AV女優になるのは案外難しい・・・倍率が高い理由とは
AV女優になりたいと考える女性が増えています。
AV女優になるのは、それほど難しいことだと思われていないのですが、実際にはここ十数年で、AV女優になるためのハードルはどんどん高くなっています。
売れっ子AV女優になることは、東大に入学するよりも、一流企業に就職するよりも難しいと言われるほどです。
では、どうしてそのように難しくなったのでしょうか。
本稿では、AV業界の採用の実態や、難しくなった背景について解説していきます。
ハイスペックになるAV女優
テレビのバラエティ番組に登場するAV女優や、毎日のようにリリースされるAVのパッケージをみれば、AV女優のクオリティがいかに高いかが分かると思います。
ルックスを見ればアイドルなんかよりもずっと可愛い女性が多いものですし、スタイルは爆乳でありながらウエストは引き締まっているというような、常識ではありえないスタイルの女性もたくさんいます。
それに加えて、高学歴であるとか、特殊な経歴を持っているとかの女性も非常に多く、まさにハイスペックな女性が多くなっているのです。
現代のAV業界では、ルックスやスタイルは最低条件として、エロさ(色気)のほか、協調性があるなどの性格面も重視されるようになってきています。
現代のAV女優に求められるスペックは、10年前のAV女優に求められていたスペックよりも大幅に高まっています。
おそらく、10年前にそこそこ売れたAV女優も、現代のAV業界では名前も知られない企画女優しか務まらない可能性もあるほどです。
このことは、ハードSMやスカトロといった特殊なジャンルを見ればよくわかると思います。
このようなハードなジャンルは、AV女優たちも誰もが嫌うものでした。
10年前ならば、このようなジャンルは、普通のジャンルに出演する機会がない、クオリティがかなり低いAV女優がこなしていた仕事だったのですが、現代では可愛いAV女優がそれらのジャンルをこなすようになってきています。
現代のエロ業界では、それがエロ本のグラビアにしろ、AVにしろ、クオリティが高い女性だけにしか撮影の機会が与えられないようになってきています。
誰でも裸になればお金がもらえる時代ではなくなったのです。
このことは、AVプロダクションの社員の話でもよくわかります。
インタビューした文章がありますので、一緒に見ていきましょう。
AVプロダクションの社員は語る
AV女優の変化
このプロダクション社員の話からも、AV女優の採用基準が高く、AV女優になることが非常に難しいことが分かります。
この理由はいくつもありますが、AV業界のクリーン化とAV女優の意識の変化に負うところが大きいでしょう。
この十数年で、AV業界は非常にクリーンなものとなりました。
プロダクションにしろメーカーにしろ、危なげな雰囲気がかなり薄くなりましたから、AV女優としてはいつも信頼できるスタッフが回りにいてくれるわけですし、撮影現場も極めて安全です。
ですから、AV業界は危なそうで不安というイメージが払しょくされました。
ほかにも、最近の女性は承認欲求が強い傾向がありますが、AV女優はそれを満たしてくれる仕事です。
何しろ、AVの撮影はAV女優がいてこそ成立するものであり、主役です。
撮影現場では非常に丁重に扱われて、承認欲求を満たすには十分です。
やりがいもあります。
承認欲求を満たせるだけではなく、頑張った分だけ確実にお金でも評価されます。
ヘアメイクを務める女性スタッフ、撮影現場の女性スタッフ、一緒に出演するAV女優など、仕事で関わる女性も一般女性ばかりなので、そこにも安心感があります。
女性スタッフはもとより、男性スタッフも一般男性なので社会的であり、一生懸命に働いています。
仕事内容には、セックスをさらすという反社会的な要素もあるわけですが、それはAVというコンテンツに出演する仕事だと考えれば、割り切ることができます。
また、AVは毎日のように新作が発売されている業界です。
よほど売れっ子にならない限り、特定の作品が見られてしまう可能性は低いのです。
バレたくないならば、発行部数の多い雑誌などには掲載しないように規制してしまえば、バレたくない人にバレる可能性はさらに低くなります。
撮影内容にしても、したくない行為はあらかじめNG項目として知らせておけば、強制されることはありません。
現場の人々と一生懸命に作り出していく一体感は心地よく、さらにお金や承認欲求でも満たされ、何の不安もありません。
仕事と割り切れば不快感はなく、露出を制限すればバレるリスクはかなり低くなります。
少なくとも、「好きな人以外とはセックスしたくない」などと考えていないならば、AVを不快に思う理由はなくなります。
むしろ、普通の生き方をしていれば到底できなかった経験ができるため、いつしかAVの世界にはまりこんでいきます。
実際、AV撮影を楽しいと感じているAV女優が非常に多く、「続けられるならいつまでも続けていたい」と考えているのです。
最近のAV女優にはこのような傾向があるのですが、昔のAV女優と比較したならば、どんな違いなのでしょうか。
