AV業界の今を知る~2015年を振り返る~
社会の道徳観念がより昔ほど凝り固まったものでなくなっている今、AV業界が一般メディアを初め色々な媒体で話題になることが多くなりました。
昨年2015年を振り返るならば、AV男優という本来ならば忌み嫌われる職業に光が当たり、AV男優ブームが起きたことが記憶に新しいです。
一般的になりつつあるAV業界
AV男優が表舞台に徐々に進出するようになり、撮影現場や業界の裏話を話すことによって、AV業界は以前と比べてより一般社会と近しいものになりました。
一般社会に近づいて興味を持たれることが多くなっているAV業界について、本稿ではより深く「裏側」を見て行こうと思います。
昨今のAV業界の様子は?
AV業界の裏側を除くにあたって、まずはその前提知識に軽く触れておきましょう。
業界全体は今どのような状況なのでしょうか。評論家の間ではもっぱら、現在のAV業界は模索期にあるとされています。
業界全体としては、2008年ごろから市場の縮小に歯止めがきかず、右肩下がりとなっています。
AVはセルDVDの販売だけではなく、インターネットの普及に伴ってダウンロード売りとして提供されるのが一般的になっており、ダウンロード売りが増えているものの、セルDVDの落ち込みに歯止めをかけるほどではありません。
これは、インターネットを利用すればいつでも好きなときに、無料でエロ動画を見られるようになったことから、セルDVDを買ったり、有料ダウンロードをしたりする必要がなくなったからです。
この売上定価に少しでも歯止めをかけるべく、オナホールなどのグッズ販売を展開したり、AV女優のイベントを積極的に開催することによって手売りを行なったりすることが重視されるようになっています。
アイドルグループがCDに握手券を付けて売ることで売り上げを伸ばしているのと同じビジネスモデルであり、DVDを購入した枚数に応じて握手や2ショット写真などの特典が得られるという形で売り上げを伸ばそうとしているのです。
このほか、インターネットでの映像提供にあたっても、音楽業界のように月額制で動画を見放題とするサービスを始めたり、売上げに繋がる方法を各メーカーが試行錯誤しながら模索しているのです。そのため、“模索期”と呼ばれているわけです。
AV女優数の変化はどう?
当サイトでも2014~2015年にかけて掲載してきた記事の中で、AV女優数が非常に増えているという事を書いてきました。
一昔前ならばAV女優とはどうしようもなくなった女性が最後に裸を切り売りするための場所であり、セーフティネットとして機能している側面もありましたが、最近ではAV業界がクリーンになったことや、AV女優が表舞台で活躍することが多くなったことから、自らAVモデルプロダクションに応募してくる女性が多くなったのです。
AV女優の絶対数は、10年前と比較すると大幅に増加しています。
しかし、2016年になってから2015年を振り返ったところ、どうも増加率に歯止めがかかりつつあるようです。
AV女優のアイドル化や業界のダーティなイメージが払しょくされてきたことで、自分も注目されたい、成り上がりたいという願望を抱いているAV女優に応募する女性は確実に増え、それに伴ってAV女優になることへの敷居はどんどん下がっていき、母数が増えたことで活躍する女優のルックスが底上げされることとなりました。
とはいえ、AVの女優の供給増加にも変化が訪れています。
色々なAVプロダクションの話によると、AV女優への応募数が大幅に減ったそうです。
AV女優には単体女優、企画単体女優(キカタン)、企画女優というヒエラルキーがありますが、単体やキカタンでトップとして活躍するAV女優ばかりが多くを稼ぎ、それ以外のAV女優はあまり稼げていないことが次第に明るみに出てきたからです。
AV業界に対するイメージが改善されたのと同時に、「脱いでセックスをさらせば簡単にお金を稼ぐことができる」というAV女優の典型的なイメージも改善され、それが応募数の低下に繋がっている様です。
といっても、やはりAV女優の人数は数年前に比べると多くなっているということを示すデータを挙げておきます。
【AV業界規模の変化】
市場規模…約5000億円
年間発売タイトル数…約1万本
女優人口…約5000人
市場規模…約4000億円
年間発売タイトル数…約2万5000本
女優人口…約8000人