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なる前にもう一度考えよう、AVをめぐる色々な問題

AVの歴史は30年以上になりますが、その長い歴史の中で様々な問題を乗り越えながら一般社会に受け入れられるようになってきています。

今ではAV女優がバラエティ番組でアイドルのように扱われたり、歌手活動をして人気を博したり、海外で天皇や総理大臣以上の知名度を獲得していたり、Twitterで数十万人のフォロワーを獲得していたり・・・といったことが起こっています。

昔は、AV女優と言えば借金や就労などで大きな問題を抱えた女性が裸になって稼ぐことで、社会のセーフティネットとして機能していました。

とても人前で言えるような仕事ではなかったのです。

クリーンになったAV業界

AV問題

今ではAV女優は光り輝く職業というイメージを持たれるようになっており、AVモデルプロダクションに自ら応募する女性が後を絶たないと言います。

確かに、AV女優は社会に近い職業となり、昔とは比べ物にならないほどクリーンな仕事になりました。

AV女優をキャリアとして活躍している女性も少しずつ出てきており、そのような女性は今後も徐々に増えていくでしょう。

しかし、AV女優になることが全く問題ないかといえばそうとは言い切れず、やはり今でもいくつかの問題があるのが事実です。

当サイトを見ている人のなかには、AV女優になりたい女性も多いと思います。

その夢そのものはなんら問題ないものですが、AV業界に残る問題を再認識しておくに越したことはないでしょう。

 

AV出演をめぐる問題

AV問題

先日、某人権団体が発表した報告書によると、AV業界は女性に対する性的搾取が行われており、残酷な撮影なども行われていると書かれていますが、当サイトの他の記事でも紹介している通りこれは嘘なので心配はいりません。

しかし、問題がゼロといえばそれもまた嘘になります。

実際には、問題がないわけではありません。

それは、AV出演者たちに対する労働者としての権利の保護が不十分であるという事です。

これは、AV女優はプロダクションに所属するとはいっても雇用契約を結んでいるわけではなく、マネジメント業務委託契約を結んでいることによります。

つまり、フリーランス(個人事業主)と同じであるため、撮影に伴うケガや病気などの場合には治療費は自分で支払う必要があるという事です。

とはいえ、制作サイドの完全な落ち度でケガなどした場合には、プロダクションがメーカーにお金を請求することもよくあることです。

しかし、そうではない軽い事例の場合は自己管理が基本となっています。

また、撮影が長引けば労働基準法の規定以上の労働時間となることも良くあります。

もっとも、これはフリーランスであれば仕方のないことでしょう。

筆者もフリーランスのライターですが、作業に伴って事故が起これば(取材現場でトラブルに巻き込まれるなど)、余程の理由がない限りは自己責任で処理する必要があります。

また、納期が迫っていれば一日20時間でもパソコンに食らいつきます。

フリーランスなのですから、これは当然のことです。

雇用契約という形でAV女優を採用するプロダクションが現れればよいのですが、現状ではそれは難しいでしょう。

AV女優という仕事の性質上、プロダクションはAV女優の入れ替わりが激しく、仕事の量もAV女優によって大きく異なるためです。

 

 

肖像権・著作権の問題

AV問題

AV女優の権利に関する大きな問題の一つに、肖像権の問題があります。

AV女優の肖像権は守られておらず、著作権にもタッチすることはできません。

撮影を行ったメーカーは白素材といわれる無修正のマスターテープを保管しています。

修正作業などを施して作品が販売された後も、再度その白素材を編集して総集編などとして販売することもあり、作品は基本的に様々な形で売り続けられます。

しかし、AV女優に入ってくるギャラは1作品分の出演料だけです。

例えば、ある元AV女優は現役中に約400本の出演をこなしました。

もちろん、約400本分の出演料を受け取っています。

しかし、引退してから10年以上たった今もタイトルやパッケージを変えて発売が続けられ、1000タイトルを優に超える作品が販売されています。

また、引退後は販売された事実も本人に通知されないのが普通です。

また、本人は無修正作品に出演していないにもかかわらず、ネット上には無修正作品が出回ることがあります。

これは、白素材が盗難に遭ったものがネットに流出しているのです。

人気AV女優で単体としてしか働いたことのないAV女優の無修正動画がネット上に出回ることがありますが、これも白素材が盗難に遭った結果であり、そのような危険は常にあると言えるでしょう。

