AV女優になりたいのであれば知っておいたほうがいいスカウトのこと
一昔前は、AV女優としてデビューする女性はほとんどがモデルプロダクションのスカウトによるものでした。
募集をかけても応募してくる女性などいなかったため、スカウトマンが街で声をかけてスカウトしたのです。
それでもなかなかスカウトに応じる女性はいなかったもので、半ば騙すような形でスカウトに応じてもらい、出演させると言うことがごく普通に行われていました。
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AV女優の求人はスカウトがメインだった
最近では業界の様子もすっかり変わってしまい、募集をかければ多くの女性が自ら応募してくるようになりました。
応募の数は業界全体で毎年数千人に上り、その中から女優を採用しています。
それでも、応募してくる女性のなかには「これは売れる」と確信できるような女性はそれほど多いものではありません。
となると、やはりスカウトマンが街に繰り出し「これは売れる」と確信した女性に手当たり次第スカウトをかけていくことになります。
したがって、現在も単体女優や企画単体女優として活躍できるクオリティが高い女性の獲得は、未だに昔ながらのスカウトに依存しています。
企画女優は応募、企画単体女優は応募もしくはスカウト、単体女優はスカウトメインとなっています。
スカウトマンはスカウトした女性が売れる事で、スカウトバックをもらって生計を立てています。
したがって、一攫千金を狙っているスカウトマンは企画女優レベルの女性には声をかけません。
ほとんどお金にならないからです。
そのような女性をAV女優としてスカウトしても身の丈に合っていないため活躍できず、徒労に終わってしまいます。
近年のスカウトの状況
ただし、スカウトは時代とともに難しくなっています。
例えば2005年に東京都迷惑防止条例改正条項が施行され、このなかにAVのスカウトが盛り込まれたことで路上でスカウトをすることができなくなりました。
そのため、モデルプロダクションとスカウトマンは都内でスカウト行為ができなくなったため、地方都市でスカウト行為を行わざるを得なくなりました。
しかし、地方都市でも東京都の条例と類似したものがすぐに広まったため、現在ではスカウトマンは場所や時間帯を気にしながら、努めて目立たないようにスカウト行為を行っています。
この条例が施行される前は都内で盛んにスカウト行為が行われていました。
渋谷、新宿、池袋などといった若者が多い街でスカウト行為を行うスカウトマンは非常に多く、地方都市にもスカウトマンの数は多かったものです。
繁華街に何度も行く機会がある美人な女性ならば誰もが一度は声をかけられたことがある、というほどだったのです。
実際に、歌舞伎町に住んでいるあるAV女優の体験談によると、条例が改正される前は駅から自宅までの往復の間に毎日何回も声を掛けられていたそうです。
スカウトと応募の女優の違い
またスカウトということに関して、AV女優のデビューのきっかけがスカウトか応募かによって女性の性格傾向にはっきりとした差が現れるのも面白いところです。
スカウトを受けてデビューする女性の多くはルックスやスタイルなどのクオリティは非常に高いのですが、お金や時間にうるさかったりルーズであったりする女性が多い傾向があります。
反対に、応募によってデビューした女優はルックスやスタイルはそこそこあるいはイマイチであるものの、やる気がある、セックスが好きである女性が多い傾向があります。
これはスカウトされたAV女優には自分の美貌がスカウトに至らせたということに対する自信が強く、その自信が時に傲慢さになってあらわれる事が多いです。
応募したAV女優はプロダクションに所属させてもらっているという意識が強く、それが謙虚さになって現れる事が多いのです。
スカウトの様子
スカウトの様子はどのようなものかというと、スカウトマンは人通りの多い繁華街で女性を観察し、気になった女性に声をかけて勧誘すると言うのが一般的な方法です。
声をかけられた女性は無視して立ち去る女性が圧倒的に多いのですが、立ち止まる女性は多くの場合「お金が稼げるかも」と思って立ち止まることが多いです。
ただし、それだけではなく「有名になれるかも」「認めてもらえるかも」などといった承認欲求をもって立ち止まる女性も少なくありません。
特に、「なにかをしたい」と刺激を求めているものの、なにをしていいかわからずに途方に暮れているような女性であれば、承認欲求からAVデビューをすることもよくあることです。
とくに、近年は若年層の女性において承認欲求が強い傾向があります。
これは社会のあらゆる面において本質的に大切なことが失われたことで、
- 自分が何に頼っていいのかわからない
- 自分の何に自信を持っていいのかわからない
- 自分がどうすれば自信を持てるのかわからない
- 自分がどうすれば認められるのかわからない
などの心理的な混乱が生み出されたことが大きな原因でしょう。
軸が定まっていない女性に対して口舌たくみにスカウトマンが揺さぶりをかけると、簡単に”ぽきり”と折れてしまう女性が非常に多くなったのです。
