AV業界ってホントに人権侵害が行われている?数々の批判の真相
ここ1~2年で、AV業界に対する風当たりが強くなっている気がします。
人権派弁護士を名乗る女性弁護士や、女性の人権を守ることを標榜する人権団体などが、女性の人権を侵害しているとして、AV業界をしきりに攻撃するようになっているからです。
その記事や批判の概要がYahoo!ニュースなどでも取り上げられることがあり、正当な主張であるかのようにして、多くの人の目に触れています。
AVメーカーやAVプロダクション、主役なっているAV女優たちは、これらの批判に困惑しているというのが正直なところです。
なぜならば、それらの批判が全く以て的外れ極まりないからです。
しかしながら、このような人権侵害を本当のこととして受け取っている人が大勢いるのが現状です。
そこで本稿では、様々な批判に対し、それが間違いであることを徹底的に書いていくこととします。
見出し
本稿の趣旨
近年、AV業界に対する女性人権団体や人権派弁護士による攻撃が激しく、AVに強制出演させられたなどのニュースがよく見られます。
しかし、これらは今から20年ほど前までのAV業界では確かに見られたものの、今ではほとんどみられないものです。
ごく一部の悪質な業界関係者が、未だにそのような撮影を行なっているという噂を稀に耳にしますが、あくまでも「そのような“噂”を“ごく稀”に耳にする」くらいのものであり、例外中の例外と言ってよいでしょう。
これを非難の対象とするのは、ある零細精肉業者が産地偽造をしたからと言って優良企業を含めた精肉業界全体を非難するような、ある学校でいじめが起きたからと言ってすべての教育現場や教育者を非難するような、非常に的外れな非難であると言ってよいでしょう。
したがって筆者は、現在、AV業界に浴びせられている非難というものは、時代錯誤も甚だしい非難であるか、あるいはごく一部を取り上げた、的外れな非難であると感じています。
これらの非難が、実際に的外れであることを証明するためには、AV女優の女優人生を追ってみるのが最もわかりやすいでしょう。
実際に、AV女優がプロダクションに所属し、AVにデビューし、様々な活動を行い、引退するまでの軌跡を追うことによって、その途上に撮影の強要その他の人権侵害が行われていないことを確認できれば、AV業界への間違った認識を正すための、ひとつの参考資料になると思うのです。
本稿では、AV業界に関する様々なウソを、徹底的に斬っていこうと思います。
「AV女優になる」とはどういうことか
本稿を進めるにあたり、まずは、女性が「AV女優になる」ということの意味を知っておくのがよいでしょう。
「AV女優になる」とはどういうことかと言えば、「AV女優として活動できる体制が整う」ことであり、つまりAVプロダクションに所属することを指します。
AVプロダクションに所属してから、引退を表明してAVプロダクションを辞めるまでが、AV女優の全人生であるといえます。
ただし、プロダクションという組織に所属するということは、会社のような組織の社員となり、週に5日間、毎朝8時半に出社して仕事をするようなものとは異なります。
AV女優の主な仕事はAVへの出演であり、それは出演依頼がなければ発生しないものだからです。
もちろん、そのようなAV女優でも、引退をせずにプロダクションに所属している以上は、AV女優であるといえます。
とはいえ、出演オファーがなければAV女優には仕事がないも同然であり、仮に1ヶ月間にわたってどこからも仕事の依頼がなければ、そのAV女優は丸1ヶ月間仕事をしないということもあります。
わかりやすい例でいえば、初めてプロダクションを訪れて面接を受け、採用が決まってプロダクションのモデルリストに登録されたとしても、メーカーに営業をかけて依頼が発生するまでは、仕事をすることは絶対にありえません。
メーカーに営業をかけ、作品へのキャスティングを受け、初めての出演をすればそれがデビュー作品であり、それ以降に活動を展開していくことになるのです。
ちなみに、最近のプロダクションはどこでも大抵はホームページを運営しており、所属するAV女優のプロフィールを掲載しているものです。
そして、引退してプロダクションを去れば、このプロフィールは削除されます。
したがって、プロダクションが所属AV女優として認め、このように掲載されていることを以て、「AV女優である」ということもできるでしょう。
引退すれば一般女性ではなく、元AV女優になる
ここで、今後AV女優になる女性にぜひ知っておいてほしいことがあります。
それは、引退してプロダクションからの登録が抹消されれば、AV女優は一般女性になるというよりは、元AV女優になるということです。
それはなぜかというと、AV女優は現役の時も引退してからも、出演作品に対するほとんどの権利を持っていないからです。
出演に伴ってギャラを受け取る以上の権利はなく、その作品をレンタルビデオ店に卸したり、AV専門店に卸したり、インターネットで配信したりする一切の権利は、メーカーが持っています。