白素材が盗難に遭えば警察に盗難届が出されますが、警察がグレーゾーンのAV業界の盗難届けに真面目に反応するはずもありません。

法律事務所に相談に行ったとしても、高価はありません。

なぜならば、弁護士を通してサイト運営者に削除を依頼することはできるのですが、すでに何百、何千、場合によっては何万人、それ以上の人がパソコンやスマホに保存している可能性が高く、そうなれば削除依頼をしてもすぐにアップロードされるため、物理的に流出を防ぐのは不可能になのです。

つまり、AV女優は泣き寝入りをするほかありません。

なぜ白素材が盗まれるかと言えば、業界の体質に問題があります。

白素材の流出は盗難の他にメーカーの倒産もあるのですが、資金繰りが厳しくなったAVメーカーは正規の金融機関からお金を借りることができず、闇金融から借金をしていることがよくあります。

そのような業者は借金の返済に困ったメーカーに対し、白素材を回収するという手段に出ることがあるのです。

メーカーとしても白素材を借金の担保にしたとなれば問題となるため、盗難として処理するのです。

現状において、白素材の流出を防ぐ手立てはありません。

流出を防ぐためには白素材を二次使用・三次使用することを禁止したり、保管方法を検討したり、メーカーが倒産したときの処理の方法を決めておいたりするべきですが、簡単には行かないでしょう。

無修正の素材が流出することによって、まずは性器にモザイク処理が施されていない映像が出回ることとなります。

このほか、顔バレを防ぐために顔出しNG(顔にモザイクをかける)として出演したものの、白素材の流出によって顔バレしてしまう可能性もあります。

AVは年間1万タイトル以上発売されており、そのうちで流出している白素材はごくわずかです。

そのため、流出すれば運が悪いとしか言いようがないのですが、可能性がある以上は問題として認識しておいた方が良いでしょう。

 

一度考え直すこと

AV問題

AV女優になりたいと考える女性は多くなっており、最近はツイッターやフェイスブックを通して現役AV女優や元AV女優との交流が簡単になっているため、「AV女優になりたいのですが」と相談がなされることも増えているといいます。

しかし、それが若い女性である場合には、一度考えてみるべきでしょう。

AV女優になりたいと考えるのが30代や40代の女性ならば、考え直す必要はそれほどないでしょう。

なぜならば、その年齢まで生きていく中で色々な人生経験もしており、覚悟を固めているものだからです。

しかし、若い女性は人生経験が浅いためAV女優という進路が自分の人生全般に与える影響を深く考えることができずにAV女優になろうとしていることが非常に多いものです。

例えば、数年前に一大旋風を巻き起こした「恵比寿マスカッツ」に憧れていたとか、タレントやアイドルになるのは難しそうだけど裸になる覚悟はあるからAV女優ならできそうとか、低学歴で良い仕事がないからとりあえず食べていくためにAV女優になりたいとか、AV男優とセックスしたいからとか色々な動機があります。

しかし、これらの動機はどれも安易と言えます。

恵比寿マスカッツに憧れたところで彼女たちの活躍は奇跡的と言ってよいもので、彼女たちのようになれる可能性は非常に低いです。

タレントやアイドルになるのは確かに難しいものですが、AV女優の中で華やかなのは売れっ子AV女優だけであり、売れっ子になるのはタレントやアイドル以上に難しいことです。

AV女優が飽和状態にある今、AV女優だけで食べていくのが難しくアルバイトをしているAV女優もたくさんいるため、AV女優なら食べていけそうと考えるのは甘いことです。

