼少期を送ったわけではなく、非行少女だった過去もなく、お金に困っているわけでもなく、単にAV女優にアイドルのようなキラキラとしたものを感じてAV業界に入っていきます。
しかし、そんな若い女性がたくさんいる一方で、今も昔も変わらないAV女優がいます。
それは人妻AV女優です。
浮気さえはばかられるにもかかわらず、旦那がいる人妻がAV女優をやるというのは、一般的な感覚で考えると意味不明なことです。
人妻ともなれば、AV女優にアイドルのようなキラキラしたものを感じ、自分もそうなりたいと思うようなことはないでしょう。
しかし、彼女たちは今も昔も、ある共通した理由からAV女優になるケースが多く、AV女優でなくとも分かる人にはわかる理由を抱えています。
よく見られるのはセックスレスや夫の不倫への当てつけです。
性的欲求不満を抱えた人妻が、お小遣い稼ぎを兼ねてAV女優になるケースは昔から多いのです。
AV業界との出会い
MがAV女優になったのは1997年のことで、彼女が38歳の時でした。
夫も子どももいる普通の主婦であり、当然ながらそれまでAVとは無縁の生き方をしてきました。
風俗などとも無縁で、体を売ったことはありませんでした。
結婚したのは28歳の時であり、38歳まで子育て一筋でやってきたため、AVはもとより浮気さえ考えたことがありませんでした。
子どもの学校でPTA役員もこなしており、誰から見てもいいお母さん、いい奥さんだったに違いありません。
そんな彼女がどこでAVと出会うことになったのでしょうか。
転機が訪れたのは、二人目の子どもが幼稚園に通い始めたころです。
そのころになると夫との性生活はうまくいっておらず、完全なセックスレスになっていました。
子育てがひと段落してみると自分も30代半ばを過ぎており、老いる前にもう一度恋愛がしたいと強く思うようになりました。
激しい恋愛願望を抱いていた彼女は、浮気をするようになりました。
実はこの時、夫も不倫をしていました。
セックスレスに陥るのも当然だったのです。
浮気相手は伝言ダイヤルで出会った若い男性であり、若い男のパワーを吸い取って日に日に妖艶さを帯びていったようで、それからというもの街を歩いていても男性に声を掛けられることが多くなりました。
ある日渋谷を歩いていたときのこと。
いきなり若い男性に声を掛けられました。
ホストの客引きでした。
彼女の家庭は子どもの教育費で金銭的な余裕がなかったため、お金がないからと断りました。
しかし別れ際にホストから名刺を渡されており、名刺には携帯番号が書いていました。
思い出せばなかなかタイプの顔であり、翌日には電話をしてしまいました。
電話で話すくらいならと思ったのです。
しかし、本当に電話だけと思っているはずもなく、数日後には彼の家に遊びに行くことになりました。
外で会えばホストに引き込まれてお金がかかるかもしれないと思ったからです。
また、ホストは簡単にSEXをしないと思っており、SEXを迫られることは考えていませんでした。
しかし、彼はホストであると同時に性欲の盛んな若い男です。
当然セックスをすることになり、定期的に遊ぶ中となりました。
ホストは夜の仕事、主婦も夜は家にいなければならないため、時間的な都合も良かったのです。
主婦の彼女としても、昼間会える男性はそうそういるものではありませんでした。
彼がホストでなければ彼に狂っていたかもしれませんが、やはり彼はホストですから、月末になるとノルマが厳しいのか、しきりにお店に誘ってくるようになりました。
そういわれても、彼女は行けるはずがありません。
すると、彼はお金がないならお金を作ればいいと稼げる仕事を紹介していきました。
主婦でも手軽に稼げる仕事といえば、おそらく人妻AV女優や人妻風俗くらいのものでしょう。
彼が紹介してきたのはAVの仕事でした。
彼はAVについて力説し、彼女を説得しようとしました。
彼女がAVについて知っていることと言えば、ラブホテルで見るビデオというくらいの物でした。
誰が、またどのような人が出演しているかなどと考えたことはありませんでした。
映画やドラマでみる演者と同じみたいなものくらいの感覚です。
人妻AV女優がよく出演する「企画もの」などという言葉も、当然知りませんでした。
話を聞いてみると顔を出す必要はなく、したくないことはNG項目として設定しておくことで回避が可能であり、絡むAV男優はきちんと性病検査を受けているため病気の心配はなく、もちろん避妊するため妊娠の心配もありません。
ギャラは撮影した日にすぐもらうことができます。
それでも彼女はためらいましたが、彼から
「プロの男優とやったらすごいよ。めちゃくちゃ気持ちいいって。それでお金までもらえるってラッキーじゃない?」
と言われると興味が湧いてきました。
ラブホテルでしか見たことのないAVでは、女性がイカされまくっていたことを思い出し、自分もそんな風にされてみたいと思ったのです。
当時、彼女はホストの彼を含めて8人の年下男性と付き合っていました。
しかし、どれも彼氏というには物足りず、セックスもイマイチでした。
この子なら・・・と思って次から次へと手を出していくうちに、いつのまにか8人になっていたのです。
彼女が興味を示していることを表情から汲み取った彼は、知り合いのスカウトマンを紹介すると言ってきました。
翌日、彼女はホストの彼と待ち合わせてスカウトマンに会いに行きましたが、そのスカウトマンの所属する事務所では若い女性メインであったため、その場では事務所に所属するところまで行きませんでした。
AV制作会社とコンタクトを取る
若い女性でなければAV女優になれないと知り、落ち込んで帰ると、家で夫のものらしい週刊誌を見つけました。
なんとなくパラパラとめくってみると、熟女AV女優の紹介欄に目が留まりました。
その紹介欄では、自分よりも明らかに年上の女性が何人も紹介されており、それぞれがAVの中で乱れる様子も掲載されていました。
全員顔には目線が入っていてだれか確認することはできず、それを見た彼女は「これなら私でもできるかもしれない」と思うようになりました。
しかし、どうすれば熟女AVに出演できるのか分かりません。
その週刊誌の記事はあくまでも作品紹介であって募集記事ではなかったため、応募方法は書いていませんでした。
その日の家族が寝た後、彼女は密かに週刊誌の出版社の電話番号をメモしておきました。
スカウトマンからは断られたものの、彼女はすっかりAVに興味を抱くようになっていたのです。
もともと好奇心が強い性分でもありました。
どうしてもプロの男優とセックスをしてみたいという気持ちがあり、もしかしたらプロの世界で自分が評価されるかもしれないという期待もありました。