したがって、AV女優が引退すると同時にそれらの作品が流通しなくなるということはなく、引退後も売れる作品ならば売られ続けます。
実際、10年前に引退した人気AV女優の作品が「復刻版」として売られたり、オムニバスものの一部として利用されたりすることはよくあることです。
したがって、プロダクションを引退してAV女優としての活動に終止符を打ったとしても、非常に知名度が高いAV女優ともなれば、引退後も作品の流通が続き、世間的には「現役AV女優」と何ら変わらない認識を受けることになります。
しかしながら、それがその後のAV女優の人生に悪影響を及ぼすことはあまりありません。
なぜならば、多くの引退後も作品が売れ続ける、人気の高かった元AV女優は、そのキャリアを利用してその後も活躍することが多いからです。
世間からそのように認識されることによって、引退後に風俗嬢になってAV女優時代の何倍も稼ぐ女性もいますし、その人気を踏み台にして一般のタレント、女優、歌手、コラムニストなどに転身するAV女優もたくさんいるのです。
もちろん、人気が出なかったAV女優の作品は、引退後もリリースするだけの価値がありませんから、当然ながら廃盤となります。
この場合には、引退したAV女優は一般女性と何ら変わらず、その後の人生を歩んでいくことになります。
しかし、インターネット時代の現代では、それほど人気のないAV女優の作品でも、インターネット上で流通し続ける可能性もありますから、やはり一般女性というよりも元AV女優といえるケースが少なくありません。
引退したAV女優が出演したコンテンツは、売れ行きが鈍れば廃盤となり、ほとんど目にしなくなる可能性もあるでしょう。
しかし、その映像をパソコンに取り込んでいる視聴者がいれば、いつインターネット上にアップロードされるか分かりませんから、やはり出演作品がこの世から完全に抹消するということはないと考えてください。
しかし、これを以て人権侵害であるというのは的外れな批判です。
なぜならばAV女優たちは、コンテンツに関して自分に権利がないこと、引退後もそれらが販売され続けることを了承したうえで、出演しているからです。
さて、これから、プロダクションに所属して「AV女優になった」女性が、初めてAVに出演してデビューするまでの流れを見ていき、その後の出演やその他の仕事(グラビア撮影やイベントへの出演)の流れなども見た上で、最終的に引退の様子にも迫っていこうと思います。
AVデビューの流れ
AVデビューの前提として、AVプロダクションに所属しなければならないことは、すでに書いた通りです。
プロダクションに所属するにあたっては、プロダクションのホームページなどから応募するか、スカウトマンからスカウトを受け、プロダクションの面接を受けることになります。
最近では、自ら応募する女性が急増しており、一方でスカウトによってAV女優になる女性も未だに少なくありません。
スカウトに関しては、自社で雇っているスカウトマンによってスカウトするか、外部のスカウト事務所に依頼してスカウトをすることになります。
プロダクションの面接
プロダクションの面接では、その女性をプロダクションに所属させれば果たして売上に貢献するかということを、ルックス・スタイル・性格などの多岐に渡って判断していきます。
それが合格点に達していたならば、どのような活動を希望しているか(専業か兼業か、NG項目(やりたくない撮影内容)は何かなど)を確認したうえで、プロダクションと女性が合意に達した場合に採用が決まります。
この時点で所属を拒否される女性も当然いるわけで、未成年や身分を証明できない人はもちろんのこと、メーカーが「売れない」と判断した女性(極端に言えばブス)は拒否されることになります。
とはいえ、プロダクションによって採用基準は異なるものですから、とりわけ優れたルックスやスタイルでなくとも、一般的なルックスやスタイルがあれば、AV女優になれる可能性はあるといえるでしょう。
ちなみに、AVには様々な内容の撮影があり、時には非常に変わった性的嗜好を満たすような、変態的な撮影が行われることもあります。
当然ながら、それをやりたくないと思うAV女優は多くなります。
したがって、そのような内容には出演しないための配慮から、NG項目を面接の時点で登録しておきます。
そうすれば、その内容を含む撮影の出演依頼は回ってこなくなります。
宣材を作る
採用が決まれば、ホームページに掲載したり、メーカーへの営業に使うためのプロフィールの作成を行います。
面接の当日に撮影する場合もあれば、日時を調整して後日撮影することもあります。
営業に用いる宣材写真は、ほとんどのプロダクションで力を入れており、プロのメイクとカメラマンを使って撮影されます。
このため、出来上がった写真を見た時、今まで見たこともない可愛い・美人な写真が出来上がっていることにびっくりし、モチベーションを高めるAV女優も大勢います。
写真を撮影したならば、その写真とAV女優本人のプロフィールを載せた宣材資料を作成していきます。