まず「かわいい」「綺麗」などとプロダクションのスカウトマンを名乗る人物から声をかけられたことで承認欲求がわずかに満たされて快感が生まれ、さらになる快感を求めてAV女優になる決意をします。
そしてAV撮影に臨んではスタッフや男優から大切に扱われることでさらに承認欲求が満たされ、実際に販売されたDVDが売れてファンができれば非常に大きく承認欲求が満たされるのです。
同時に、これまでたいした成功体験を味わわずに生きてきた女性であれば、自分の実力が売上として目に見える形で実感できることで成功体験を味わうことができることも快感につながります。
嘘や作り話でスカウトが行われることも
また、今でも作り話や嘘によってスカウトがかけられることは少なくありません。
例えば「テレビドラマに出演してくれる女性を募集している」などと言って声をかけるのです。
常識的な女性であれば、テレビドラマに出演する女性は芸能プロダクションに所属する女優から起用されるのがふつうであることから、「そんな嘘通用しない」とばかりに無視して通り過ぎます。
しかし、これが「芸能人になりたい」と言う非現実的な願望をもって漠然と田舎から出てきたような女性であればどうでしょうか。
また、ドラマのオーディションなどを受けているのに落ち続けている女性であればどうでしょうか。
「夢にまで見た芸能界への道が幸運にも開けるかもしれない」などという期待が湧きあがり、胸は躍るかもしれません。
この典型的な例として企画単体女優として活躍した林まなみの体験が挙げられます。
彼女は最初スカウトを受けた時、「ドラマの準主役を探している」と声をかけられました。
もともとモーニング娘にあこがれて芸能界で活躍することを妄想していたような女性でしたから、ころっとやられてしまいました。
すぐに「いい話だな」と思って詳しい話を聞きに事務所に行きました。
事務所を訪ねてみると、予想に反して事務所とは名ばかりの雑居ビルのボロボロの事務所。
そして色々と小難しい説明を受け、よくわからないままなんとなくドラマというのは嘘くさいなと感じたものの、結局は『準主役』と最初に言われたことが引っ掛かって、このチャンスを逃すまいとしがみつきました。
最初は「ドラマに出るのは名前を売ってから、だから水着の仕事をしてからだ」と言われました。
林まなみは写真のモデルにもあこがれていたのですが、さらに事務所の人から「こういう写真をとる」と言われて見せられた写真集は売り出し中のアイドルの写真集でした。
さらに事務所の話ではそのアイドルの写真集は自分の事務所で手掛けたものだと言われました。
そして嬉々として事務所から言われるままに書類にサインをすると、ドラマも写真集もなく、いきなりAV出演の運びとなったのです。
客観的にみるとまさか騙されまいと思う子供だましのようなスカウトの手口ですが、このような方法で実際にAVデビューしている女性がいるのです。
一流女性こそスカウトに頼っている
前述の通り、自ら応募してAVに出演する女性が増えた今も、単体女優はスカウトに頼っています。
決定的にクオリティが高い女性はスカウトするしかないのです。
クオリティの高さは外見のよさももちろんその一つですが、そのほかにも一流大学に在学している「現役女子大生」や、一流企業に勤務しているエリート女性などもクオリティの高さに当たります。
一流大学や一流企業に所属しており、なおかつルックスのいい女性はAVに出演せずとも前途洋洋であるため、自ら応募してくることはまずありません。
そのため、どうしてもスカウトするほかないのです。
また、このような女性は風俗業界のことなど頭の片隅にもないような場合がほとんどなので、スカウトも根気強く行うことが多いです。
腕利きのスカウトマンが時間と労力をかけて口説き落とすのです。
場合によっては、最終的にAVデビューさせることを見越して恋愛関係になることも珍しくありません。
最初からAVの話を持ち出すことなく、一般男性として声をかけてまずは恋愛関係になり、半年や一年以上を費やして徐々にAVデビューへと近づけていくのです。
スカウトバックという制度
なぜスカウトマンはそこまでして女性を口説くのかと言うと、これは単純な話でお金になるからです。
スカウトマンは口説いた女性をプロダクションに紹介します。
そしてその女性が売れた場合には、売上の15~20%をスカウトバックとして獲得することができるのです。
さらにスカウトバックには期間の制限がないため、その女優が売れ続ける限り永久に稼ぐことができるのです。
そのため、例えばあるスカウトマンが数人の女性をプロダクションに紹介し、そのうち5人が単体女優となって毎月200万円を稼ぎだしたとすれば、
200万円×20%×5=200万円
となり、スカウトマンは何もせずとも毎月200万円の収入を得る事ができるのです。
もし紹介した女優が企画単体女優として大当たりして毎月600万円の売り上げを出したならばその一人だけで120万円のスカウトバックが生じるのですから、非常に裕福な生活を送ることができます。
それだけにスカウトマンの嗅覚には凄まじいものがあり、彼らが目を付ける女性というのは売れる事が多いものです。
もしAV女優としてスカウトを受けたならば、それだけでクオリティを保証されたようなものであり、本人のやる気次第でAV女優になるのも悪くないと言えます。