日払いでお金が入るのも魅力的であり、彼女の中でAVが大きな存在になっていたのです。
また、当時付き合っていた複数の男性にも飽きていたことも理由となりました。
これから子供たちにお金がかかるようになる。
顔はばれないから大丈夫・・・いつしかAVに出演することを正当化するようになっていました。
翌日、編集部に電話をしてAV制作会社の連絡先を聞きました。
担当者からどういった用件かと聞かれたため、率直に「熟女AVに出演したい」と伝えると、ちょうど制作会社の担当者が来ているからと直接話すことになりました。
AV業界に怖いイメージを持っていた彼女は、怖い人が電話に出るのではないかと不安になりましたが、怖そうな人だったら切ってしまえばいいと思い、話してみることにしました。
しかし、実際に話してみると思いのほか優しい口調であり、まずは面接に来るように言われました。
その週刊誌の作品を撮影した監督が来る日を聞き、その日に事務所に面接に行くことになりました。
AVについて何一つ知らなかった彼女は、ただ裸になってセックスをしてお金をもらって、というイメージを持っており、面接などあるとは思っていませんでした。
撮影にしても、ラブホテルの一室で酒でも飲みながらざっと撮影しているのだろうと思っていました。
しかし、案外きちんとしているのかもしれないな、などと思いながら面接の日を待ちました。
面接に合格する
面接の日。
彼女は新宿にある制作会社に行きました。
制作会社は駅から近くのマンションの一室にありました。
AVなんてどうせ、というイメージを持っていた彼女はそれほど真剣ではなかったようで、色気など感じさせないフランクな格好で面接に行きました。
応接室に通され、監督や社長と面接をしました。
社長に最初に聞かれたのは
「血液型は何型ですか?」
という質問でした。
彼女がB型と答えると、社長は
「なるほど。本気で出るおつもりですね」
と言いました。
社長の経験上、AV女優とAV男優に最も多い血液型がB型なのだそうです。
他にも色々質問されました。
旦那とセックスをしているか、彼氏やセフレはいるか。
全て正直に答えていくと、社長は
「おもしろい。やってみましょう」
と合格を出しました。
こうして、人妻の彼女はAV女優になる事が決まりました。
彼女のことはイニシャルからMと表記していますが、このMから始まる彼女の女優名は監督からつけられたものです。
面接が終わってから、資料として裸の写真を撮影することになりました。
AVの面接では当たり前のことですが、彼女はまさかその場で裸になるとは思っておらず、下着はごく普通の下着でした。
それよりなにより心の準備ができていませんでした。
しかし、AVに出演したくて面接に来たのに恥ずかしがってどうすると思いなおし、意を決して裸になりました。
こうして、AV女優Mが誕生しました。
人妻AV女優の生い立ち
衝動に駆られて浮気を繰り返し、ついにAV女優になったMはどの様な生い立ちの女性なのでしょうか。
映像の中で痴態をみせるAV女優達は、世間からは様々なマイナスイメージを持たれているものであり、人妻でありながらAVに出演する女性に対する偏見は特に厳しいものがあります。
道徳観念が欠如していると批判的に観られ、頭がおかしい、性欲に狂っているなどと思われているのです。
人妻なのにAVに出演しようとする人間性を形成した彼女たちの青春時代はひどいものだったのだろうという憶測が飛び交うこともあります。
では、Mの青春時代はどのようなものだったのでしょうか。
Mが生まれたのは1959年。
東京に生まれました。
祖父は実業家であり、都内で複数の飲食店を経営しており、本店は現在も残っています。
子ども時代は住み込みの従業員が家にたくさんおり、家はにぎやかでした。
祖父は遊び人であり、派手に女遊びをしていました。
彼女が暮らしているような家庭があちこちにあったのです。
彼女の住む本宅には住んでおらず、六本木の高級マンションで一人暮らしをしながら本宅や愛人宅を行き来する生活をしていました。
祖父は死ぬまでそのような生活を続けていました。
彼女は祖父に可愛がられてお姫様のような幼少期を過ごしましたが、派手な女遊びにともない様々なトラブルが起き、そのトラブルの対処のために本店以外のお店全て潰れていきました。
そんな祖父の姿を見ており、トラブルにも度々巻き込まれた彼女の父親は、特に色恋に厳格な性格でした。
祖父のような豪奢な生活を忌み嫌い、努めて普通の生活を送ろうとしました。
祖父のトラブルに巻き込まれることを嫌って後は継がずに別の会社に入社し、やがて社長になっています。
父が怒ることと言えば全て色恋に関することでした。
その徹底ぶりはすさまじく、色恋を歌った歌謡曲を歌うだけで怒られたといいます。
男女間の色恋から遠ざけるべく、7歳になると女子校に入れられました。
父親は男から遠ざけよう遠ざけようと彼女を育ててきましたが、思春期になると徐々に反抗心が芽生えてきます。
その反抗心の表れとして、彼女は心身ともに早熟な子どもに育っていきました。
もっとも、これは父親だけのせいではないでしょう。
彼女の実家は飲食店であり、営業時間である夜になれば色々なお客さんを見ることになります。
従業員にも色々な人がおり、彼女はその大人たちと接しながら育っていきました。
従業員に連れられてカフェに行ったり、色々なことを教えてもらったりするうちに、同世代に比べると早熟になっていくのは無理もないことです。
家に住む従業員の部屋に行けば大人の雑誌もあり、それをこっそり見ることで性に関する知識もついていきました。
そのような雑誌を見ると、子どもながらに胸に熱いものが湧き出るのを感じました。
彼女は小学三年生くらいのころには、どこをどうすると性的快感が得られるかという事を知っていたためか、無意識のうちにオナニーをするようになりました。
当然、当時の彼女にはそれがオナニーという行為である認識はなく、単に気持ちよくなるポイントがあり、そこをこすると快感が得られるからなんとなくやっているというものでした。
また、そのような大人の雑誌を度々読むうちに国語力がつき、国語のテストはいつもトップでした。
小学3年生でオナニーを覚えたくらいのころから体は急速に発育していき、小学四年生になるとブラジャーが必要なほどになりました。
これはかなり早い発育と言っていいでしょう。
同世代ではブラジャーをしている女の子などいませんでした。
そんな中で一人だけブラジャーをするのは恥ずかしく、また体育の時間などには大きな胸が揺れることを友達から指摘されるのが恥ずかしく、体育の授業はよく休んだといいます。