ここまで、だいたい1~2週間かかります。
メーカーへの営業
宣材が完成したら、プロダクションは1週間ほどかけてそのAV女優の活動方針などを決め、その後メーカーへの営業を開始します。
メーカーに売り込む場合、マネージャーがひとりでメーカーを訪問し、宣材資料を配布することもありますが、有望なAV女優の場合にはAV女優を同行させることもあります。
単発で様々なAVに出演する企画AV女優の場合には、マネージャーがひとりで営業します。
そして、出演依頼があった場合には、条件がよいメーカーから順次出演依頼を受けていくことになります。
一方、有望なAV女優はメーカーとの専属契約を結び、単体AV女優として売り出すことを狙うため、契約してくれるメーカーが見つかるまで、マネージャーに同行して何社も営業することになります。
デビュー
単体AV女優としてのデビューを狙って営業を繰り返し、見事単体契約にこぎつけたならば、メーカー主導でデビューの準備を行ないます。
単体契約をした以上、メーカーは契約に見合うだけの売上を確保したいと思うものですから、デビュー前に週刊誌などグラビアを掲載して、「○月◎日デビュー」ということを宣伝するのです。
このような場合には、契約を結んだ後の1~2ヶ月間は、実際にAVを撮影するのではなく、グラビア撮影だけをしながら調整することになります。
そして、準備が整ったならばついにデビュー作の内容がAV女優に明かされ、撮影日時を決め、撮影となります。
もちろん、メーカーによってはグラビア撮影を義務付けられないこともあり、その場合には比較的早い段階で撮影日程が組まれ、撮影が行われます。
企画AV女優のデビューは、単体AV女優のデビューとは異なります。
営業をかけたメーカーから出演依頼が来た時点でデビューが決まるからです。
メーカーからの依頼のうち、最も良い条件、例えばギャラが高いとか、内容が簡単とかいったものから受注していくことになるわけですが、それらの条件だけではなく、撮影日程もあらかじめ決められたうえで依頼が回ってくるのです。
その都合に合うならば、撮影を承諾し、その日程の通りに撮影現場や集合場所に向かいます。
出演依頼から撮影当日までの期間はごく短く、依頼があった翌週などになります。
撮影修了
デビュー作の撮影が終わったら、VTRの編集などを行なってすべてが完了し、発売あるいは配信が行われたならば、その日がAV女優のデビューの日となります。
プロダクションはAV女優を騙しているのか?
よくある誤解として、プロダクションがAV女優を騙して所属させるというものがあります。
人権団体の主張などを聞いてみると、なんでも「ドラマへの出演者を探している」「アイドルを発掘している」などと騙されて、プロダクションに連れてこられた女性が、何が何やら分からないうちに契約を結ばされてしまうらしいのです。
確かに、かつてはAV女優になりたいと思う女性が少なかったため、このような手法によってAV女優を確保する悪徳プロダクションがあったのも事実です。
しかし、今や何千人というAV女優が活動しており、毎年数千人の新人AV女優が誕生している時代です。
また上述の通り、ここ数年で自らプロダクションに応募してくる女性も非常に多くなっています。
このため、プロダクションはわざわざ女性を騙してプロダクションに連れて来て、あの手この手で騙してプロダクションに所属させるような、そんな面倒なことをする必要がなくなっているのです。
特に、あることないこと批判してくる人権団体が騒いでいる昨今、そんなことをやって危ない橋を渡るようなプロダクションはありません。
また、かつてのAV業界にしても、何が何やら分からないうちに契約を結ばされたAV女優など、ごく一握りだと言ってよいでしょう。
そもそも、例えば「歌手にしてあげる」などと言われ、契約書を渡されて署名をし、「これはAVの契約書だったのだ!」と告げられ、「がびーん」となり、仕方なく出演というような流れが、そうそう行われるものとも思えません。
当時も、やはりお金に困った女性が最後の手段として、自らの意志でAV女優になっているケースがほとんどだったのです。
プロダクションに騙されて契約を結ばされ、嫌だといえば数百万円なり数千万円なりの違約金を求められ、仕方なく出演していたようなAV女優というのは、AV業界が汚れていた時代においても少数派だったのです。
したがって、現在AV業界に向けられている、人権団体のこのような批判というものは、現代には全く当てはまらない、かなり昔の、しかもその当時においても少数の事例を取り上げて批判しているにすぎません。
こんなことがまかり通るのですから、「人権」という言葉は恐ろしいものです。
もちろん人権は尊いものですが、間違った批判でさえも人権人権とさえ言っていればまかり通るのですから。
そんな訳の分からない批判をして、特定の業界を追い詰めようとし、AV女優をはじめとした、AV業界で働く人々の職場を奪おうとすることは、果たして人権侵害ではないのでしょうか。
撮影はどのように行われるか?
