AV女優の底辺「企画女優」からでも成功する実例があります
AV女優として成功する過程を見てみると、王道と言える過程といえばルックスもスタイルも飛びぬけて優れた女性がスカウトマンにスカウトされて大手プロダクションに所属し、メーカーと専属契約をして単体女優としてデビューを果たし、作品の売り上げは好調で普通は1~2年で人気が落ちていくにもかかわらず人気が上昇しつづけ、息を長く活動していくうちに一般メディアへの進出の機会も増えてきてタレント業もこなすようになるという流れです。
これが成功のケースとしては最も多く、現在一般メディアへと活躍の場を広げているAV女優の多くがこのような過程を踏んで成功を手にしています。
しかし、この他にも成功の方法があります。
企画女優が登りつめるという成功の形態
単体女優が一般メディアへと活躍の場を広げていくと言うのが成功のケースとしては最も多いですが、この他にも成功の方法はあります。
それは、企画女優から成り上がると言ういわば「シンデレラストーリー」とも言えるものです。
企画女優とは、本来名前の内女優であり、バイト感覚でAVをやっている女優、ばれることを恐れて露出を制限している女優、単体として活躍できるほどのルックスやスタイルを持っていない女優などさまざまな女優が属しており、業界に属する全てのAV女優の8割を企画女優が占めています。
企画女優は企画もののAVに素人役として出演したり、乱交もののAVに女性の一人として出演したりするため、女優としての販売力がなくとも務まります。
名前が出ることはなく、名前が出ないだけに知名度が上がることはなく、人気が集まることもなく、さらには企画ものの需要はそれほど大きなものではないため、企画女優から成り上がるということはそうそうある話ではありません。
単体女優でさえ容赦なく淘汰されていき、また毎年数千人の企画女優が生み出される中で企画単体女優へとステップアップしてトップクラスの知名度を獲得するところまで這い上がる女優は非常にまれであり、数万人に1人の割合で出現するといってもいいかもしれません。
つまり、アイドル級の活躍をするAV女優にあこがれてAV女優になる女性は多いのですが、不本意にも企画女優としてしか出演することができないために、まったく知名度を獲得することはできず、結局誰にも名前を知られないまま引退していくAV女優もいるのです。
大成功を収めた成瀬心美
企画女優から企画単体女優へステップアップし、単体女優をしのぐ活躍を見せた女優として有名なのは上原亜衣や成瀬心美でしょう。
特に、成瀬心美は企画単体女優から単体女優まで上り詰めましたが、彼女がまだ企画単体女優であった2012年の2月に行われた「スカパー!アダルト大賞」にて女優賞を獲得しています。
この賞は、成瀬心美以前はあいだゆあ、穂花、Rio、明日花キララ、原紗央莉などの単体女優だけが獲得してきたものでした。
しかし、2012年に受賞した成瀬心美は企画単体女優であり、これは自分の実力次第で知名度を伸ばし大きく稼いでいける立場であるため、自らの力量だけで(メーカーの影響などは一切借りず)女優賞を受賞したのです。
成瀬心美の今の活躍を見ると、AV業界をよく知らない人は多くの有名AV女優と同じように、デビュー当初からプロダクションの猛プッシュとメーカーの宣伝力も借りつつ今の地位を確立したもののようにも思えるかもしれません。
しかし、成瀬心美が最初にデビューした作品は「首都圏援交54」と「エスカレートするドしろーと娘146」であり、成瀬心美としてではなく、名前さえ出ない素人女性として出演しているのです。
企画女優としてデビューした成瀬心美が企画単体女優として活躍して女優賞を獲得するまでに成長し、さらに2012年9月には宇宙企画と専属契約を交わして単体女優になるという大成功を収めたのです。
AV史上として稀に見る成功を収めたと言っても過言ではありませんが、どのようにして彼女が成功をつかんだのかを見てみましょう。
成功の裏側
成瀬心美のデビューは上述の通り企画ものであり、素人役などが多かったものです。
プロダクションにはきちんと「成瀬心美」として登録しているものの、作品の中では素人役として出演しており、設定上名前を明かすことができないため「Kちゃん」などの表記で出演していました。
そのような設定があるだけに、パッケージでも素人女性として扱われ、名前が出ることはありません。
素人役として企画ものでデビューしたあと、自分の作品を検索しても出てこなかった時に初めて自分のような企画女優とトップ女優の差を痛感しました。
そもそも成瀬心美はトップ女優のRioにあこがれてAV女優になっただけに、くやしい思いをしたといいます。
そんな彼女が今の地位を獲得するまでには、普段の天然っぽくどこかほんわかとした雰囲気がある彼女からは想像しにくい、並々ならぬ努力があります。
特に努力したのは無数に存在するメーカーの研究、売れている女優の研究を徹底的に行いました。
