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AV産業の経済規模が縮小している?エロは不況に強いんじゃなかったの?

人間の性欲がなくなることはない、だからエロ(性風俗産業)が衰えることはない―これは性風俗産業の経済規模を考える際などによく言われることです。

なるほど、言われてみれば確かにそうです。

世界がどのような動乱の中にあろうと、どのようなに不況の中にあろうと、男女はセックスをし続けてきましたし、交わる女性がいない男性は自慰行為を行ってきました。

これは、人間の生物としての本能からくるものですから、当然といえば当然のことです。

AV産業は不況に強い?

AV経済縮小

AV産業の経済規模には諸説ありますが、4000~5000億円の経済規模があると試算しているデータもあります。

しかし、本当にエロは不況に強いものなのでしょうか。

この信念を揺るがせる変化が、AV業界に起こっています。

当サイトを見ている人の中には、AV女優という職業に興味を抱いている女性もいるでしょう。

もしAV女優としてAV業界で働くことになれば、当然ながら業界の経済規模の動向くらいは知っておくべきでしょう。

本稿では、いくつかの側面からこのことを紐解いていきます。

 

縮小する経済規模

AV経済縮小

上記のようなデータが一説としてある通り、AV産業の経済規模は大きいと思われがちであり、また知名度も高いものです。

しかし、今のAV産業は縮小しています。

AV業界をビデオ倫理協会が牛耳っていたレンタルビデオ時代は確かに大きな経済規模を誇っていましたが、時代はセルビデオの時代となってビデオ倫理協会が解散すると流通は寡占化していくことになりました。

ビデオ倫理協会を解散へ追い込んだソフト・オン・デマンドが新興勢力の雄となり、超大手へと成長して流通を寡占していくことになりますが、現時点ではソフト・オン・デマンドとDMMグループが超大手流通としてAV産業の売上の大部分を占めることとなっています。

すなわち、この二社の売上すなわちAV産業の経済規模とみなしてほぼ間違いありませんが、その経済規模は400~500億円と考えられます。

400~500億円の経済規模と言えば、日本経済全体から見ると非常に小さいものです。

AV産業を400~500億円円と考えて、その他の業界と比較してみましょう。

  • ビッグデータ→600億円
  • クラウド→1400億円
  • 映画→2000億円
  • 音楽→3000億円
  • テーマパーク→6000億円

などが経済規模の小さな業界であり、最も大きなものが不動産業界の56.2兆円です。

ちなみに、AV産業は日本独自の文化とみなされることもありますが、日本が世界に発信する産業として、

  • ゲーム→1.2兆円
  • アニメ→1.5兆円

などですから、AVの400~500億円というのがいかに小さな業界であるかがよくわかります。

人間の性欲はなくならないからエロは不況に強いと言われてきたものの、実際には確実に縮小していたのです。

考えてみれば分かりますが、エロはエロでもAVはあくまでも娯楽の一部です。

定期的・不定期的を問わずにAVを購入していた人が不況に煽られて貧困にあえいだ時、AVのような娯楽は真っ先に切り捨てられます。

無料エロ動画で抜こう、インターネット配信のサンプル動画でもいいな、いやこの際妄想で抜いちゃえ、と考える人は非常に多いものであり、AVを買わないという選択は誰もが容易に取り得るものなのです。

そのような商品を扱っているAV業界が不況に強いはずがありません。

実際、AV業界の経済規模は右下がりの状態であり、それがいつ終わるとの目途も全くつかない状況です。

そのような深刻な不況の中でAV業界では有能な人材の流出が起こっており、作品の質が落ちているとの声もあります。

AVは本当に売れていない状態であり、もはやこれ以上落ち込めば崩壊が起こるかもしれないとする専門家もいるほどです。

 

 

AV女優への影響

AV経済縮小

経済規模の縮小はAV女優にも確実に影響を与えるようになってきています。

まず、AVが売れなくなれば製作費を削らなければならなくなります。

AVのギャラは製作費から出るため、製作費が削られればAVのギャラも減っていきます。

また、不景気な中でできるだけ多くの作品を売らなければならないことから、AVのクオリティを上げなければならず、そのためにAV女優はよりハードなプレイを求められることも多くなってくるのです。

ちなみに、1990年代初頭、つまりバブル末期にはトップAV女優の出演料は1000万円を越えることもありました。

しかし、今ではトップAV女優の出演料は最高でも300万円くらいです。

もちろん、当時のAVと現代のAVを見比べれば分かりますが。

AV女優のクオリティは比べ物にならないほど高くなり、AVの内容も過激になっています。しかし、ギャラは非常に良い場合でも1/3以下なのです。

また、この300万円という金額はAV女優の手取りではありません。

この金額はメーカーからプロダクションに支払われる金額であり、これをプロダクションとAV女優が規定の比率で分配することになります。

現代のプロダクションでは5:5での分配が一般的ですから、AV女優の手取りは150万円となります。

また、女優の手取りは4割とするプロダクションも少なくありません。

企画女優になればもっと悲惨なものです。

何しろ、絡み(挿入を含む撮影)がなく、手コキや足コキやフェラチオといった前戯的プレイだけを撮影した企画作品などに出演したならば、ギャラは手取り3~5万円ということも珍しくなく、そのようなAV女優はAVだけで食べていくのは難しいためアルバイトをしながらAV女優をするというケースも非常に多いものです。