家では胸の小さな母から嫌味を言われ、祖母からもみっともないからサラシを巻きなさいと言われました。
それだけではなく、発育がよい女の子に興奮を覚えた見知らぬ男性から触らせてくれと言われたり、すれ違いざまにもまれたりすることもありました。
プールで泳いでいると悪ガキに囲まれて胸を見せろと言われたこともあります。
このような経験は恐怖と屈辱を感じさせるものであり、精神的に傷つき、対人恐怖症になりました。
大きな胸に対するコンプレックスは強く、彼女はAVに出演するようになってからも、セックスは好きではあるものの胸で感じることはないそうです。
中学三年生のころ、映画「エマニエル夫人」が話題になりました。
好奇心の強い彼女はすぐに映画館に見に行き、その影響でセックスをしたいと思うようになりました。
自分は相変わらず女子校に通っていたため男子との出会いはなく、公立小学校出身の同級生が男子の話をしていると焦りを覚えました。
小さいころから性的な知識を身に付けてきて、誰よりもセックスについて知っていると自負していた自分が、同級生に先を越されるわけにはいかないと思うようになったのです。
中学三年生の夏休み、親からプールのシーズンパスを買ってもらって毎日遊びに行っていると、ある日高校生の男子から声を掛けられました。
モデルもしているカッコイイ男子で、連絡先を交換することになりました。
とはいっても当時はまだ携帯電話のない時代ですから、自宅の電話番号です。
自宅にかかってきたら親より早く出なければならないと思い、身構えていました。
電話を待ち遠しく思ううちに、いつしかその高校生に恋愛感情を抱くようになりました。
やがて彼とデートをすることになり、ラブホテルに行き、初体験をしました。
初めてのセックスであるにもかかわらず、小学生のころからオナニーを繰り返して開発されていたのか、挿入時も痛みを感じることはなく、快感を味わいました。
彼とは遊びでのセックスを数回したのみで付き合うことはありませんでした。
当時15歳の彼女は早くもセックスの快感を知り、セックス依存症になってしまいました。
当時は携帯やパソコンといったものはなかったため、出会うためにはナンパされるのをひたすら待つことになります。
そのため、休みの日はナンパしてくれそうな男がいる街をぶらぶらしていました。
男たちも女を物色しているのですから、出会うのはそれほど難しいことではありません。
カッコイイと思える男からナンパされることもよくあり、会ったばかりの相手とセックスをすることも良くありました。
乱交をすることもあり、そのころから自分のセックスを人に見られることには抵抗を感じなくなっていました。
このような行為の中には色々な危険があるものです。
性病をうつされるかもしれない、中出しをされるかもしれないなどが考えられますが、セックス依存症の彼女はそのような危険を犯してもセックスがしたいと思うようになっていました。
親との確執、妊娠、中絶
上述の通り、彼女の父親は特に色恋に対して非常に厳しいため、そんな彼女を黙って見過ごすはずはありません。
遊びすぎて成績が著しく落ちたのを見て、普通ならば受験生ですから成績は上がりこそすれ下がるのはおかしいと疑い始めたのです。
付属の高校へ進学することはできましたが、確実に疑いを生むことになったのです。
また、成績だけではなく帰りが遅いことや服装が派手になったことからも疑われ、それまで以上にうるさくなりました。
門限は8時であり、少しでも遅れると玄関には長い説教の手紙が貼られていました。
彼女は読んだことがありませんでしたが・・・
うるさい親のもとで苦労したのが電話です。
高校に行っている間に家に電話がかかってくると、親が出て娘との関係を尋ねます。
男がうまくかわしてくれたとしても電話でゆっくり話すこともできませんでした。
親にこそこそするのに疲れた彼女は、彼氏を作って落ち着きたいと考えるようになりました。
そんな時に友達と遊びに行ったディスコで大学生と知り合い、付き合うようになりました。
彼氏の親も彼女の親も、交際相手ができたら連れてくるように言っていたため、お互いの家を行き来して家族で食事なども一緒にするようになりました。
やがて彼氏は大学を卒業しましたが、就職せずにぶらぶらするようになりました。
無職でもそれほど気にしていなかったのですが、彼女の友達が結婚すると言い出したのを聞き、「友達の彼氏は仕事をしていて経済力があるから結婚を考えられるのだ」と思うと自分たちの付き合いに焦りを感じるようになりました。
また、彼女は結婚願望があり、できれば10代で結婚したいと思っていました。
しかし、彼女が高校を卒業して友達が本当に結婚をしても、彼氏は働きませんでした。
彼女は進学せずに実家を手伝い始めたため、そうなると彼氏の無職が気になり始めました。
彼女は結婚したい気持ちと働かない彼氏に悩んだ結果、既成事実を作ることにしました。
つまり避妊せずにセックスをし、妊娠し、彼氏を焦らせようとしたのです。
彼女の思った通りに事は運び、すぐに妊娠してしまいました。
しかし、親にすぐ感づかれてしまったため、覚悟を決めて彼氏に妊娠を告白しました。
しかし、彼女が思っていた通り彼氏は中絶するように言い、翌週中絶手術を行いました。
彼女の心は傷つきましたが、彼女の体を気遣いながらも仕事をしようとしない彼氏に絶望し、見切りをつけることにしました。
そして二年後、念願の結婚をし、子どもにも恵まれ、そこそこ幸せな結婚生活を送り、しかしセックスレスになり、子育てが落ち着くとかつての肉欲が爆発し、AV女優への道を歩み始めることになったのです。
初の撮影
面接から二週間がたった頃、面接を受けた監督から仕事のオファーがありました。
面接で話した通りの出演動機は撮影に際してのネタにされ、「エッチな週刊誌を見ているうちにAVに出たくなった人妻」という役柄での出演となりました。
まさにそのままでした。
彼女はたくさんのコンプレックスを感じ自分に自信がなかったため、オファーが来たことを嬉しく思いました。
面接に言った直後は母や妻としての立場を考えると不安や罪悪感がありましたが、オファーを受けた嬉しさがそれを拭い去ってくれました。
撮影の前日に確認のための電話連絡を取った時、撮影には人妻らしい服で来るように言われました。
しかし、そうは言われても人妻らしい服とはどんな服か、考えたこともなく大いに悩みました。
そもそも、人妻の定義が分かりません。
おしゃれにしている綺麗なママもいれば、ママチャリに乗ったオバチャンもいれば、彼女のように普通の家庭の主婦もいます。
悩んでいると一つのひらめきがありました。
なぜAVがあるのか?男性が興奮するためである。