売れている女優の演技を研究するのはもちろん、売れている女優はどのような理由でメーカーに起用されているのかを研究し、また各メーカーがどのような女優を求めているかを研究し、撮影の時には現場でプロデューサーと話をして自分からアピールをしていきました。
それまではマネージャーの営業に任せていたり、一緒にメーカーを回る時にもマネージャーに頼り切りであったのを、「マネージャーが仕事を取ってきてくれると思ってはダメだ」と思い、自らアピールを行ったのです。
特に成瀬心美のプロダクションは所属女優が多く、マネージャー一人当たりが抱える女優の数も多かったために、一人ひとりの女優に十分な営業を行うことが不可能だと知って、成瀬心美は自ら行動するようにしたのです。
また、ブログの更新も積極的に行いました。
AV女優ではブログを行っている女優は多く、また人気のあるAV女優のブログはそこそこ閲覧されるものの、企画女優のブログを見るのはよほどコアなファンです。
更新を行っていた初期の頃には手ごたえが感じられずにやきもきしたことと思います。
それでも撮影があったらその時のことを書いたり、ツイッターも初めてつぶやきを頻繁に行いました。
ブログやツイッターを通してやりたいこともたくさん書いていきました。
こんなことがしたい、あんなことがしたい、あのメーカーさんに出てみたい、あんな撮影がしてみたい、ファンとの交流をしてみたいなど、とにかくそのようなことを発信していきました。
すると、それらの情報がいつしか業界に知られるようになってきました。
AV業界は狭い業界であるため、このようなブログやツイッターを目にした業界の人が成瀬心美に興味を示したのです。
こうして成瀬心美は少しずつ作品の本数を増やしていき、名前を出しての撮影に挑戦するようになり、次いで自分が主役の作品に出演するようになり、人気を獲得することに成功し、一躍トップ女優の座に上り詰めたのです。
また、過去に企画から単体へと上った女優には名前を変えて単体デビューを果たした女優ばかりでした。
滝沢美鈴は天衣みつ、金城美麗はREINA、東条かれんは黒木いちかというように、名前を変えることで企画時代と決別するようにして単体デビューをしたのです。
しかし、成瀬心美は企画女優の時も単体女優になっても成瀬心美のままであり、これもめずらしいことです。
成瀬心美が単体デビューまでに撮影したAVの本数は1000本以上と言われており、ここからも彼女がどれだけ身を粉にして夢をかなえようと努力を積み重ねたかがよくわかります。
誰もが成瀬心美になれるわけではない
今はAV女優に自ら志願してくる女優が非常に多く、女優は飽和状態です。
裸になればお金が稼げると言うAV業界は遠い昔のものであり、今は事務所に所属したからと言って必ず仕事をもらえるわけではありません。
それだけに、成瀬心美のように自発的な努力が求められる時代なのです。
特に、プロダクションやメーカーの強力が得られにくい企画女優の努力は相当なもので、企画女優としてデビューしたAV女優の末路は多くが悲惨なものか、全く結果を残せないだけのものとなります。
また、企画女優としてデビューをした女優が成瀬心美のようになりたいと願い、自分もブログやツイッターなどで成瀬心美のように情報を発信していけばトップ女優になれるかというと、そうでもありません。
確かにそれらの努力をしても何の結果にも繋がらない企画女優もたくさんいることでしょう。
しかし、このような自発的努力がなければ企画女優からステップアップして成功を収めることは不可能なのです。
成瀬心美は企画女優としてデビューしましたが、これはプロダクションがメーカーに売り込む力が弱かったために企画女優として埋もれていたとも考えられます。
所属するプロダクションによってこうも違うのかと思わされる例でもあります。
ルックスは間違いなくアイドル級であり、バランスのとれたスタイルにEカップの胸を持っているのですから、トップ女優として活躍する条件は元からそろっていたのです。
しかし、プロダクションの売り込む力が足りなかったために企画女優にとどまっていたのです。
そこで、自ら地道に営業を掛けていったところ、道が開けていったのです。
したがって、成瀬心美の成功談を真似ることで、成功に近づける女優と言うのは、企画女優でありながらルックスとスタイルに優れており、周囲にバレる事を恐れておらず、プロダクションの営業力が弱いために企画女優に埋もれている女優であると言えます。
逆に成瀬心美の成功談を真似ても成功に近づけないのは、ルックスとスタイルがAV女優としてはイマイチであったり、周囲にバレる事を恐れていたりする場合です。
そのような企画女優は自ら努力をしても、なかなか成功に近づくことは難しいでしょう。
それでも、「仕事がない」という言葉を連発して企画女優たちに出演の機会を与えられない大人が多い今の業界で、成瀬心美のようなサクセスストーリーは多くの企画たちに夢を与える話であると言えます。