普通の女性がスカトロ女優になった理由とは?
AVの中ではレイプ、野外プレイ、ぶっかけ、中出し、SM、アナルセックス、スカトロといった非日常なセックスが行われます。
特に、スカトロなどといった一部の異常性癖を満たすためのキワモノAVに出演する女優は激しい偏見にさらされがちです。
しかし、実際にはごく普通の女性がスカトロに出演しているケースもあるのです。
AV女優への偏見
AV女優という職業は、最近になってようやく偏見が和らぎつつありますが、そうはいってもまだまだ根深い偏見にさらされているのが実情です。
その偏見の源泉は、セックスは人にさらすべきものではないという一般的な社会通念に発するものであり、だから裸を晒セックスをさらすAV女優は頭がおかしい、精神的におかしい、お金のことしか考えていない、恥知らずなどといった様々な偏見にさらされているのです。
AVの黎明期にはAV女優という職業はソフトなセックスをさらすことが多く、それでも激しい偏見にさらされていました。
しかし、AVの歴史の中で、AVがレンタルビデオからセルビデオに変わり、誰もが安価でAVを購入することができるようになった結果、AVの流通枚数は飛躍的に増加し、一般の人々に広く流通するようになり、人々はより興奮できるものを、より過激な物を求めるようになりました。
インターネットの普及によって誰もが手軽にAVを視聴できるようになっている今、その過激化への流れは留まるところを知らず、潮吹きや中出しなどのかつては過激とされた描写がスタンダードになりつつあるほどです。
そのため、社会的な道徳が変化してAV女優に向けられる偏見は和らぎつつあるものの、一方でAV業界は過激になっているため、その過激さに対する偏見が生まれています。
つまり、ソフトなセックスならまだしも、こんな過激なことをするなんておかしいのではないのかという偏見です。
確かに、AVの中ではレイプ、野外プレイ、ぶっかけ、中出し、SM、アナルセックス、スカトロといった非日常なセックスが行われます。
特に、スカトロなどといった一部の異常性癖を満たすためのキワモノAVに出演する女優は激しい偏見にさらされがちです。
また、以前スカトロなどのキワモノAVに出演している女性の多くが知的障害者であるとするネット記事が出たこともあります。
一般的な感覚でそのような記事を目にすれば、たしかに知能にやや問題があるからこそ平然とスカトロなどできるのだと納得してしまいがちです。
実際に知的障害者が出演しているのかどうかについては、そうであるとする確証もなければそうではないとする確証もないので、ここで判断するのは控えます。
しかし、実際にはごく普通の女性がスカトロに出演しているケースもあると知ることは意味のあることでしょう。
退屈からAV女優に
ここで取り上げるAV女優Hは、2000年代初めのAV業界でスカトロをこなしたAV女優です。
東北地方の田舎出身の女性であり、高校を卒業するまでは田舎町で過ごしていました。
6歳の時に両親が離婚しており、母親はHを引き取った後に再婚したため、現在の父親は義父になります。
母親とは仲が良いのですが、血のつながっていない父親に打ち解けることができず、好きという感情は持っていません。
一応父親として付き合いはありますが、それ以上のものではなく、しかも両親の仲があまりよくないため田舎は好きではありません。
田舎時代の彼女は真面目そのものの普通の女性でした。
AV女優の幼少時代に抱かれがちなイメージである飲酒、喫煙、不純異性交遊などとは無縁でした。
ただし、彼女の幼少時代、再婚した母親は夫婦関係がうまくいかないストレスで暴れてHに当たることが多く、彼女は犯行せずにただふさぎ込んでいました。
しかし母親に対する恨みなどはなく、ただおとなしくして母親の怒りを鎮めるのが彼女の役割だったといいます。
母親は毎日愚痴ばかりであり、父親は人が良すぎるせいで色々な人の保証人になり、裏切られ続けたような人でした。
塗装会社を経営していたため収入はありましたが、他人の借金に悩まされ、家では弟が栄養失調になるほどの貧乏ぶりでした。
母親がいらついていたため、Hは厳しくしつけられ、門限は毎日18時でした。
両親の喧嘩はいつもお金のことであり、高校のころについに限界を感じた彼女は東京に出ることを決めました。