では、デビュー作やその後のAV出演にあたり、どのように撮影が行われるのかを見ていきましょう。
AV女優ごとの出演のペース
単体AV女優になるというのは、特定のメーカーと専属契約をすることです。
この契約はどのように行われるのかと言うと、期間ではなく本数で行われます。
よく、契約社員と会社との契約期間が1年であるとか、野球選手と球団との契約期間が〇年であるとか、契約にあたっては期間で契約を結ぶことが行われています。
しかし、単体AV女優の場合には、例えば10本の出演を契約というように、本数契約を結ぶのが普通です。
といっても、専属契約を交わした単体AV女優は、1ヶ月に1本のAVに出演することになりますから、それはつまり10ヶ月契約ということであり、本数契約によって契約期間が決まっていると考えることもできます。
最近のAV業界は不景気であるため、メーカーは長期的に売り上げをもたらしてくれるAV女優を探しています。
長期的な売り上げが見込めないAV女優と長期契約を結んでしまうと、メーカーは損をしてしまいます。
そのため最近では、最初は3本から契約をし、その結果に応じて契約更新と次回の契約本数を検討するというように、比較的小規模の契約が結ばれることが多くなっているようです。
以前は最初から10本以上の契約を結ぶようなこともよくあったのですが、最近ではそのような契約はあまり見られなくなってきているのです。
さて、デビューした単体AV女優は、毎月1本ずつ、契約本数だけ出演することができます。
契約を結んでいる以上、月に1本の撮影は確実に行われ、AV女優のギャラも高いため、単体AV女優は契約期間中、安定的な稼ぎを得ることができます。
また、“専属”契約という以上、そのメーカーの作品にしか出演することができず、またそのメーカーと月1本の単体契約を結んでいるのですから、結果的に月に2本以上の出演は不可能ということになります。
一方、企画AV女優は、オファーがあり、スケジュールが開いており、撮影内容に問題がなく、本人にも出演の意志があれば、基本的に何本でも出演することが可能です。
もちろん、学生やOLを兼ねながら働いている企画AV女優もたくさんいますから、この出演ペースに関しては本人の希望に任されるものです。
オファーがあれば絶対に出演しなければならないというようなことは、絶対にありません。
したがって、企画AV女優は単体AV女優が月に1本しか出演できないのと違って、何本でも出演することができます。
兼業の場合には月に3本、専業の場合には月に5本が平均的な出演本数となっています。
ただし、企画AV女優が出演する作品は多岐にわたっています。
企画AV女優のなかでもトップクラスの実力と人気を誇っている、企画単体というAV女優になると、単体AV女優のように1本の作品に主役として出演することになります。
それだけに、ギャラも高めに設定されています。
しかし、企画AV女優のほとんどは無名の存在であり、主役をつとめるだけの実力や人気が無いため、そのようなAV女優でも務まる内容、言い換えればそれほどセールスが見込めない内容のAVに出演することになります。
したがって、ギャラも低めに設定されています。
このような企画AV女優が、AV女優全体の9割以上を占める存在です。
したがって、同じく月に平均3~5本の出演をこなすといっても、企画単体のAV女優とその他では、当然ながら収入には大きな差が現れることになります。
超人気の企画単体などになると、月に主役級で20本以上の作品に出演し、何百万円も稼ぐケースもあります。
一方、月に3本以下の出演となった場合、無名の企画AV女優ならば本当にアルバイト程度の収入しか得られないこともあります。
撮影までの流れ
では、撮影までの流れを見ていきましょう。
撮影の決定
上記の通り、単体AV女優は月に1回の出演依頼が確定しています。
企画AV女優は、出演依頼を受け、それに承諾すれば撮影が決定します。
監督面接と詳細の決定
撮影が決定すると、監督面接が行われます。
これは、出演作品の撮影を指揮する監督との顔合わせと打ち合わせです。
監督が作品の方向性を明確にするため、AV女優の雰囲気などから発想を得たり、監督が想定している撮影内容に問題が無いかを確認したり、AV女優の希望を聞いたりする場です。
監督面接が終わると、日程を調整したり、集合場所や集合時間を決めたりして、その詳細がプロダクションを通してAV女優に伝えられます。
脚本の確認
監督は、面接を経て脚本を仕上げます。
この脚本は、撮影の前にFAXなどで送られてくることもありますが、多くの場合は先日の夜か当日の朝となります。
脚本には、具体的に決定された撮影内容、撮影を進めるスケジュール、出演者などが記載されています。
現在、AV業界は不景気であり、制作費の削減が行われています。制作会社は、削減された制作費の中ですべてを賄い、スタジオのレンタル代などもその中から支払われます。
したがって、制作費の関係上、スタジオのレンタル時間を超過しないように撮影を終わらせなければなりませんから、スケジュールは分刻みになっていることが珍しくありません。
撮影当日の流れ
ここからいよいよ、実際の撮影の流れを見ていきましょう。
AV撮影の当日はどのようなスケジュールで、どのようなことが行われるのでしょうか。
集合
集合時間は朝になっているのが普通です。
AV撮影は1~2日間で行われ、単体AV女優は2日間が多く、企画AV女優は1日間が多いのが普通です。
朝の8時くらいに集合となることが多く、場合によってはそれ以前ということもあります。
したがって、地方在住のAV女優などは、撮影の時だけ上京するという人もいますから、前日からプロダクションや都内のビジネスホテルに宿泊し、翌朝に集合場所に向かうのが普通です。