熟女AVでは男性は何に興奮するのか?男の妄想のなかにいる、おとなしい奥様のことである。
そう考えるに至ったのです。
つまり、「普段は乱れることなく夫に仕え子どもの世話をしている主婦が、押さえつけていた性欲を爆発させる」ような描写が好まれるのではないかと気づいたのです。
自分なりに考えた人妻らしい服を着た彼女は、家族全員を送り出すと支度をして家を出ました。
朝早く出かけることなどないのですが、近所に人が住んでいない環境だったので、人目を気にすることなく撮影現場へと向かいました。
AV撮影の際の集合場所はその時々によって変わりますが、その時は監督のオフィスが集合場所でした。
彼女がオフィスに到着したときには、すでに撮影スタッフたちが集合しており、働いていました。
到着した彼女に監督がシャワーを浴びてくるように言うと、彼女はこれから仕事としてのセックスをするのだと初めて実感しました。
今まで自分が好きな人とやってきたセックスとは違い、知らない男性とセックスをすることになるのです。
当然、相手の男性は彼女に恋愛感情を抱いてセックスをするわけではなく、そこに慣れないものを感じました。
シャワーを終えてバスルームから出ると、AV男優に会いました。
彼女はマッチョで体格のいい人が男優であると思っていたのですが、絡んだ相手は20代のごく普通の小柄な男性でした。
撮影が始まりました。
始めは男優とトークをし、ソフトな絡みをこなして、流れができてから絡みが始まるのですが、彼女は周囲が気になって仕方ありませんでした。
普通、セックスは二人だけでするものです。
しかし、撮影では何人もの人に囲まれてセックスをしなければなりません。
戸惑いを感じながらもいつものセックスと同じようにすることを心がけて自分を落ち着かせ、普通のセックスをしようとしました。
しかし、彼女にとっての「ノーマル」は普通の人にとっての「アブノーマル」です。
普通のセックスをしようとしてスイッチが入ると、イキだしたら止まらない体になってしまいます。
男優相手にも手加減が必要なほどですが、新人の彼女は手加減することができず、男優の方があまりの肉欲に困ってしまったほどでした。
相手のテクニックを味わうほどの余裕はなかったため、とにかくむさぼるようにセックスをし、顔に精子をかけられたことだけを覚えています。
午後からは監督のオフィスからスタジオに移動しました。
彼女は、スタジオといってもガランとした倉庫のような場所を想像していましたが、連れていかれたのは住宅地の普通の民家でした。
民家につくとAV男優から空き部屋に連れていかれ、撮影とは関係ない場所でセックスをしました。
その後、スチール撮影を行いました。
ビデオの撮影よりもたくさんの機材に囲まれての撮影です。
立ち位置や表情、顔の向きなど細かい指示を受け、自分がモデルや女優と呼ばれる仕事と似た働きをしていることを嬉しく思いました。
男優と絡んでいるシーンでのスチールはアクロバットな態勢でポーズを取って撮影せねばならず、AVとは大変な肉体労働だと思いました。
写真撮影が終わって舞台裏で休んでいると、また男優から求められてセックスをしました。
その日は彼女以外の女性も撮影をしていたため、見学もしました。
思春期に乱交をしたことはありましたが、人がセックスしているのを真剣に観るのは初めてでした。
通常、AVの撮影では1日に2回の絡みを撮影します。
その日の二度目の絡みのときには、彼女は早くも撮影現場の異常な雰囲気になれていました。
それまで、浮気を繰り返す自分に対して「私ってなんて淫乱なんだろう」と複雑な気持ちがありましたが、いまやAVの現場ではその淫乱さが評価されていたため、安心したのかもしれません。
AVの現場では淫乱であることが受け入れられ、いつもは理性でなんとか押さえつけている性欲の強すぎる自分をさらけ出すことができるのです。
そのことになれると、誰に見られていても、カメラに取られていても、お構いなしに乱れることができました。
夜七時に撮影が終わりました。
長い一日で体は疲れ果てましたが、性欲を存分に発散したためスッキリした気持ちでした。
着替えのための短い時間にまた男優とセックスをし、その日は全部で5回のセックスをしたことになります。
性欲の強い彼女は、一日でこんなにたくさんのセックスをしたのは初めてであり、非常に満たされた気持ちでした。
またこの人とセックスがしたいと思い、別れ際に電話番号を交換しました。
家に近づくにつれて、AV女優としての彼女は影を潜め、またいつもの妻であり母の彼女に戻っていきました。
人妻AV女優は、家庭とAVを分け、見事に両立するケースが多いのが特徴です。
初めてのギャラ
子供の養育費などもあり経済的な余裕があまりなかったことはすでに書きました。
彼女撮影が終わったその日にギャラをもらいました。
AV女優になり、裸とセックスをさらすとたくさんのお金をもらえると考えている人は多いものですが、たくさんのギャラを稼ぐのは単体女優や企画単体女優と言われる一部の人気AV女優だけです。
それ以外の企画女優のギャラは安く、2016年現在のギャラでは絡みを含む1日のギャラで10万円かそれ以下が普通です。
手コキやフェラだけのオムニバス作品に出演する場合には絡みがなくなるためギャラは大幅に安くなりほんの数万円という事も珍しくありません。
彼女のように、普通の企画女優とは違って顔も隠しての出演になればギャラはもっと安くなります。
ただし、彼女の場合は人妻であり、普通の企画女優よりも高いリスクを抱えての出演であるため、すこしギャラは高くなり、15万円のギャラが支払われました(また、彼女がAV女優になった当時は今よりギャラが高かったという事もあります)。
セックスを不特定多数の男性にさらして15万円と聞くと安いと感じる人もいるでしょうが、主婦で自由が利かない彼女にとって、1日の撮影でパートの1ヶ月分以上のギャラがもらえるのは悪くないことでした。
それに、性欲も十分に満たすことができます。
また、1日の出演でそれだけ稼げるのですから、3日くらい出演すれば夫の月給を超えるかもしれません。
最初は少しお小遣い稼ぎができればいいと思っていましたが、ギャラは子どもの養育費に消えてしまいました。
息子が中学から大学まで一貫の私立高校に通っていたのですが、エスカレーター式に大学まで卒業することを期待していたところ、大学は別の大学を受けると言い出したのです。
親にだまって予備校に通い始めており、予備校からの3か月分の未納通知を受け取ったことで、家族会議になりました。
夫は「勝手なことをいうなら、予備校も大学も自分で稼いで行け」と突き放しました。