短大に行くにしろ就職するにしろ、とにかく田舎を出たかったのです。
高校卒業と同時に田舎を飛び出した彼女は、中小の繊維メーカーに就職して社会人としての生活が始まりました。
親元から離れて自由になり、これからどんなワクワクがあるのだろうと期待していたのもつかの間、高卒の新入社員がやりがいのある仕事を任されるはずもなく、誰でもできる書類作りばかりの毎日にうんざりしました。
彼女は自分が成長できるような仕事をしたいと思っていました。
資格をとればやりがいのある仕事について成長できるかもしれないと考えることもありましたが実行することはなく、退屈しのぎに恋愛をしてもやはり退屈でした。
退屈のあまり虚無感にさいなまれながら毎日を過ごしていたところに、AVのスカウトを受けました。
すぐに心を動かされ、その時に母親と弟の顔が頭に浮かびましたが、遠い所に住んでいたことで物理的にも精神的にも遠く感じていたため、あまり気にせずAV女優になることに決めました。
AV女優になったきっかけ
彼女がAV女優になったのは2000年の冬のことでした当時19歳だった彼女は、普通のOLでした。
当時彼氏と付き合っていたのですが、彼氏の束縛が激しくうんざりとしていました。
毎日彼氏に縛り付けられる生活であり、そんなときにAVのスカウトを受けたのです。
上述の通りうんざりするほど退屈な毎日を変えたい願望だけではなく、その日も嫌々彼氏の家に行こうとしていた道の途中にスカウトを受け、彼氏の家に行きたくなかったという理由でスカウトマンについていったのです。
現実逃避でした。
その彼氏というのは彼女の勤める会社でアルバイトをしている同い年の大学生であり、恋をしているつもりだったのですが、極端なわがままで恋心はすぐに冷めてうっとうしいだけだったのです。
スカウトマンにAVと聞くと、AVをすれば男性と付き合えなくなると思いましたが、いつも仕事や彼氏のわがままで疲れており、毎日に嫌気がさしており、精神的にどうでもよくなっていた時期でもあったため、何も考えずにAV業界に入りました。
このように、精神的に疲れていた女性がスカウトを受け、何も考えずに流されるままにAV女優になってしまうケースは少なくありません。
もちろん、彼女も普通の状態ならばスカウトについて行かなかったかもしれません。
しかし、彼氏は大学生で退屈に苦しむ人間の気持ちはわかりっこないし、そんな彼氏と離れるためにはAVが手っ取り早いというただそれだけのことでした。
とはいえ、断り切れない彼女の気質も影響しているでしょう。
なにしろ、彼氏に毎日束縛され、嫌でも嫌と言えずに毎日縛られていたのです。
そんな彼女がスカウトマンからしつこく言いられたときに断れるはずもありません。
きっと、なんだかよくわからないうちにAV女優になってしまったというところが大きいのでしょう。
AV専門のモデル事務所に所属した彼女はすぐに宣材写真を撮影し、10日後には企画女優としてデビューしていました。
当時、AV女優に対する偏見は今とは比べ物にならないほど強く、AV業界はやばい世界であるというイメージを彼女も持っていました。
しかし、一回やってみると拍子抜けするほど普通の仕事でした。
一緒に仕事した企画女優の女の子たちも普通の女の子ばかりで、よく言われる「ホストやギャンブルにハマって借金を作った結果、AV女優に身をやつした」ような女性は少しいたものの、それは少数派でした。
それ以外の女性はやりたいことのためにお金を貯めようという目標があったり、楽しいからやっているという理由でした。
彼女もすぐに仕事を楽しいと思うようになりました。
彼女は上記のようになんとなくAV女優を始めていました。
なんとなく退屈な毎日と決別したいという気持ちがあった位のものです。
お金目的でAV女優になったわけではありません。
しかしやってみると楽しく、辞めるにやめられないといった状態でした。
気がかりなことはAV女優をやっていることがばれれば母親や弟や友達が離れていくのではないかという不安くらいのものでした。
当時のAV業界は企画女優が今ほど多くなかったため、彼女にもコンスタントに仕事が入り、AV女優を続けたのでした。
スカトロとはどんなジャンル?