集合場所は、AV業界の慣習として、新宿駅付近のビル前で集合となります。
そのため、複数社が同じ時間帯に、同じ場所で待機しているという光景もしばしばみられます。
監督とADが大型車に機材を乗せて待機しており、スタッフ(カメラマン、メイク担当者、照明担当者など)とAV女優が集合したらその車に皆で乗って撮影現場に向かいます。
撮影現場に向かう
撮影現場となるスタジオは、作品の内容に合わせて様々な場所がスタジオとなります。
都内にあるレンタルスタジオで撮影をすることが多いのですが、作品の内容が特殊である場合には、他県(と言っても埼玉県や千葉県など)のスタジオを使うこともあります。
例えば、看護師と患者という設定の作品がよくありますが、そのような作品では病院が舞台になるわけですが、まさか実際に営業されている病院を使うわけにはいきませんから、そのような場合には廃病院などで撮影することになります。
このほかにも、人妻を描いた作品ならば一軒家を丸ごと使うこともありますし、痴漢ものならばバスや電車を使うことになります。
さて、それらのスタジオに向かうための車の中は、どのような様子なのでしょうか。
これは基本的に、堅苦しいとか居心地の悪い空間ではなく、和気藹々とした空間であることがほとんどです。
雑談が交わされることもあれば、脚本やスケジュール表の確認を行なうこともあります。
新人のうちは慣れずに緊張もしますから、マネージャーが現場に同行してくれますが、半年以上活動して、それなりにキャリアを積んだAV女優や、活動期間は短くても出演本数が多いAV女優は、マネージャーが同伴せずに移動するケースが増えてきます。
現場入り
上記の通り、撮影スケジュールは過密になっていることが多いため、撮影現場に到着したら、AV女優はすぐに控室(メイクルーム)に入ることになります。
基本的に、控室はAV女優やメイク担当者などの女性しか入ることが無い空間ですが、スタジオが小規模である場合には、控室も撮影現場になることがあります。
例えば、よくみられるケースとしては、AVの序盤でカメラを持った監督が控室に入って行き、メイク中のAV女優にインタビューするといったものです。
AV女優は、控室で担当者にメイクをしてもらうほか、シーンの切り替えで時間が空いた場合などには、控室に待機することになります。
したがって、メイク担当者がAV女優の体調を管理も兼ねることが多くなります。
撮影によっては、事前にAV女優に対し、メイクをしてくることが要求されることもあります。
しかし、実際には撮影向けにメイクしてもらうことになりますから、メイクやヘアスタイリングはメイク担当者が行います。
メイクの前にはシャワーを浴びますが、この他にもシーンごとにシャワーを浴びるのが慣例となっています。
現場のセッティング
AV女優がメイクをしている時、現場ではセッティングが行われています。
撮影内容に合わせて機材その他をセッティングするわけですが、多くの場合、シチュエーションを変えながらいくつものシーンを撮影することになりますから、その度にセッティングをするのです。
ドラマもののAVなどになると、シーンの数はもっと多くなります。
玄関、風呂、リビング、寝室・・・といったように場所を変えていくため、場合によっては20近くのシーンに分けて撮影されることもあります。
撮影の様子
シーンごとの撮影では、ワンシーン当たり20分~1時間での撮影を行われます。
絡み(セックス)が無いシーン、例えば序盤のイメージシーンとか、AV女優が一人でオナニーをするシーンなどを撮る場合には比較的短くなり、絡みや特殊なプレイ(SMなど)を撮影する場合には1時間以上になることもあります。
このワンシーンごとに、AV女優はシャワーを浴び、メイク直しをし、衣装を着て、喫煙や軽い食事などを行ないます。
普通、AVではワンシーンごとに衣装や髪型が変わるため、どうしてもこのような流れが必要となるのです。
撮影修了
全てのシーンを撮り終えると撮影は終了となりますが、終わるのは深夜0時を回ることもあります。
その後、AV女優はシャワーと着替えをし、スタッフは撤収作業を行ないます。
撤収作業が終われば、帰路につきます。
集合場所近くで解散となることもありますが、時間が遅ければAV女優の自宅やプロダクションの事務所まで送ってもらうことになります。
ちなみに、撮影が2日以上に及ぶ場合、近場であればこの流れでいったん解散して、また翌朝に集合となりますが、遠隔地での撮影の場合には解散せずに泊まることになります。
解散すると、マネージャーを同伴していないAV女優は、マネージャーに電話を入れて撮影が終了したことを告げます。
これで、撮影の仕事はすべて終了となります。
パッケージ撮影
ただし、AV女優はVTRの撮影のほか、パッケージ写真の撮影をこなさなければなりません。
これは、DVDの表紙を飾る写真のことであり、かなり力を入れて撮影することになります。
また、表紙を飾る写真の他に、作品のプロモーションに使う写真も撮影することになりますから、それなりにメイク直しや衣装替えも行われることになります。
パッケージ撮影は、VTRの撮影当日に行なわれることもありますが、後日行われることもあります。
専用のスタジオを使い、半日程度で行われます。
半日といえば楽そうに聞こえるかもしれませんが、その間、何度もポーズを変えたり、一定のポーズを維持したり、窮屈な衣装で撮影したりすることも多いため、かなりつらいと感じることが多いようです。
パッケージ撮影が終われば、AV女優の撮影に関する業務は全て終了となります。
AV女優はやりたくないことをやらされているのか?