要素 | 90年代のAV女優 | 現代のAV女優 |
きっかけ | スカウト、紹介 | 単体はスカウト、企画単体は応募かスカウト、企画は応募 |
セックス観 | 好きな人とするセックスは好きだが、仕事でするセックスは好きではない | 基本的にセックスが好きであり、性的なことに興味がある |
属性 | 派手、繁華街でよく遊ぶ、プロの風俗嬢、地方出身者、多重債務者、精神疾患者 | 高学歴、社会性がある、一流大学や一流企業、現役のOL、主婦、知的で清楚な美人、精神的に健康 |
金銭感覚 | 稼いだお金をとにかく使う、遊ぶのが好き、ブランド品が好き | 稼いだお金は貯金する、遊ばない、ブランド品は好まない |
仕事観 | 遊ぶお金のために仕事をする、恥ずかしいことをしていると思っている、バレるのが怖い | 生活のお金のために仕事をしている、仕事でのセックスを楽しんでいて恥ずかしいと思っていない、バレるのは好まないが最悪バレても構わない |
性格 | プライドが高くて扱いにくい、協調性がない | 素直で扱いやすい、協調性がある |
彼氏 | いる場合がほとんど | いない場合が多い |
ざっと挙げてみると、90年代と現代のAV女優にはこのような違いがあります。
特に大きな違いは、一般女性が応募によってAV業界に進出していることでしょう。
また、上記のプロダクション社員の話の通り、AV女優になりたがる女性が増えた結果、AV女優の採用基準はどんどん上がっていったことが、この表からも良くわかると思います。
セックスに対して好奇心が旺盛な女性が増え、さらにAV業界の縮小によって撮影の数が減ったことによって、AV業界は強い買い手市場になっています。
病んだAV女優が減ったワケ
かつて、AV業界には精神的に病んでいるAV女優が多かったものです。
B級雑誌を見ると、そのようなことがしばしば書かれていたものですし、「精神的におかしくなきゃ、AV女優になんかならないよ」というイメージが蔓延するのにもそれなりの理由があったのです。
精神科や心療内科に通院している、あるいは通院した経験がある、睡眠薬がないと眠れない、リストカットをしている、ODの経験があるなど、心に傷を負っている女性が多かったのです。
しかし、今のAV業界を見るとどうでしょうか。
AVに出演するAV女優をみても、そのような危なげな雰囲気はありません。
バラエティ番組に登場するAV女優に至ってはなおさらで、誰もが快活な雰囲気を持っています。とても精神的に病んでいるようには見えません。
それもそのはず、実際に現代のAV女優たちは、精神を病んでいるケースが珍しくなってきているのです。
この傾向が著しくなったのは、2006年以降のことです。
上記のように、AV女優のクオリティがどんどん良くなっていく流れの中で、AV女優として売れるためには厳しい競争に勝ち抜いて行かなければならなくなり、精神的に病んでいる女性はこの競争に勝つことができなくなったのです。
90年代から2000年代初めのAV女優には、本当に色々な精神疾患がみられました。
不眠症やうつ病、パニック障害、自傷癖といった比較的軽い症状のAV女優はごく普通にいましたし、中には統合失調症、パーソナリティ障害、サイコパスといった治る見込みが乏しい重度の症状も、当たり前のようにみられたのです。
しかし、現代のAV業界は、そのようなAV女優が生き残れる場所ではなくなっています。
何といっても、これらの精神疾患を患っている人は、当たり前のことができなくなってしまいます。
例えば、撮影の予定が入っていたのに、苦しくて自宅から出られずに撮影を飛ばしてしまったり、どうしても笑顔になれなくて最低限の演技ができなかったり、現場で共演者やスタッフと激しい喧嘩をしてしまったりと、様々な問題を起こしてしまいます。
そのようなAV女優でも、AV女優になりたいと思う女性がほとんどおらず、絶対数が少なかった時代には、AV女優として出演が可能でした。
しかし、現代では心身ともに健康で、何の問題もない女性が自らの意志で応募してくるため、プロダクションやメーカーは精神的に病んだ女性を使わなくなったのです。
プロダクションは、メーカーにAV女優を斡旋する際には、そのAV女優のプラス面とマイナス面の双方をメーカーに伝えます。
精神疾患があるAV女優の場合には、そのことをメーカーに伝えます。
となると、メーカーが使いたがらないのは当然のことです。
今や、軽度の精神疾患でも、AV女優としては厳しい時代です。
例えば、数ある精神疾患の中で、不眠症は比較的軽度なものです。
しかし、不眠症のために眠ることができず、睡眠時間が不規則になり、撮影現場に遅刻してしまったり、眠っていないために体調が悪かったりと、撮影に支障をきたすものです。
うつ病にしてもそうです。どうしてもやる気が出ず、やる気のなさが作品ににじみ出てしまえば、売れるはずはありません。
共演しているAV女優としても迷惑なことで、撮影現場全体に悪影響を及ぼします。
やはり、AV女優はセックスという肉体労働をこなす以上、健康状態が良いに越したことはないのです。