夫自身、親がお金を出してくれなかったため、自分で働いて予備校に通い、受験で好成績を残して奨学生として大学に通っていたのです。
確かに経済的にゆとりはありませんでした。
当時、夫は会社を辞めて自分で事業を起こしたばかりだったのです。
しかしそのまま息子を突き放すわけにもいかず、本気でやるならという約束で息子に「学費はママが稼いであげる」と言いました。
AV女優を続けていくにあたって、息子のためという大義名分ができたのでした。
AV男優のセフレになる
AV女優になったものの、彼女は制作会社に飛び込み面接をして撮影にこぎつけており、プロダクションに所属していたわけではないため、普通の日常が流れていきました。
しかし数日後、昼間買い物をしていると 携帯電話が鳴りました。
前回の撮影で絡んだ男優Hでした。
Hに遊ぼうと誘われると、再び性欲が溜まりつつあった彼女は遊ぶ約束をしてしまいました。
遊ぶと言っても行く先はラブホテルであり、セックスをしました。
息子のこともあったため、仕事が欲しいとHに相談しました。
数日後、Hから電話で撮影依頼を受けました。
翌朝9時、指定された渋谷の待ち合わせ場所に行くと、カメラマンとH以外にもう一人の男優がいました。
全員でラブホテルに行き、3Pの撮影が行われました。
思春期にたくさんのセックスをした彼女も3Pは初体験であり、しかも相手は二人ともAV男優です。
その後スチールを撮影し、昼で一旦解散となりました。
このあたりから彼女とHはセフレ関係になりました。
テクニックがあり、性欲も強い、セフレには最適な男性との接点ができることも、彼女にとってはAV業界の魅力的なところでした。
プロダクションに所属する
二度目の撮影の後、仕事はありませんでした。
プロダクションに所属していれば、営業担当者がメーカーに宣伝してくれるため、待っていても仕事が入る可能性がありますが、彼女はいわばフリーのAV女優であり、コネがないため仕事をもらうことができません。
息子のこともあるため仕事が欲しいと思い、最初の作品を撮影した監督に電話をしてみました。
そこで彼女は、プロダクションに入ることを勧められます。
AVプロダクションについて、「怖い人が特別な事情を抱えた女の子たちを撮影現場に送り込んでいる怖い所」のように考えていました。
そんなネガティブなイメージを抱きながらも、監督から紹介されたプロダクションに行ってみると、事務所で対応してくれたのは普通の青年でした。
話を聞くと、彼女と同じような主婦もたくさん所属していると言われ、少し安心しました。
面接では写真を撮影され、質問用紙に記入していきました。
制作会社での面接とは違い、細かな質問に答えていきます。
年齢、連絡先、スリーサイズ、服のサイズ、靴のサイズ、NG項目、体験人数、生理の予定、恋人やセフレの有無、性感帯などなど。
普通の業界ならば、女性にそんなこときいたら間違いなくセクハラだと言われることを平然と質問するのがAV業界ですが、裸を売る商売なのですから当然とも言えるでしょう。
マネージャーから聞かされた注意事項は、この業界での最低限のルールでした。
時間を守って現場にきちんと来ること、仕事が決まったら体調管理をしっかりとすること。
普通の仕事でも大切なことですが、ことAV業界では非常に大切にされます。
AVで撮影現場をレンタルした場合、女優が時間通りに来なければスタジオ代を無駄にすることになります。
もしすっぽかせば人件費も無駄になります。
AVの撮影は過酷な肉体労働という側面を持っているため、風邪をひいて撮影に臨んでも良い作品にはなりません。
また、AV女優になる女性の中にはいい加減な女性もおり、このような約束が守れないケースも少なくないのです。
そして、マネージャーは彼女のセフレや恋人の数を見て、
「・・・あと、撮影が決まったらセックスはしすぎないようにしてください」
と言いにくそうに言ったそうです。
ハードなAVに出演する
AVプロダクションに入ると、営業担当者がメーカーに対して宣伝を行い、メーカーが「この女優を使おう」と決めると仕事のオファーが来ます。
プロダクションに入ったばかりの新人AV女優はソフトな撮影をするのだろうと思うかも知れませんが、それは人気AV女優になることを期待してプロダクションに積極的に売り込まれるAV女優だけです。
彼女は企画女優であり、顔も隠しての出演ですから、ソフトなプレイなどは視聴者の望むところではなく、どうしても撮影内容はハードになりがちです。
彼女の場合もそうであり、プロダクションに入って最初の仕事が「ぶっかけもの」でした。
ぶっかけとはハードな部類に入るジャンルのAVで、汁男優という射精要員がAV女優を囲んでオナニーをし、AV女優に次々精液をかけていくというプレイです。
今でこそそれほどハードとは見られなくなったぶっかけですが、彼女がAV女優になった当時はまだキワモノのジャンルの一つでした。
マネージャーがすまなそうに仕事の打診をすると、どのような撮影になるか詳しく知らない彼女は気軽にOKをだして撮影に向かいました。
プロダクションに入ってからは、撮影現場での扱いもフリーの頃とは違いました。
メイクさんがついて世話をしてくれ、AVではない女優になったような気分でした。
メイクさんは色々なアドバイスもくれましたが、アドバイスで真っ先に言われたことは
「ネックレスとかピアスとか、汚したくないものは全部はずして」
という事でした。
アクセサリーから身元がばれる可能性があるから?と思いましたが、じつはそうではなく、外した方が良いほど精液でどろどろにされるという事でした。
そのほか、
「汁男優がたくさん来るけど、奴らは性欲に狂ってるから。口もきかない方がいいよ」
とも言われて不安になりました。
汁男優が集合すると、撮影が始まりました。
彼女は汁男優たちの待機部屋に放り込まれ、カメラが回りました。
6畳の部屋にビニールシートが敷かれており、20人ほどの汁男優がパンツ一丁で詰め込まれていました。
気持ち悪いゾンビみたいな人達を想像していましたが、見てみるとごく普通の男性たちでした。
監督の指示で汁男優たちはパンツを下し、彼女を囲んで自分のモノをしごきはじめました。
しかし汁男優たちの興奮がイマイチということで、監督に言われて彼女は汁男優に一人ずつフェラチオしていくことになりました。
一人ずつしゃぶっていき、男たちは堅くなったものを再度しごきはじめました。
汁男優は、イキそうになると「イキます!」と宣言して彼女に近づき射精します。
彼女の胸や顔に次々と精液がかけられて行きました。
全員が発射し終わるまでには時間がかかり、最初の方にかけられた精液は冷えて固まり、独特の異臭を放つようになります。