しかし、ギャラが下がっても出演したがる女性は後を絶ちません。

これは、AV女優が一般社会になじみつつある今、AV女優に憧れを抱く女性が非常に多くなったからです。

インターネットの普及と同時にこの流れが起こったことも一因です。

AVプロダクションがAV女優募集の求人をネット上に出すと、それを見た女性がAV女優になりたいと応募してくるようになったのです。

以前はAV女優は売り手市場だったのですが、10年くらい前からは完全に買い手市場になっています。

その結果AV女優が飽和状態になり、AV女優になること自体が難しいという状態になっています。

ある業界関係者が試算した結果、応募した女性全体のうち実際にAV女優になることができる女性は、企画女優で14%、企画単体女優で5%、単体女優は0.005%以下になっています。

単体クラスになると、ゼロに近すぎてもはや数値化する意味がないほどです。

単体女優になるのは東大に入ることや、一流企業に就職するよりもずっと難しいのです。

ルックスやスタイルが良いのは当たり前であり、そこに大きなプラスアルファの要素がなければ単体女優になることはできないのです。

 

 

絶頂期のAV産業との違い

AV経済縮小

では、絶頂期のAV産業はどうだったのでしょうか。

AVの絶頂期とはAVが誕生してから10年間、つまり1982~1992年あたり、そしてセルビデオが登場してからの7年間、つまり1995~2002年あたりを指します。

この時代のAVは非常に儲かっていました。

AV黎明期に活躍した村西とおる監督などは儲けすぎてお金の使い道に困ってクルーザーを買ったり、住民税の支払いが1億6000万円の年があったりしました。

ちなみに、このころに巨乳ブームの先駆けとなった松坂季実子を使って撮影すれば、1本で数千万円は儲かったと言います。

また、1990年代のセルビデオはレンタルに比べるとモザイクが薄く、よりエロいものとなっていたため、1本50万円くらいでとにかく撮影本数を増やしても飛ぶように売れました。

どの業界でもそうですが、儲かる所には怪しげな人物も紛れ込んでくるものであり、セルビデオが売れた90年代半ばにはAV業界には関係のなかったアウトローな人々も群がってさんざん甘い蜜を吸ったといいます。

そのような非常に儲かった産業がなぜ閉塞状態に陥ったかと言えば、ソフト・オン・デマンドの影響が大きいでしょう。

ソフト・オン・デマンドの創設者である高橋がなりは、ビデオ倫理協会という既得権益を破壊することによって規制緩和を図り、公平な競争を促すことによってユーザーにメリットをもたらそうとしました。

その発想が実践されたことによってAV業界にはすさまじい競争が巻き起こり、その結果AV業界では売上を上げようとする動きが異常に強くなったのです。

その競争によって視聴者は「もっと過激なものを、もっと過激なものを」と求めるようになり、当然ながらクオリティーアップが起こり、その代償としてデフレが起こりました。

業界は無駄をする余裕がなくなって合理化による縮小を図るようになり、AV女優やAV関係者の労働の激増と収入源が起こり、全ての業界関係者が生活や人生を圧迫されるようになってしまいました。

やがて値下げ競争が起こり、以前は1本1万円以上していたAVが1本2980円や1980円になったのですから、業界の縮小は避けられませんでした。

また、世の中がデジタル化したことも業界に打撃を与えました。

デジタル化によってコピーが容易になり、インターネットを介して誰もが気軽にデータを共有できるようになりました。

インターネット上には著作権が無視されたAVが大量に流通しています。

しかも、それらのデータは無料で利用することができるのです。

そうなればAVが売れなくなるのは当然のことです。

このような中で売り上げを伸ばすために、人気AV女優は握手会やサイン会、写真撮影会などを行ってDVDの実地販売を行うこともごく当たり前になりました。

1枚買えば握手、2枚買えばツーショット写真というAKB48のようなビジネスモデルで何とか売り上げを支えている状況です。

しかし、このように一人の消費者に複数枚売れば中古品が大量に中古市場に流れ出る結果となり、新作はさらに売れなくなってしまうのです。

 

 

AV業界の未来

AV経済縮小

現在のAV業界は、一部のAVオタクや中年男性がメインターゲットとなっており、このままいけばファンは減少の一途をたどるでしょう。

生き残るためには工夫し、お金を使い、ファンを開拓していくほかありません。

例えば、日本のAV女優が異常な人気となっている中国や台湾や東南アジアなどの海外市場で新しいビジネスモデルを構築していくことがカギとなります。

また、ここ数年で人気となっている女性向けAVに力を入れることで女性ファンを獲得していくことも、一つの打開策になるかもしれません。

 

 

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