AV男優とセックスしたいという動機に関しては言うまでもないでしょう。

実際、データがないため詳しくは分からないものの出演した後に後悔する女性もいるのは事実です。

最初はプロダクションのスタッフやマネージャー、撮影現場のスタッフにチヤホヤされていい気分で撮影していたものの、いざ発売となると怖くなるのです。

裸でセックスをしている映像が出回り、インターネットで誰でも見ることができるようになります。

親公認の元でAV女優になっていたり、親や知人にカミングアウトしていたり、ばれる覚悟ができているAV女優ならば何でもないことですが、そのようなAV女優はごく一部なのです。

いざ発売となったならば、自分がAVに出演した事実は止めるすべもなく拡大していきます。

そのころになって恐怖に潰されそうになって、親や彼氏に相談することで大きなトラブルになってしまうAV女優も多いのです。

また、AV女優を引退した後に、一般的な仕事で働きたいと思ったとしても、顔がばれていれば難しいこともあり、後悔することになるかもしれません。

 

本当にばれる?可能性は?

AV問題

AV女優であることがばれるという話が出たため、ここでばれる可能性などを検討してみましょう。

まず、ばれる可能性はあると思っていた方が良いでしょう。

実際に、知り合いに知られてしまったAV女優は1割弱に上っているといいます。

これは少なすぎるとは言えない数字です。

知り合いが知るきっかけは、実際にAVを見ることであるようです。

知り合いをAVで発見してしまった人は、以下のように語っています。

お気に入りのデリヘル嬢を素人もののAVで見つけました。

初めて見たときはびっくりしましたね。

冷静に考えれば意外性はあまりないんですけどね

→AV女優として働きながら、「現役AV女優」という肩書きをブランドとして風俗店で働く女性は多いものです。

この場合は、元々性サービスを提供している立場からそれほど珍しくはないことです。

ちなみに、AV女優のスカウトマンは風俗嬢にもスカウトをかけています。

知り合いのお姉さんがAVに出演しているのを見つけました。

その人は芸能関係と話していたのですが、まさかAV女優とは思っていなかったのでショックを受けました。

複雑な気持ちで鑑賞しましたが、まったく興奮しませんでした。

→このように、表立ってAV女優であることを公言していない人もばれてしまう可能性があります。

 

 

引退後の困難

AV問題

次の問題は、引退後に起こる困難です。

一般的に、AV女優は長く続けることができない仕事です。

今でこそ熟女ブームが起こったことで非常に長い期間の活動ができるAV女優もいますが、そのようなAV女優はごく一部です。

普通、女性は若いほど価値があるものであり、活動を続けていくうちに視聴者から飽きられて人気が落ちていくものです。

それでもできるだけ長く活動するために、徐々にNG項目を解禁しながら延命していくのですが、それにも限界があります。

また、そもそも人気が出ることなく一年以内に引退してしまうAV女優が半数以上を占めています。

したがって、AV女優として活動した期間よりも、引退してからの人生のほうがはるかに長いことは言うまでもありません。

引退後にAV女優としてのキャリアを生かして活動していける人はいいのですが、それは期待できないことです。

また、AV女優を引退してから別の路線でタレント活動や作家活動をしたとしても、その活動のバックボーンがAV女優であるためには現役時代に爆発的な活躍をする必要があり、引退後も「元AV女優」のレッテルがなくなることはありません。

つまり、一旦AV女優として活動した女性は、その経歴を一生背負って生きていかなければならない可能性があるのです。

もちろん、すぐに引退してほとんど知られなかった女性は心配ありませんが、今どき自らAV女優になりたがる女性の多くは人気AV女優への憧れを抱いており、人気AV女優になりたいという動機があるため、この事実からは目を背けることはできないでしょう。