好きな人の精液とは異なり、汁男優たちにかけられた精液の匂いは気持ち悪いものでした。
できるだけ息をこらえながら男たちの精液を受け止め、全員の射精が終わるとスチールの撮影のために疑似精液を頭から大量にかけられました。
まさに地獄のような時間でした。
スチール撮影が終わるとシャワールームに行き、なかなか落ちない精液と疑似精液を落として撮影が終わりました。
プロダクションを辞める
プロダクションに所属するAV女優として活動を始めた彼女でしたが、6本の撮影をこなしたころから仕事の連絡が来なくなりました。
メーカーへの面接の話さえ来ませんでした。本気のセックスができることを楽しみに電話を心待ちにしましたが、連絡はありません。
遅刻をしたことはありませんし、喜ばれてきたと思っていたのに。
彼女は我慢できずにマネージャーに電話しました。
仕事がないか聞いてみると、
「仕事をとってこれなくてすみません。もしよかったらAVの仕事ではないのですが、ピンサロの仕事を紹介しましょうか?」
と言われました。
マネージャーは色々な説明を始めましたが、風俗店で働く気はさらさらなかった彼女はその場でマネージャーに辞めることを宣言し、プロダクションを辞めました。
フリーとしての営業活動
またフリーのAV女優になった彼女は、これまで付き合ってきた監督やADに挨拶の電話をかけて営業をしました。
2000年代以降熟女ブームが徐々に起こり、今やAVにおける一大ジャンルになっていますが、彼女が働いた時代はちょうど熟女ブームが始まったころでした。
そのため、様々なメーカーから声がかかるようになり、様々な現場をこなしていくことになりました。
フリーのAV女優である彼女は、現場から指名がなければ働くことはできません。
そのため、彼女は現場でも積極的に営業をしました。
といっても「お仕事をください。お願いします」とあいさつして回ったわけではなく、一つ一つの仕事をきちんとこなして作品作りに貢献し、信頼関係を築いていったのです。
もちろん、それだけで次の仕事が決まるわけではなく、真剣に現場をこなしていくうちに徐々に効果が出てくる営業です。
仕事が来ない可能性もありますが、人間関係はいつかどこかで生きるものです。
そう思って真剣に現場をこなしていきました。
それに加えて、彼女は自分で自分の宣材を作って現場にもっていき、スタッフに配るようにしました。
自分で作ったとはいっても、宣材写真は現場でスチールカメラマンに撮ってもらったきちんとした写真でした。
宣材のプロフィールには芸名、年齢、身長、スリーサーズ、靴のサイズ、服のサイズ、NG項目、連絡先を記載しました。
宣材は、家族が寝静まった後に自宅のプリンターで作りました。
効果は着実に表れていき、仕事がコンスタントに来るようになりました。
ほかにも、この時期ちょうど出てきた革新的技術・インターネットの利用による営業も行いました。
インターネットを使えば、AV制作会社のホームページを自由に閲覧することができます。
彼女は昼間の暇な時間の制作会社のホームページをくまなく見て情報を収集し、たまにAV女優を募集している制作会社を見つけると募集要項をくまなく調べ、自分が「いける!」と思えばすぐにエントリーしました。
また、募集をしていない場合にもその会社の制作するAVラインナップを見て、自分が出演してみたいと思えるAVを製作していたならば営業メールを送っていきました。
しかし、このような営業は飛び込み営業的な要素はあるとはいえども、やはり顔の見えない営業です。
今ではインターネットが普及し、インターネットを中心としたビジネスもごく普通であるため、クラウドソーシングなどを利用して顔の見えない営業をかけるのは当たり前になっています。
それに対して彼女の時代はまだインターネットが今ほど一般的な物ではなく、インターネットや電子メールなどといったツールは登場していたものの、それを介した営業の効果はいかほどか分かりません。
制作会社からしてみれば、相手がどのような女性かわかるはずもなく、またメールで営業を受けることに馴染みがなかったことから、無視した会社も多いことでしょう。
返事がきたのは数えるほどでした。
もちろん、その返事から仕事につながることはもっと少なくなります。
しかし、インターネットを使って指先ひとつで対して労なく営業をかけることができ、そこから少しでも仕事に繋がればしめたものです。
また、どこかでつながりができた際に「以前メールを送らせて頂いたこともあるのですが・・・」と言えば、印象に残って仕事につながる可能性は高まります。
熟女ブームの波に乗れ!
さて、そんなふうに営業に奔走していた彼女でしたが、試行錯誤を繰り返しているうちにプロダクションから声がかかるようになりました。
彼女は、以前所属していたプロダクションで仕事にありつけず、ピンサロを紹介されたことから、基本的にプロダクションに対する猜疑心があります。
そのため、声がかかる事をありがたいとは思いながらも、必ずマネージャーと面接をするようにしました。
マネージャーはよく「仕事はたくさんありますから、うちで働きませんか?」と言ってきます。
フリーで営業することの厳しさを痛感していた彼女としては、プロダクションに所属すればその苦労をしなくなると考えると心が動かされました。
しかし、所属するAV女優の宣材などを見ているうちに、フリーはフリーでいいところもある(例えば気楽である)という考えも頭をもたげてきます。
悩んだ結果、フリーとして活動しながら、宣材をプロダクションに預けて営業してもらうというスタイルを取ることになりました。
つまり、プロダクションに所属していればフリーで自由に営業することなどはできませんが、フリーを続けることによって好きに営業を行うなどのある程度の自由を獲得し、さらにプロダクションに営業してもらった結果として依頼された仕事は、規則やギャラなどをプロダクションの規定に従うという働き方でした。
また、プロダクションからもらった仕事の現場ではフリーとしての営業をしないという約束もしました。
プロダクションの仕事をしている時は、あくまでもプロダクションの女優というスタンスで働くのです。
このほか、フリーとしての仕事がプロダクションの営業に流れてしまうのを防ぐ(フリーならばギャラが全て自分の取り分となる)ため、自分がつながりのある制作会社を教えておき、そこへは営業をかけないという約束も取り付けました。
このように、自分がもっとも働きやすくなるためにはどうするべきかを考えならばプロダクションと交渉していきました。