以上、撮影の全貌を見て来たのですが、一般的に思われている間違ったイメージを抱いている人もいると思います。
人権団体が言うには、AV女優が強制的に出演させられ、やりたくないことをやらされているとのことですが、彼らが言うことが本当ならば、AV女優が無理やり、何なら縛り上げられて撮影現場に連行され、脱がされ、犯されているというようなことになるのでしょう。
まず、そのAVに出演するかどうかということは、AV女優の意志を尊重したうえで決められるのは、すでにお話しした通りです。
そのため、AV女優は自らの意志で集合し、撮影現場に移動することとなります。
また、撮影に伴い、メイクやヘアスタイル、衣装のセッティングのためにはプロが用意されていることからも、何ら無理矢理というよりは丁寧な扱いを受けていることが分かります。
実際、このように扱われることで承認欲求が満たされ、AV女優という仕事にハマる女性も非常に多いのです。
そして、「やりたくない内容の撮影を無理矢理やらされている」とのことですが、これも間違いです。
そもそも、AV女優はプロダクションに所属するにあたり、やりたくない内容をNG項目として設定しており、それをもとにメーカーに営業をかけていますから、その内容を含むAVには出演依頼が来ることがありません。
したがって、やりたくない内容のAVには、そもそも出演依頼が来ないのですから、やりたくない内容の撮影を無理矢理やらされることはあり得ないのです。
そのようなことをしてAV女優やプロダクションと揉めるよりも、その撮影内容をNGにしていないAV女優に依頼することを、メーカーは選びます。
これは、誰が考えても至極もっともなことです。
たしかに、20年近くあるいはそれ以上前のAV業界では、AV女優が不足していたため、NG項目に応じてくれるAV女優がいなければ、AV女優を騙して撮影をすることがありました。
人権団体は、このことを批判しているのでしょう。
しかし、上記の通り、今や何千人ものAV女優が活動していますから、どのような内容の撮影でも、誰かしらが請け負う体制が整っています。
だからこそ、AV女優を騙し、やりたくないこと無理矢理させる必要は全くないのです。
AV業界を攻撃している人々は、このことを全く知らずに的外れな批判をしているのか、知っていてもとりあえず批判しているのか、知っていても「人権」というものを持ち出して批判すれば大抵OKだと考えているのかわかりません。
しかし、何を理由に批判しているにせよ、それが的外れなものであり、それによってAV女優が活動しにくくなる可能性がある以上、それこそ人権を無視した行為であるといえるでしょう。
プロモーション活動について
AV女優の大切な活動の一つに、プロモーション活動があります。
これは、作品の販売プロモーションのため、あるいはAV女優自身のプロモーションのために行なわれるものです。
前者はその作品の売り上げを伸ばすためにメーカー主体で行われ、後者は自社に所属するAV女優の人気を高め価値を高めるために、プロダクションが主体となって行います。
メーカー主体のプロモーション
AV女優がサイン会や握手会などを行なうことがありますが、これはメーカー主体のプロモーション活動です。
基本的には、メーカーと専属契約を交わしている単体AV女優に与えられる仕事であり、出演とプロモーション活動がセットとして、契約に盛り込まれています。
ただし、企画AV女優でも、その女優の人気が高く、主役を務めて作品を作った場合などには、販売プロモーションを行なうこともあります。
握手会やサイン会などのプロモーションは、都内では秋葉原などで行われるものが有名です。
しかし、単体AV女優ともなると、プロモーション活動を全国的に行うのが普通で、名古屋・広島・福岡といった地方都市に1泊で出向き、複数のDVDショップを回ることもあります。
メーカー主体のプロモーション活動では、メーカーのプロモーション担当者とマネージャー、そして現地スタッフを伴い、DVDショップやレンタルビデオ店を回っていきます。
また、これらのイベントは、イベントと言ってもそれほど盛大に行われるものではなく、店舗の一角で小ぢんまりと行われるものです。
例えば、DVDショップの陳列棚の前に机を置いて、数分のトークイベントをしたり、作品を購入してくれた客にサインや握手をしたり、ツーショット撮影などを行なうというものです。
これらのイベントには、知名度が低い女優でも数十人の観客が集まるものですし、それなりの販促効果があります。
DVDを購入しない客でも、AV女優を見るためだけに参加する人もたくさんいますし、熱心なファンになると全国すべてのイベントに参加する人もいます。
プロダクション主体のプロモーション
次に、プロダクションが主体となって行うプロモーションを見てみましょう。
このプロモーションは、サイン会や握手会などではなく、グラビア撮影や雑誌取材、あるいは撮影会などを行なうことになります。
これによって、そのAV女優の存在を知って興味を持ち、作品を見てファンになる視聴者もいるため、AV女優自身のプロモーションになるわけです。
メーカーのプロモーションでは、出演料にプロモーション活動のギャラも含まれていますが、プロダクションのプロダクションでは、それぞれの活動にギャラが出るのが普通です。
グラビア撮影
グラビア撮影は、プロダクションから出版社に営業をかけ、掲載が決まれば撮影が行われます。
スタジオ撮影ならば半日~1日、ロケ撮影ならば2日間以上にかけて撮影を行ないます。
前者の平均的なギャラは5万円程度であり、後者の場合は日数や撮影内容に応じて増額されます。
雑誌取材
雑誌取材は、出版社からの直接的なオファーを受けることが多いものです。
ジャーナリストがインタビューをすることもあれば、AV女優のプライベートを紹介するために、私服姿やペットの紹介などが行われたり、場合によってはAV女優自身が体験記などを書くこともあります。
ギャラはグラビア撮影よりもやや安くなります。
撮影会
撮影会は、スタジオを貸し切って、プロダクション主催で参加者を募り、AV女優が私服や水着姿などで被写体となります。
ただAV女優を見たいというのではなく、その姿を自分のカメラに収めたい人が集まるため、かなりコアなファン向けのイベントとなります。
つまり、このようなイベントによって、根強いファンの囲い込みをしていくわけです。
これらのプロモーション活動は、単体AV女優は受けない傾向が強く、企画AV女優は受ける傾向が強いという特徴があります。
なぜならば、単体AV女優はメーカーからの宣伝が行われ、またメーカー主体でのプロモーション活動を行なうため、色々な人の目に触れる機会が多く、敢えてその他のプロモーション活動をする必要が無いからです。
一方、企画AV女優は自ら露出の機会を増やすために、グラビア撮影や雑誌取材などのプロモーションをすることが多くなります。
もちろん、これらのプロモーション活動は、親や友人、知人などに知られてしまう可能性も高めてしまうものです。
そのような人にばれたくないからプロモーション活動をしたくないという場合には、プロダクションに相談しておけば一切拒否することもできます。
プロモーション活動は性的搾取なのか?
