【なぜ人妻が】IがAV女優になってしまった理由とは?
AVへの興味の有無にかかわらず、色々な属性の女性がAV女優になっている事実を誰もが知っていることでしょう。
高校を卒業したばかりのあどけない女の子、ヤリマンギャル、特別な事情がある女性、社会的地位がある女性、そして人妻などです。
既婚者のAV女優は実在する
人によっては、人妻がAV女優になることに驚きを隠せない人もいます。
結婚をしている人は浮気をするだけでもはばかられるのに、なぜAVに出演することができるのか?と疑問になるのです。
人妻というのは単なる演出に過ぎず、実際には独身女性なのだろうと思っている人もいるでしょう。
たしかに、AVの中には特定の演出や設定を設けて撮影するものもあり、そのような作品では未婚の女性が人妻として出演していることもあります。
しかし、実際の人妻が出演しているケースも多く、特に企画女優のなかにはそのような人妻AV女優も多数存在します(単体女優の中にも本物の人妻がいます)。
なぜ、既婚女性がAV女優になるのでしょうか。
好奇心、セックスレス、経済困難など色々な理由がありますが、ここではある一人の典型的な人妻企画女優を取り上げることとします。
Iの経歴
人妻AV女優であるIは、1972年生まれのAV女優です。
1972年といえばオイルショックやバブルなどが象徴的な年代です。
彼女の両親は公立中学校の教師であり、厳格な教育を受けました。
彼女には4歳上の姉がいましたが、彼女は親の期待通りに順調に歩み、県内有数の県立進学校に進学し、お嬢様学校で有名な国立大学に入学し、その後教師になりました。
両親は厳格であったため、同世代の友達と同じような生活は許されませんでした。
母親の考え方は古く、不純異性交遊を許さず、彼女も何の疑いもなくそれを守っていました。
彼女の青春時代は「普通すぎる」といってもよいものであり、彼女ももっと遊んでおけばよかったと思っているそうです。
姉よりも学力は低かったため、大学は都内の私立短大に進学し、卒業後すぐに就職しました。
就職先は誰もが知っている一流企業であり、本社の国際関係の部署で総合職の補佐として働きました。
現在の夫は24歳の時にコンパで知り合った人であり、有名企業に勤めている人でした。
彼女が育った時代は、あまり良い時代とは言えません。
第二次ベビーブームの時代であり、高校や大学の受験の倍率は非常に高く、普通でいるためには勉強を強いられました。
猫も杓子も常識的で、普通の生き方を強いられた時代なのです。
好景気で将来は明るいとされていたため、凝り固まった生き方に嫌悪感を催して勉強を放棄して挫折していった人も少なくありませんでした。
しかし、彼女たちが卒業する時代にはバブルが崩壊して景気は一転して落ち込み、就職先が見つからないような状況となりました。
それまでは常識的な型にはまった生き方を強いられてきたにもかかわらず、急に個性を持つ人が強くなる時代になったのです。
しかし、努めて普通に生きてきた(飛び跳ねる生き方をしてこなかった)人たちに個性があるはずもなく、非常に多くの人が報われなかった時代です。
彼女もその世代の典型的な一人でした。
競争の中では上位をキープしてきた彼女は、大企業への切符を手にしたものの、ハズレ世代としての苦労は確かにありました。
入社後、バブル崩壊のあおりを受けて会社は急速に傾き、ボーナスはなくなり、給料も入社当初から40%ほどカットとなりました。
管理職の上司は次々にリストラされていき、彼女のような一般職もいつクビになるか分かりません。
終身雇用制が当たり前だった時代は終わりを告げようとしており、状況は日々変わっていきました。
朝8時に出社し、夜12時まで働いても報われず、ただただ「一流企業に勤めているプライド」だけを頼りに生きているような状態でした。
どれほど働いても将来が明るくなる望みはなく、むなしく、リストラを待つばかりでした。
そのような生活に辟易した彼女は、学生時代に結婚式の司会のアルバイトをしていたことを思い出し、勉強してそちら方面に本格的に進んではどうだろうかと思うようになり、会社を7年でやめました。
AV女優になったきっかけ
司会の仕事をしたいと思い、志高く退社した彼女でしたが、運悪く夫も会社をリストラされてしまいました。
夫婦ともに一流企業に勤めて裕福な暮らしをしていましたが、たちまち貧困の無職夫婦になってしまったのです。
社宅から借家に引っ越すこととなり、それまでは給料から天引きされていた支払いも自己負担となり、生活は圧迫されていきました。
会社組織という守ってくれる存在がなくなり、一瞬のうちに安定を失った彼女は、追い詰められていくうちに夫との関係も徐々に悪くなっていき、司会の仕事がしたいという夢も諦めてしまいました。
とにかく稼がなければという思いから、求人雑誌に掲載されている様々な会社に履歴書を送りましたが、既婚ということでどの会社も雇ってはくれませんでした。
「人生がくるってきたな…」そう思っていたときに、街でスカウトマンに声を掛けられました。
彼女が飛び切りの美人であったからスカウトされたのではありません。
彼女がAV女優になった2000年代初めの頃は、今のように条例によってスカウト行為が禁止されてはいなかったため、東京近郊ではスカウトが盛んにおこなわれていたのです。