もちろん、これはプロダクションの方から彼女に誘いをかけたこと、彼女に実績があったこと、当時は今のようにAV女優になりたい女性が多くなかったこと、熟女ブームが始まりつつあったためプロダクションは熟女女優が欲しかったことなどの要素があったからこそ交渉ができたのであって、実績がない女性が自分からプロダクションに交渉をもちかけたところで、相手にされないことは目に見えています。
しかし、今も昔もフリーで活動するAV女優は非常に厳しく、プロダクションに所属しなければ活動できない空気が業界内にはありますが、もしフリーでの活動を目指すならば、Mのこのようなやり方は参考になることでしょう。
こうして、フリーとしての積極的な営業に加えて、プロダクションの営業も加わったことにより、彼女への出演依頼は次第に増えていきました。
そしてついに、熟女ブームが花開くと、彼女への出演依頼は一気に増加しました。
多い時には週に5本の撮影をこなす人気ぶりでした。
もちろん、彼女のAV女優としての顔は夫も子どもも知らないため、家事や育児は今まで通りこなさなければなりません。
しかし、仕事ができる充足感は大きく、また熟女である自分が女として求められていることへの満足感あったため、疲れを感じることはありませんでした。
AV以外に仕事が広がる
当時は、プロダクションへの仕事オファーのほとんどはエロビデオへの出演依頼ばかりであり、AV女優がその枠以外の場で仕事をすることはあまりなかった時代です。
しかし、彼女はフリーとして活動していたため、そのような型にはまらない働き方をすることができました。
AVの仕事を求めて営業をしていると、フリーの彼女に目を付け、AV以外の仕事も増えていったのです。
雑誌のインタビュー、エロ本のグラビア、エロサイトのネットモデル、CS放送や地上波TVの出演、ピンク映画、Vシネマ、イベント、サイン会、エロ系のイベントのコンパニオンなどでした。
もちろん、これらの仕事はセックスを披露する仕事ではないため、AVほどのギャラではありません。
しかし、ちょっとしたお小遣いを稼ぐには良い仕事です。
しかし、AV女優である以前に妻であり母であることを忘れてはなりません。
最近は親公認でAV女優になるなど、誰にでもばれて構わないという態度で仕事をするAV女優もおり、メーカーから大々的に売り出されて多くの人に顔が知られる単体女優にはそのような女性が多いです。
しかし、親、夫、子ども、彼氏、友達などの周囲の人にばれるといけないという立場の人は、AVはもとよりこれらのAV以外の仕事を受ける際は十分注意する必要があります。
仕事内容をよく確認してから受けなければなりません。
彼女も、もちろんばれるわけにはいかないAV女優です。
彼女が特に気を付けたのはメディアの種類です。
雑誌は映像とは異なり、動かぬ証拠が残ってしまうため、それを嫌って雑誌の仕事を受けないAV女優も多いものです。
媒体によって対応を変えるという事もあり、たとえばコンビニ系の雑誌は露出度が高いため受けないという判断もできます。
雑誌をばれにくい順番に並べていくならば、AV業界誌(一部のマニアしか読まない)、書店売りのマニア向け雑誌(これも主な読者はマニア)、コンビニ雑誌や一般紙(人目に付きやすく危ない)となります。
しかし、だからといって全て断っていては、あの女優はAV以外なかなか受けてくれないという事でオファーが来なくなってしまいます。
ばれるわけにはいかない、しかし仕事が減るのも困るというジレンマに苦しみましたが、それでもやはりばれるとまずいので雑誌の仕事が来たときには自分の写真がどういう雑誌に出るのかをきちんとたしかめ、目線を入れてもらうようにしました(当初の活動では顔を隠して仕事をしていたものの、フリーになってからは仕事を増やすべく顔を隠さずに出演するようになっていました)。
ばれる恐れのある雑誌系の仕事は、リスクを背負っている分ギャラも高いのでは?と思うかも知れませんが、雑誌のギャラは安いものでした。
しかし、AVならば一日拘束のところを雑誌では半日拘束になり、目線が入り、疑似本番をこなすだけという簡単な仕事でもあるため、承諾しました。
ある日の雑誌の仕事での様子を見てみましょう。
AVと比べると時間的制約がそれほど厳しくないのか、集合時間も昼前でした。
余裕をもって出かけることができ、終わるのも夕方前です。
雑誌では、疑似本番をこなす姿を写真で撮影し、それを収録していくというスタイルです。
そのため、あらかじめ決められたストーリーに沿って仕事が進行していきます。
その日の設定では、不倫をしている人妻が平日の昼間に恋人と会ってランチをし、ホテルに行くという内容でした。
いつも自分がやっているようなことだからラクそうだと思いました。
しかし、服装が人妻らしくないと言われ、編集長が買ってきた服装に着替えさせられました。
髪も束ねさせられ、ブーツもパンプスに履き替えさせられました。
どうやら編集長的には、色気のある熟女よりも普通のオバサンを撮りたかったようです。
普通のおばさんに変身させられた彼女は、別の意味で知り合いに見られるわけにはいかないと思うほどのダサい格好でした。
オバサン風を出したいのか、ショーウィンドウの服を眺める姿や街を歩く姿などの撮影をしました。
外での撮影が終わると、ホテルに向かいました。
部屋は広くて快適な部屋であり、AVの撮影のように音声が入ることもありません。
なぜ広い部屋と音声が関係しているのかと言えば、音声が入るAVでは、撮影の際に不要な音が入らないためにもエアコンを消す必要があるからです。
つまり、広い部屋だと夏は非常に暑く、冬は非常に寒い中で撮影をしなければならないのです。
しかし、雑誌の撮影ではテレビでも、エアコンでもつけっぱなしで撮影することができます。
たったそれだけのことと思うかも知れませんが、AVの撮影は過酷な肉体労働でもありますから、特に夏はエアコンなしの撮影は地獄なのです。
しかし、天国のようなラクな撮影というわけでもありません。
動画よりも静止画で読者を楽しませる方が恥ずかしいため、肉体的にはAVよりもハードな仕事なのです。
動きやセリフがないだけに、エロい雰囲気を出すのにも苦労します。
雑誌のセックス中の顔が大げさだと感じたことがあるかもしれませんが、それもそのはず、大げさなくらいでなければいけないからなのです。
そのため、表情ひとつに支持が飛びます。
例えば、眉間にしわを寄せろ、感じている顔をしろ。
大変な仕事であり、最初のグラビアは我ながらひどい出来でした。
ところが、雑誌の仕事が思わぬ拡がりを見せることになります。
彼女は主婦のお小遣い稼ぎとしてライターをしていたことから、裏の文章を書くことになったのです。