このようなプロモーション活動に対しても、批判があります。
プロモーションにおいて、握手会、サイン会、撮影会などのイベントを開く際にはAV女優本人が出演してファンサービスを行なうことになります。
つまり、その女性を性的対象として見ている男性が集まり、その好奇の目にさらされることを、ひどいことだ、性的搾取だというのです。
その背景には、やはりそれらのプロモーション活動では、AV女優がやりたくなくてもやらされているという認識があるからです。
しかし、これも間違っています。
まず、メーカー主体のサイン会・握手会などのプロモーションですが、これはメーカーとの専属契約で義務付けられているものであり、ある意味では強制力があります。
しかし、このようなプロモーション活動が義務付けられていることは、AV女優の方でも認識しています。
その上で、単体AV女優として大々的に売り出してもらい、安定的に大きな稼ぎを得たいと思っているからこそ、プロモーション活動を受け入れているのです。
また、単体AV女優は、契約しただけの作品に出演し、その売り上げが悪ければ契約更新はされません。
つまり、安定的な出演の機会がなくなるわけです。
しかし、なりたくてなった単体AV女優なのですから、できれば契約を更新したいと考えるのが普通です。
したがって、メーカー主体のプロモーション活動をこなし、販売を促進し、少しでも売り上げを伸ばして契約が更新されるように努めることは、単体AV女優が望んでやっていることなのです。
次に、プロダクション主体のプロモーション活動ですが、これもAV女優が望んでやっていることです。
なぜならば、彼女たちは単体AV女優とは違って、メーカーの後押しがない以上、プロダクションのマネージメントと自らの努力で出演の機会を勝ち取っていく必要があります。
そのためには、グラビア撮影や雑誌取材を受けて露出の機会を増やしたり、撮影会に出演してコアなファン層を作ったりする必要があるのです。
これらのプロモーション活動が、彼女たちの意志で行われていることは、AV女優がAV女優であると名乗った上で、TwitterなどのSNSで活動していることからも良くわかるでしょう。
上記の通り、バレるのを避けたいならば、プロモーション活動に参加する必要はなく、当然ながらプロダクションから「Twitterをやれ」などと強制されることもありません。
彼女たちは、Twitterを用いて様々なツイートをしたり、プライベート写真を載せたりすることによって、グラビア撮影や雑誌取材の機会がなくとも、自ら発信の機会を作っているのです。
以上のことからわかる通り、AV女優たちが行うプロモーション活動は、やりたくないことをやらされているわけではなく、性的搾取でもありません。
彼女たちは、自分がAV女優としてより多くの作品に出演し、より多くのギャラを稼ぎ、より長い期間にわたって続けられるように、セルフプロデュースも兼ねてプロモーション活動を行なっているのです。
引退について
ここまで、AV女優のプロダクション所属、デビュー、撮影、プロモーションと見てきたわけですが、その中でひとつ明確になりつつあることがあります。
それは、AV女優の活動は、全く人権侵害など行われておらず、AV女優たちが自らの意志で行なっているということです。
もちろん多くの業務は、AV女優のマネージメントを行なうプロダクションに任される部分がかなりあるのですが、それも全てAV女優の意志を前提としたものです。
やりたくない撮影内容にはNGを出しておけばいい、条件や予定が合わなければ出演依頼を断ってもいい、プロモーション活動はバレたくなければやらなければいいのです。
単体AV女優では、契約に基づいて強制される部分もありますが、それもAV女優の「単体AV女優として活動したい」という意志が前提となっています。
そして、最後に気になることを解説したいと思います。
それは契約更新や引退に関するものです。
AV女優は望まない契約更新をさせられたり、引退したくてもできなかったりといった、人権侵害を受けているのでしょうか。
企画AV女優の引退
まず、企画AV女優の場合を考えてみましょう。
彼女たちは単体AV女優とは異なり、長期にわたる出演契約を交わすことはありません。
したがって、出演ペースをどうするか、いつ休むか、いつまで活動するかといったことは、全て自分自身で調節することができます。
例えば、女子大生がアルバイトとしてAV女優をやっており、試験が忙しいから休みたい、卒業研究が忙しいから活動を休止したいと言った場合には、出演依頼を全て断ることもできます。
逆に、出演を増やしたいならば、出演依頼は全て受け入れ、面接の回数も増やしていくのです。
引退にしても、企画AV女優の場合は、本人の意志だけで引退が可能です。
撮影予定が入っていなければ、引退したいことを伝えればプロダクションが承諾し、プロダクションの所属リストから削除し、それ以降の出演依頼は全て断ることで引退は完了となります。