AVにデビューするまでの彼女は恋愛経験にも乏しく、男性経験は5人くらいでした。
東京に出てきてからも会社勤めをしたため、知り合うきっかけもあまりありませんでした。
ナンパをされることはなく、逆ナンパをすることもなく、セックスも付き合った人としただけです。
イった経験もなく、セックスが好きなわけではありません。
そんなウブな女性はAV女優になった当初はNG項目が多く、徐々にNGを解禁しながら延命していくものですが、彼女は最初からNGがほとんどありません。
NGのないAV女優にはデビュー前からヤリマンで経験豊富というケースが多いものですから、彼女は特殊だったと言えるでしょう。
しかし、彼女は性欲の薄いウブな女性でした。
人前でのセックスはカメラがあるから仕事としてやっているだけであり、プライベートでは下ネタを話すのさえ恥ずかしいくらいです。
プライベートのセックスでは電気を消してしかできません。
そんな彼女はNGを設けなかったことで、スカトロを売りにしていくことになります。
スカトロを始めたきっかけは、マネージャーにスカトロをやってみないかと勧められたことによります。
うぶな彼女はスカトロというジャンルがあることにさえ驚きでした。
しかし、彼女はSMなどの痛い行為をNGにしていただけだったので、むしろウンコをすることがお金になるなんてラクだと思ったほどでした。
スカトロはキワモノの部類に入るジャンルであり、AVにおける三大NG(スカトロ、ハードSM、アナルセックス)の一つにも数えられるプレイです。
しかし、彼女はスカトロを平然とこなし、全く嫌な思いはしていません。
もっとも、スカトロにも色々なプレイがあり、単におしっこやウンコをするところを撮影するというソフトな物もあれば、他人のウンコを体に塗ったり食べたりするものもありますが、彼女はソフトなものをこなしています。
スカトロではどのような撮影が行われるのでしょうか。
ある日の撮影のこと。
AV撮影の流れは毎回同じような物で、朝に新宿スバルビルの前に集合し、マネージャーや監督やその他スタッフと合流し、元気に挨拶をし、撮影現場に入り、撮影が始まれば監督から言われた通りのセックスをこなします。
経験は少ないものの、仕事にはすぐに慣れました。
現場に向かう前、助監督が彼女のギャラをマネージャーに手渡すとマネージャーはギャラの清算をします。
基本的な撮影内容は事前に伝えられていることが多いのですが、撮影によってはその場その場で撮影内容が変わることもあるといいます。
彼女の代理人であるマネージャーにギャラが手渡されたその瞬間、彼女の体は一日監督に買い取られたことになり、NGプレイ以外を要求されても応じなければならないこともあります。
現金はそのまま彼女に渡るわけではなく、マネジメント料として事務所が定める規定の割合(彼女の場合は半分)が差し引かれ、残った数万円のお金(企画女優のギャラは安いのです)から1割が源泉徴収として引かれ、彼女に入るのは4割。
複数の現場をこなして累積されたギャラが月末に彼女の口座に振り込まれます。
マネージャーの清算が終わるとスタジオに向かう車に乗り込みます。
企画女優は知名度がないため、複数の女優を出演させることでボリュームを出して売り出します。
そのため、スタジオに向かう車では共演するAV女優と同乗することもあります。
その日の撮影では絡み(AV男優とのセックス)を含むスカトロでした。
ウンコとセックスと聞けばキワモノもいいところですが、彼女にとってそれほど異常なことではありません。
人前でするならばウンコの方がましと考えるくらいのものです。
スカトロの撮影ではウンコを出す必要があるため、前日はウンコを我慢する必要があります。
当然、たくさん出したほうが監督や現場スタッフに喜ばれ、撮影に好都合だからです。
前日どうしても便意を催したときは冷や汗をかくほど我慢に苦労することもあります。
スカトロを始めたばかりのことに苦労するのは、排せつ行為を行うことそのものです。
本来排せつ行為は自然現象ですから、出そうと思っても出すことは難しいものです。
慣れないころは出なかったら撮影にならないため、不安で前日に寝れないという事もありました。
その日の撮影では、最初に屋外でイメージ撮影が行われました。
寒い季節であったためお腹が冷えたことで、前日から我慢していることもあって強烈な便意に襲われました。
そのことを監督に訴えると、排せつの撮影をすぐに撮影することとなりました。
助監督が足場を組んで、床一面にビニールシートを敷きました。
彼女はカメラにまたがり、和式便所の要領で排泄に至りました。
当然現場の大勢の人から丸見えなわけですが、何回か経験すると慣れて恥ずかしさは感じなくなるそうです。
二日分の大便が一気に床に落ち、撮影は終了です。
AVの仕事は毎日あるわけではないので、AVがない日は午後4時くらいからパチンコ店の喫茶店でアルバイトをしています。
月に6万円くらいの稼ぎになります。
このバイトをしていることで、何の仕事をしているか聞かれたときには「喫茶店で働いている」という事ができることもメリットだといいます。
AVでの稼ぎに比べれば喫茶店は少ない稼ぎでしょうが、稼ぐ理由が特にあるわけではありません。
借金もなく、欲しいものもありません。
収入はとにかく貯金するだけで、通帳の残高が増えていくことが楽しみです。
しいて言うならば、彼女にはお金への異常な執着があります。
両親がお金のことで喧嘩をし、弟が栄養失調になるほどお金に困った過去があることから、強迫的にお金を貯めているのです。
幼少期の家庭環境は良くありませんが、虐待やネグレクトを受けたわけではありません。
高校まで普通に卒業し、都会で普通に就職し、性的な乱れも金銭的な乱れもない普通の女性でもAV女優になり、キワモノといわれるジャンルをこなすこともあるのです。
このような事例を知れば、「スカトロに出演する女性はみんな知的障害者だ」と断定することはできないでしょう。