ある時、編集長が「エロ雑誌の記者に女性がなかなかいない」とぼやいているのを聞いたため、「私、ジャンルは違うんですけどライターもやってますよ。エロも書いてみたいです」と言ったところ、「え、本当!?なら書いて!」となったのです。
エロを書いたことはないと伝えても、妄想しながら書いてくれればいいとのこと。
こうしてエロライターとしての仕事も始まりました。
体験談風の短編を5本、隔月ペースで書いていきました。
ここから他の出版社でも仕事をもらうようになり、3年間はエロライターとしても働きました。
彼女のように、AV女優をしていたことがキャリアになり、他のキャリアと結びついて新しい仕事を生み出すことがあります。
これは両方向に言えることです。
例えば、本業が看護師のAV女優がナースもののAVに出演するなどがそれに当たるでしょう。
他にも、AV女優という特殊な経歴を生かしてエロライターになった女性はMのほかにもいますし、AV女優の経験を活かしてAVプロダクションの社長になる女性もいます。
また、AVという経歴をしいて表には出さない状態で、AV引退後にAV時代に得た人気やコネから一般タレントになる人もごくまれにいます。
飯島愛や及川奈央などがそれに当たるでしょう。
熟女ブームの理由
さて、彼女は熟女ブームにうまく乗ってAVで稼ぐことができたわけですが、AVの熟女というジャンルの捉え方にも色々あります。
出演する年齢層は様々であり、年齢は若くとも人妻が似合う雰囲気を持っている20代後半の女性が出演することもあり、「微熟女」と呼ばれることもあります。
標準的には30代から40代前半くらいの女性であり、女として円熟期にある女性がよく出演しています。
また、これはまだ熟女の中でもマニア向けのジャンルですが、おばあさんといえる年齢の女性が出演しているものもあります。
今でこそ熟女が一大ジャンルとなったために、熟女といわれる年齢層のAV女優がトップAV女優の一人として大いに活躍していますが、彼女が活躍した時期はまだ熟女ブームが始まったばかりのことです。
それまでのAV業界ではAV女優は若ければ若いほどよいとされており、熟女は青果店の見切り品のように安めのギャラでの出演が多かったものです。
当時はまだキワモノの部類だったのです。
熟女ものに限らず、AVでは色々な設定を設けたうえで製作が行われます。
熟女もので多いのは、街で買い物中の主婦がナンパされてホテルに連れ込まれる、スカウトされた人妻が断りきれずに面接に行くと会場で犯されるなどといったシチュエーションは鉄板であり、今も昔もこういったドキュメンタリータッチの作品は多いものです。
このほか、熟女に様々なコスプレをさせるものもあります。
他に多いのは近親相姦もので、義父や息子や親せきとセックスをするという設定の作品も多いです。
このほか、浴衣のコスプレなどの熟女の味を引き出すコスプレのほか、熟女にセーラー服などを着せてギャップを楽しむものもあります。
もちろん、痴漢やSMといった他のジャンルでも見られる設定での作品もあります。
このように、男性の性癖がそれぞれであることからAVの撮影ジャンルも様々となり、その点では若い女優も熟女女優も変わりません。
しいて言うならば、若いAV女優が学園ものに出演する際には生徒役として出演することが多いのに対して、熟女女優が出演する際には教師役として出演することが多いということがいえるでしょう。
熟女AV女優に多い役どころと言えば、やはり母と妻です。
それについで多いのが旅館の女将さんや飲み屋のママさん。
その他に特徴的なことといえば、熟女AV女優には「痴女」としての役柄が求められがちという事です。
母が息子の筆おろしをすべく攻める、母が息子の友達を攻める、妻が夫の部下を攻めるなどは定番ですし、痴漢モノでは痴漢される側としてではなく、女優側が痴漢をする設定で撮影されることもあります。
このように痴女としての出演は本当に多く、若い男性が年上の女性に攻められたいという願望を抱いていることがよくわかります。
特に最近では草食系男子なる、女性に奥手の男性が非常に多くなっており、セックスにおいても女性にリードされたいと思っているのです。
服装や装飾品も設定ごとに異なります。
妻や母として出演する際には、設定上既婚女性を演じる必要があるため、結婚指輪をしての出演となります。
もちろん、家族からバレることを防ぐために本物の結婚指輪をして出演するわけではなく、偽物の結婚指輪を付けます。
女将やママさんを演じる際には和服を着用し、痴女ならば水商売風のスーツを着用することが多くなります。
これが、熟女AV女優に多いコスプレであり、男が熟女に求める妄想の表れであるといえます。
熟女ブームにうまく乗ることができたMは、着実に人気を高めていきました。
熟女ブームであるとはいっても、何の変哲もない熟女であれば受けるというものではありません。
最も大切なのは熟女特有のエロい雰囲気を十分に醸していることであり、このような雰囲気は女優本人は分からないものの、撮影スタッフから言わせれば「色気ある熟女が現場にいると、撮影前からプンプンにおう」と言います。
この雰囲気はおそらくフェロモンであり、ビンテージものの洋酒から香る深みに似たものでしょう。
そのような色気ある熟女は立ち居振る舞いもエロく、若いAV女優には全く感じられないエロスを持っているものです。
本人はそれほど意識せずとも色気を出すことができる場合が多く、スチールを撮影するにしても監督があれこれ指示しなくともよい写真を撮れるものです。
それだけに、現場からも仕事がやりやすいと重宝されることとなり、これも熟女ブームを作った一つの要因になっていることでしょう。
もっとも、彼女たちも母や妻として演じている時から色気を醸しているわけではありません。
女は女として見られてはじめて色気も出てくるものだからです。
いうなれば、熟女AV女優はAV女優として働いている時に女に戻れるのです。
この「女に戻してもらえる」ということを喜びに感じてAV女優をしている熟女は非常に多いようです。
家庭から解放されて女に戻り、のびのびと色気を放っている熟女のエロさ、これこそが熟女好きの男性が求めているものであり、熟女ブームの源なのです。
もし熟女がAV女優になりたいと思ったとき、自分に色気がある自覚や男性の性的興奮を煽ることができるという自覚がない人も多いと思います。
しかし、家庭にいる時には色気がないのは当然のことであり、撮影現場で女に戻れば案外よい作品が撮れるものです。
夫バレや子バレなど色々なリスクがありますが、そのリスクをカバーするように計算して撮影をこなせば、バレる可能性は高くありません。
実際、人妻や母でありながらAV女優としてバレずに活動している熟女AV女優は非常に多いのです。