企画AV女優の中でも、有名なAV女優の場合には、引退の時期を決め、引退作品に出演して引退に至ることもあります。
しかし、昨今では引退作品を作っても、特にセールスが伸びないということも多いため、引退作品に出演して引退するAV女優は稀です。
引退作品を撮影する場合にも、プロダクションが最後の性的搾取として行っているという批判があるかもしれませんが、そんなことはありません。
嫌ならば出演しなくていいものですし、AV女優が最後の一稼ぎとして出演しているものです。
単体AV女優の引退
では、単体AV女優の場合はどうなのでしょうか。
彼女たちはメーカーと専属契約を交わしているため、基本的には契約中の引退はできないとされています。
しかしながら、体調不良、妊娠といったやむを得ない事情がある場合には、契約の途中で引退することも認められています。
このような特別な事情がない単体AV女優が引退したいと考えた場合、契約の本数を全てこなした後、契約更新を行なわずに専属契約を終了し、それ以降は企画AV女優と同様の流れで辞めていくことになります。
辞めたくても辞められないということはない
AV女優の引退は、上記のようにAV女優の意志に基づいて行われるものです。
しかし、人権団体などの攻撃を見てみると、あたかも引退したくてもできず、無理やり仕事をさせられているかのように書き立てられていることがよくあります。
例えば、単体AV女優が契約途中に引退したいと思ったとき、「契約途中なのに解約だから、違約金1億ね」といったように、無理難題を吹っ掛けられて辞めたくても辞められないというようなものです。
他にも、契約を満了したら、契約を更新せずに引退しようと思っていたのに、なぜか契約が自動的に更新されていて出演し続けなければならなくなったということもあるとされています。
企画AV女優にしても、引退したいと思ったのに次々と仕事を入れられて辞められない、辞めようとしたらプロダクションから契約違反だと言われ、違約金を求められて辞められないといったことがあると言われています。
しかし、こんな馬鹿げたことがあるはずはありません。
基本的にペナルティを課せられたり、色々な手で引退させないというようなことはないのです。
単体AV女優が契約途中で、やむを得ない事情によって引退を考えたときにも、プロダクションからメーカーに事情を説明し、謝罪したうえで引退させるだけです。
実際、元AV女優へのインタビューでも、妊娠してしまったために、契約途中に引退したというケースがいくつか見られます。
その時のプロダクションやメーカーの反応も、「しょうがないから、辞めたらいい」というくらいのもので、スムーズに引退できたと言います。
このように、強引な引き留めやペナルティの発生はありません。
この元AV女優のケースが珍しいのではなく、AV業界全体をみて、AV女優を引き留めたり、ペナルティを課すことによって、強制的に仕事をさせるということは全くありません。
AV業界は、ちょっとしたことで警察沙汰になったり、あることないこと人権団体などに攻撃される業界であるため、そのタネになるようなことは厳格に避けられているのです。
無理矢理仕事をさせれば、そのAV女優が警察に駆けこんだり、弁護士に相談したりするかもしれません。
友人や親などに相談して、警察や弁護士に持ち込まれることもあるでしょう。
また、無理矢理に出演させ、いやいやながら撮影に臨めば、いい映像は撮れません。このように、色々な問題が発生します。
そのようなリスクを負うよりも、他のAV女優の中からキャスティングし、リスクのない撮影をした方が、どれだけ良いかわかりません。
自主的に出演する意思があるAV女優が何千人もいるのに、わざわざ嫌がる女性を無理矢理出演させて、取らなくても良いリスクを取るほど、AV業界もバカではありません。
まとめ
本稿において、AV女優のデビューから引退までの活動を追ってきました。
これによって、AV女優が活動のどこかで人権侵害を受けていたり、裏社会の人間から非人道的な扱いを受けていたりすることは全くないことが分かったと思います。
何度も繰り返す通り、そのようなことはAV業界の黎明期には実際に見られたことではありますが、今では全く見られないことなのです。
過去の事例を教訓にして現在に活かす、つまり温故知新の精神で取り上げるならばよいのです。
しかし、過去と現在を混同して的外れな批判をしていても、何も生まれるものではありません。
人権団体や人権派弁護士と言われる人たちの、ズレた正義感がみたされて気持ちよくなっているだけであり、そのマスターベーションのためにAV業界やAV女優が迷惑をしているだけの話です。
本稿を読んだ人が、少しでもAV業界に正しい認識を持ち、訳の分からない集団の訳の分からない批判に流されず、正しきを以て視られるようになれば幸いです。
世間一般の認識が適正になり、批判をする集団の言っていることが間違いであると見抜けるようになれば、本稿で取り上げたようなデタラメな批判も少しずつ減ってくることと思います。