現代のAV撮影では、予算がぎりぎりに削られており、その予算の中で可能な限りクオリティを高めるため、合理的に撮影をこなしていかなければなりません。
そのためには、精神疾患を抱えた女性は好ましくないのです。
まとめ
本稿によって、AV女優になるのがどれほど難しくなっているか、その理由が分かったことと思います。
しかし、この厳しさゆえにAV女優のレベルが上がり、社会性のある真面目な女性が増えたことで、AV業界全体がいい方向に向かっている雰囲気もあります。
90年代のAV女優の特徴を述べましたが、そのような特徴を持った女性がいくら寄り集まったところで、現代のAV女優のようにアイドル的な活動もできなかったでしょう。
しかし、現代のAV女優たちには社会性もあり、真面目で、快活です。
だからこそ、AV女優が一般メディアに登場したり、引退後にタレント活動を始めたり、女性人気を獲得したりと、いい流れが生まれてきているのです。
AV女優のスペックが高くなってるのは、もう皆わかってますよね。マスカッツとか見たら、AKBなんかのアイドルよりルックスでもスタイルでも、ずっとハイレベルだと思いますよ。
なんといっても、インターネットで募集したらたくさん応募がありますからね。昔はスカウトマンが駆け回って女の子探してましたけど、今は待っててもたくさん来るんですよ。プロダクションは、その中から使える女の子を厳選して売り出せばいいんです。
うちでは写真付けてメール送ってもらってるんですけど、応募の7割くらいは写真見ただけで落としますよ。ルックスが悪い子なんて、絶対売れないのが今のAVですからね。採用してマネージメントするだけ無駄なんです。
応募の3割くらいは実際に会って面接しますけど、その中でも使えるのは3人に1人ですね。企画として働ける子がそれくらい。キカタン(企画単体)になると、8人に1人くらいですね。単体は応募で見つけるのは難しいので、今でもスカウトです。
あんまり厳しいんで、驚きますよね。ちょっとかわいいくらいなら採用しないんですよ。100人応募して面接してもらえるのが30人、その中から企画での採用が10人くらいでキカタンは3人くらい。キカタンは多くても4人ですね。
ここ数年でほんと厳しくなってるな~って思って、求人倍率を計算したことがあるんですよ。何パーくらいだと思います?・・・企画とキカタン合わせて14%くらいです。キカタンを100人の中から4人取るって考えたら、倍率25倍ですよ。単体になると応募では見つからないし、見つかる可能性がゼロではないといっても、倍率は何百倍とか1000倍とか、とにかくとんでもない倍率になるでしょうね。
こんなに厳しい理由の一つは、ルックスとスタイルの基準がかなり厳しくなったからなんですよね。顔が美人とか可愛いっていうのは最低条件ですよ。まずいえるのはね、言い方はどうかわからないけど“ブス”は絶対にダメです。最近妙な言葉も増えて来て、“ブサカワ”とかいう言葉もありますよね。不細工だけど雰囲気がかわいいみたいな。あとは顔はブスだけど体はめちゃくちゃエロいとか。
でも、AVだと駄目ですよ。人並み以下のクオリティだと、どんな企画を立てても売れない可能性がかなり高くなるから、メーカーが使おうとしないんです。
だから、そういう女の子は、せっかく裸になって、セックスもさらす覚悟があるのに、実際はスタート地点に立つこともできないんです。そういう子はせっかくセックスを売る覚悟があるなら、デリヘルとかソープに行った方がいいと思います。そういうとこなら、人並み以下のルックスでも、サービスが濃厚で人気になるなんてことは普通にありますからね。
でも、AV女優はプロ意識高くて、誰もが濃厚な演技をしますから、やる気がある子もブスだと絶対に無理です。
スタイルもよくなくちゃいけなくて、今のAV女優はCカップは最低でも必要ですね。AカップとかBカップの貧乳はまず落としますし、Cカップでも厳しいですよ。同じくらいのルックスでCカップの子とDカップの子がいたら、とりあえずDカップを取りますしね。
顔がかわいくてCカップ以上あったらまあいい線行くんですけど、体型が調っていないといけないから、そこでも落とされる人いますね。
あと、面接に来たうちの半分以上は落とされるわけですけど、これはやっぱり話してみた感じとか、漠然とした基準ですよね。話してみて素直なじゃいなとか、協調性がなさそうだとか思ったら、多分その子は現場でやっていけませんから落としますよ。この子、話し聞いてないなって思ったり、そういうのも駄目。
ほかにはセックスが大好きとは言わなくても、嫌いって言うのは困りますよね。嫌いなセックスをしてたら、どうしてもそれが撮影で出ちゃいますから。
応募で何人かキカタンを見つけても、それを売り込むためにはAV監督とかプロデューサーに気に入られないといけません。監督とかプロデューサーって、めちゃくちゃ目が肥えてますからね。実際にキカタンとしてモノになるのって、本当に一握りですよ。多分、東大に合格するよりも、総合商社に就職するよりも難しいんじゃないですか(笑)