人気AV女優となれば、街中で「AV女優の○○さんですよね?」と声をかけられたりする可能性は十分にあります。

したがって、AV女優になるということは、引退後も元AV女優として生きることでもあると考えた方が良いでしょう。

そして、AV女優としての肩書きを活かさない生き方をすることになるほとんどの女性は、その前歴を隠しながら生きていかなければなりません。

率直に言えば、AV女優になることでその後の人生が困難になることは多々あります。

困難をはねのけて生きることができれば問題ありませんし、そのような女性もいます。

しかし、そのためには高いインテリジェンスと強いメンタルが求められ、誰にでも可能なことではありません。

社会からの厳しい視線は常に意識する必要があるでしょう。

人気AV女優として多くの人が知っているような存在になれば、その後の人生を普通に生きようとしても普通に生きることはできません。

結婚すれば旦那さんが「元AV女優と結婚した」と陰口をたたかれるかもしれませんし、子どもを産めば子どもが「元AV女優の子ども」と陰口をたたかれるかもしれません。

 

 

職業差別がある

AV問題

このような困難の原因は、ひとえに職業差別がなくならないことです。

冒頭で少し触れた人権団体の報告書にしても、職業差別と捉えることができる内容、職業差別を助長する内容が確かにありました。

「AV女優をやっていた」と聞いて、偏見を微塵も持たないという人はほとんどいないでしょう。

やはり、その過去を抱えている女性は雇用しない会社は多いものですし、結婚の際に問題となることもあります。

また、AV女優をやっている女性は住居を借りようと思っても断られたり、大学を中退させられるということもあります。

これらは全て、社会全体にAV女優を後ろめたい仕事であるとする認識があるからです。

だからこそ、AV女優自身も引け目を覚えて生きにくさを感じてしまいます。

このような状況は、次第に解消されています。

世界的に見ても、性産業を立派な労働のひとつとして認め、非犯罪化する動きは進んでいるのです。

そうなれば、セックスワーカーが労働者としての人権が守られることになり、国の税収も上がり、福祉の支出も減ってくるでしょう。それを目指し、先進諸国やアジアの一部で多くのセックスワークが合法とされ始めています。

そんな中で、日本だけは非常に遅れていると言っていいでしょう。

世界的な流れに逆行する意味不明な人権団体もある通り、セックスワーカーを潜在的な犯罪者として見る風潮があります。

これこそがAV女優をはじめとしたセックスワーカーが職業差別される原因になってしまうのです。

職業差別があるからこそ、AV女優の立場は弱いものとなり、プロダクションに頼らざるを得なくなっています。

もしそのプロダクションが悪質な業者であれば、違法な性的搾取を受けることも出てくるかもしれません。

AV女優が自分の仕事にうしろめたさを感じていれば、警察や弁護士に相談することも難しく、悪質プロダクションの言いなりになってしまうかもしれないのです。

AV女優は合法的な存在であり、売春などの違法なセックスワークとは異なります。

しかし、混同されてしまっている現実があります。

 

AV女優も一つの生き方である

AV問題

AV女優は立派な職業です。

人生に行き詰った女性の起死回生の一打になる可能性も秘めています。

貧困にあえいでいる女性がAV女優になって大金を手にして、それまでの人生から脱出することも実際にあります。

格差が広がる一方である今の日本では、貧困で苦しむ女性がたくさんいます。

もともと家庭が貧しく貧困の連鎖の上にあったり、親の借金を背負ってしまったり、給料が十分にもらえる職業に付けなかったりするケースは多いのです。

そういう女性がAV女優になることでチャンスをつかむことができます。

例えば、貧困を跳ね返すために学業に邁進しても親が大学の学費を払えなかったため、AV女優として学費を稼いで大学に進学し、その後の人生を花開かせた女性もいるのです。

他にも、生活費もないほどの貧困のためにホームレス寸前であった女性が、AVに出演して衣食住を安定させることができ、社会復帰のための歩みを始められたというケースは枚挙にいとまがありません。

そのような女性たちは、口をそろえて「AVがなければどうなっていたかわからない、感謝している」と言っているのです。

一度考え直し、それでもやはりやりたいならばAV業界に飛び込むのも良いと思います。

 

 

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