AV女優の殺人は本当にあったのか?ジャーナリストが語る真実とは
かつてAVがまだまだブラックだった頃には、黒いうわさが絶えませんでした。
人気AV女優の殺人は本当にあったのか?ジャーナリストが語る真実とは…。
昔のAVはブラックだった
かつてAVがまだまだブラックだった頃には、黒いうわさが絶えませんでした。
女優が強制や脅迫の元に出演をしたり、反社会的な内容のAVが制作されたり、売れっ子AV女優が過酷な労働を強いられたりということはよくあったのです。
今は業界全体がクリーン化したためにそのようなことはなくなりましたが、当時はこれらが確実に行われていました。
わずかながら、死に関連する事件さえも起きています。
事件の真相は闇のままなのですが、ちょっと普通ではない、他殺と思われるような事件も起きたことがあります。
このような事件が起きたことで業界が負ったマイナスイメージは非常に大きく、未だにAVと言えば女優が時に殺されることもある危険な業界であると思われることもあります。
クリーン化の流れによって、それまで業界に巣食っていた危険人物や怪しい人物が徹底的に排除されました。
実際にはそのようなことはもう全くなくなっているのですが、AV業界に興味を持ちながらも一抹の不安がある女性もいることでしょう。
以下に語る2つの事件は真実です。
既に過去のAV業界の姿ではありますが、このような大きな失敗を経て改善を重ねた結果、今のクリーンな業界が作られたことを知るためには、よい資料となるでしょう。
桃井望の焼死事件
事件が起こったのは2002年10月12日の事です。
長野県塩尻市の奈良井川河川敷で乗用車が炎上していると通報があり、消防隊によって間もなく鎮火されたものの、車内では二体の焼死体が見つかりました。
これが桃井望と当時交際していた男性の死体でした。
灯油を掛けて燃やしていたために死体は性別が判別できないほどひどく焼けており、DNA鑑定によってようやく身元が判明することとなりました。
男性は助手席と後部座席の間にうずくまる形で見つかり、ほとんど骨になっているほど激しく焼けており、桃井望は車から10メートル離れた場所で真っ黒焦げの状態で発見されました。
桃井望は、当時絶大な人気を誇っていた企画単体女優でした。
東京の専門学校に進学して栄養士を目指していたのですが、2001年にAV女優になりました。
人気は凄まじく非常に多くの作品に出演し、舞台女優としても活動の幅を広げていました。
この男性は桃井望と同じ高校出身で、本格的に交際をしていたといいます。
焼死体は司法解剖を受けたのですが、その結果桃井望の死体には脇腹や背中に合計4か所の刺し傷が見つかりました。
車内では包丁も見つかり、おそらく男性が桃井を刺殺して焼身自殺を図った無理心中であるとされました。
しかし、これでは片付かなかったのがこの事件のポイントであり、つまり他殺説が時間とともに濃厚になっていきました。
無理心中と決めつけるにはあまりにも矛盾した点が多すぎたのです。
矛盾点を上げていくならば、
- 見つかった死体は裸足であり、靴は自宅に残されていた
- 自宅のパソコンは電源が入ったままであった
- 桃井望は運転免許を持っていなかったことから、車の運転手と所有者は男性であったにもかかわらず、この男性の死体が後部座席で発見された
- 男性は車内で発見され、桃井望は車外で発見された
- 二人とも数日後に友人と会う約束をしていた
- 灯油をまいているにもかかわらず、灯油の容器が見つからなかった
- 二人とも煙をほとんど吸い込んでいなかった
- 男性は右利きであるにもかかわらず、桃井望を刺したと思われる包丁が左手に握られていた
- 二人は順調に交際していた
などです。
これらの状況をみれば、誰もが他殺の可能性を疑うことでしょう。
すなわち、何ものかが桃井望と男性を拉致して焼き殺したのです。
しかし、なぜか警察の腰は重く、最初に下した無理心中と言う判断を変えることはありませんでした。
男性の家族は男性が契約した保険会社である住友保険に保険金の請求をしたのですが、住友保険は支払責任開始から二年以内の自殺であることから支払を拒否していました。
他殺であると信じて疑わなかった男性の両親は、せめて名誉回復の為にと2003年12月に住友保険を相手に民事訴訟を起こし、保険会社に支払を求めました。
裁判は長引きましたが、2007年1月に「周囲の状況から見て、複数犯であれば殺害可能であり、第三者による他殺である」と認定し、住友保険に保険金の支払いを命じました。
この判決を受けても警察は本腰を入れた捜査を行わず、未だに犯人は捕まっていませんが、勝訴したことがせめてもの救いと言えるでしょう。
周囲の状況からもちろん他殺の可能性が高いとみることができるのですが、それ以外にも他殺の可能性を高める噂がいくつもあります。
仕事でのトラブル?
当時は企画単体女優というヒエラルキーが誕生したばかりであり、プロダクションとしても困惑していました。
なにしろ、それまでは毎月1本の出演で安定的な収益を生み出す単体女優か、若しくはそれに比べて少ない収益を生み出す企画女優かの二種類しかいませんでした。
それにもかかわらず、いきなり単体女優以上の稼ぎを生みだし、出演本数にも上限がない女優が現れたのです。
前例のないことである為このような女優の消費期限もわからず、プロダクションがとりあえず稼げるうちに稼いでおこうとするのは自然な判断です。
しかも、当時のAV業界はクリーン化の真最中であり、まだ業界内には危険人物や暴力性が残っていました。
企画単体女優たちがそれらの標的にされてしまうのも、当然と言えば当然です。
桃井望のバックにもそのような何者かの暗躍があり、強制的に仕事をさせていたという噂があります。
桃井望は企画単体女優の中でも特に出演本数が多いことも、そのことを示唆しています。
また、桃井望はこの男性と本格的な交際をしていき、この恋愛を順調に進めるためにも引退を考えていたと言われています。
しかし、業界が金の卵を産む桃井を手放すわけはなく、辞めたい、辞めさせないでトラブルに発展した可能性は十分にあります。
金銭トラブル?
交際相手の男性は、2002年5月ごろに知人からマルチ商法を持ちかけられ、約80万円をかき集めています。
男性の友人もこのことは知っており、男性はこの知人にこの80万円を貸しました。
事件直前の9月には全額返済することが書かれた書類も見つかっているため、他の可能性に比べれば低い可能性ではありますが、一応噂になっています。
薬物がらみ?
もうひとつは薬物がらみの何らかの事件に巻き込まれたのではないかという噂です。
噂の中では真実味に乏しいものの、根強い噂です。