10年現役のAV女優がもっているベテラン意識とは?
若くなければAV女優としての価値は下がるのでしょうか?
活動が長い女優の新しい価値とはどのようなものなのでしょうか?
ベテラン意識をひも解きます。
若くなければAV女優としての価値は下がる?
AV女優という職業を解説した書籍などを見てみると、AV女優のヒエラルキーは単体女優>企画単体女優>企画女優という構成になっているとされています。
そして、多くの場合単体女優として活躍できるのは若くてかわいい女性であり、単体女優はギャラが高く、またメーカーの宣伝力をもとに知名度を挙げていくことができる女性です。
したがって、若くてかわいい女性こそ人気が高くギャラが高いというイメージにもすり変わりかねないものです。
しかし、AV女優としての活動期間が長くなれば、当然ながら年をとっていきます。
人気単体女優の二宮沙樹などは、デビュー当時は18歳で女子高生役がハマって話題を呼んだ女優ですが、その後10年を単体女優として過ごし、まもなく30歳になろうとしているのです。
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上記の考え方で考えるならば、AV女優の価値は年齢とともに低くなっていき、ヒエラルキーも下降していくことになります。
しかが、二宮沙樹をはじめ蒼井そら、吉沢明歩といった同じく10年以上を単体女優と過ごしてアラサーになった女優は未だにトップを疾走しています。
これは、AV女優の働き方が様々であり、ヒエラルキーを決定づける指標も一つではないことが関係しているでしょう。
一般的には若さやギャラや人気が指標になっている中で、実際にはそれ以外にも様々な指標があるものです。
それらの指標が常にAV女優が自尊心を失わないように働きかけています。
だからこそ、ギャラが減少したり、単体女優としての価値が下がったり、単体女優から企画女優に転身したりしても、プロダクションはそこには新しい価値があることを教えることで、プライドを持たせているのです。
プロダクションが見せてくれる新しい価値
若さや新しさは、一見絶対的な価値を持っているものですが、これは違います。
人間社会全体を見ても、若いものだけでは急進的になりすぎ、高齢者だけでは保守的になりすぎるところを、若いものと高齢者がうまく協調した社会を作ることでうまくいきます。
タバコは新しい葉だけ、あるいは古い葉だけではおいしいタバコにはなりませんが、新しい葉と古い葉をブレンドすることでおいしいタバコが生まれます。
これはひとえに、年が上の人にはそれなりの良いところを持っているからです。
AV女優についても同じことが言えます。
若さや新しさが絶対的な価値を持っているかと言えばそんなことはありません。
活動を重ねた女優には新しさはなく、時に若くもない年齢になっているかもしれませんが、経験、技術、汎用性などが高いことはそのような女性ならではの特徴です。
むしろ、若さや新しさが確かに売りものになっている世界であるからこそ、それを持たない女性たちは別の価値を信じなければ頑張ることができません。
つまり、彼女たちがプロダクションから教えられたり、自分で見出している新たな価値というものは、彼女たちにとって頑張る動機になっているものとも考えることができます。
経験と言う価値
考えても見てください。
ある女優がいたとします。
単体女優としてデビューしたものの、企画女優に転身し、それからぼちぼちと活動を重ねてきたが、ギャラは下がる一方で、もうアラサーだしどこかやばそうな気がする。
しかし今AV女優をやめてしまえば、大きく穴があいた職歴で就職活動をしなければならず、辛い生活は避けられそうにない・・・
このような時に、
という感情が彼女たちの支えとなります。
AV女優のベテラン意識というものは、「自分は経験年数も長いベテラン女優だ」と新人女優たちを後輩と見なして堂々とするという質のものではなく、
「自分には若さがない、しかし経験だけはあるぞ」というようなものです。
つまり、若さや新しさを失う時期に差し掛かった女優たちが、自分の中に新しい価値を見出したものが経験であり、ベテラン意識なのです。
単体女優時代には若さや可愛さがもてはやされるように、一般的な指標によって内外から価値をつけられます。
大した努力をせずとも売れていく女性もいます。
しかし、経験を重ねた女優からすればベテラン意識を持つ必要があり、これこそが単体女優たちの価値観より強力に企画女優の労働を支えています。
しかし、自分には経験がある。もう少し辛抱して経験を積んでいけば、ベテラン女優として扱われるようになるかもしれない。