あまりにもブスというレベルの女性でなければ、スカウトマンたちは片っ端から声を掛けていたのです。
つまり、よほどのブスでないという条件さえクリアすれば、エリートとして生きてきた女性でも、ヤリマンのビッチでも、AV業界に入るきっかけは平等に与えられていたのです。
そのため、当時は「たまたまお金に困っているタイミングだったから」などという些細な理由でAV女優になってしまった女性もたくさんいました。
Iもそのうちの一人でした。
無難な人生を歩み、一般的なOLとしての人生を歩んできた彼女はAV産業とは対極にある女性だったのですが、お金が稼げるという話に反応してしまいました。
当時の彼女は相当切羽詰った状況に置かれており、プライドはあったものの、そのようなプライドなどは簡単に崩れ去るところまで来ていたのです。
既婚で、30歳近くになっており、どこも正社員で雇ってくれない(以前勤めていた会社よりもはるかに小さな会社がどこも雇ってくれない)状況の中で声を掛けられたことで、話を聞いてみることにしました。
厳格な母親のもとで、不純異性交遊禁止という教えを守ってきた彼女ですから、もちろん悩みました。
悩みがお金だけであればAV女優になっていなかったかもしれません。
しかし、彼女は夫と極度のセックスレスに陥っていたため、性的にも不満が募っていました。
ストレスが溜まっており、「ダンナがかまってくれないからAVに出ちゃった・・・」という言い訳もすぐに思いついてしまいました。
彼女は夫と長い間セックスレスでした。
結婚前はそれなりにセックスをしていたのですが、結婚をしてからはたったの4回しかセックスをしていなかったのです。
自分に仕事がないこと、夫もリストラされて退職金も出ないこと、借金もあったことなどの不安要素に加えてセックスレスもあり、たがが外れてしまったのです。
セックスレスの解消を図ったこともありましたが、夫は転職後も仕事のことで頭がいっぱいで土日も出勤しており、精神的に追い詰められていました。
子どもが欲しい気持ちや親に孫を見せたい気持ちもありましたが、そのように迫っても拒否されることばかりで、迫ることもなくなったといいます。
もしかしたら、夫は勃起不全なのかもしれません。
以前の会社を退職したことで、「一流企業に勤めているプライド」も崩れ、職業観が変わったことも大きいでしょう。
彼女とて、以前は普通の人と同じように性風俗産業に対する偏見がありましたが、そのようなことがなくなりました。
一週間悩みに悩んだ彼女は、最終的にはセックスレスを言い訳にしてAVデビューすることとなりました。
AV業界に大満足
初めての撮影の前夜、久しぶりにセックスができることへの興奮や他人から抱かれることへの罪悪感から眠ることができませんでした。
初めての絡みのときは期待で胸が躍りました。
しかし、AV男優とキスをしたときに夫の顔を思い出してしまい、ひどい罪悪感に襲われたといいます。
それでも触られると感じてしまい、知らない男性の手によって何回もイカされました。
決してなくならない罪悪感と快感のはざまで葛藤もありましたが、それでも性的衝動にあらがえません。
彼女は元々淫乱なのです。
オナニーもセックスも大好きなのです。
撮影の際には痴態をあらわにして思いつく限りのことをしてしまい、その結果監督など現場のスタッフも喜んでくれるため、それも快感となっています。
OL時代とは違い、頑張れば頑張っただけ喜ばれたり、褒められたりしたのです。
彼女にとってはそれがとんでもなく嬉しいことであり、やりがいも感じることができました。
彼女のように、社会から必要とされている実感がないことに絶望を感じている女性にとって、性風俗産業が救われる場所になることは珍しいことではありません。
彼女にとってのAVとは、単に性欲を発散するだけではなく、作品に貢献することで救われる場所でもあったのです。
動機がお金という人はAV女優には多いものです。
お金のためにしょうがなくという意識がある人は、どうしてもお金のために脱いでいるという意識をぬぐうことができません。
そのような意識が強ければ強いほど、AVに出演することで本来感じるはずの被害者意識は薄れてきます。
Iの場合はお金だけではなく、既婚で女として扱われる場所が少なくなっている状況もあったため、被害者意識はほとんどありません。
女として扱われる機会を得ることができ、仕事は楽しく、十分に撮影を楽しんでいます。
また、裸をさらすことで内面を隠す意識もなくなり、現場では誰とでも本音で話し合うことができ、人間味のある職場に身を置いていることも満足しているそうです。
AVという仕事は、主に性、お金、社会性の三つの観点から考えることができます。
どれほど恵まれた境遇のAV女優であろうとも、この三つを満足できる形でクリアしている女性は少ないでしょう。
花形である単体女優になってもパブリシティの問題があり、親や兄妹や知人・友人にばれることにびくびくしている人が大勢います。
それを気にして顔出しNGの企画女優になれば、ろくなオファーがなく満足いく額を稼ぐことはできません。
性欲を満足させ、お金も稼ぎ、誰にもばれなければそれほど良いことはないのですが、それができることはほとんどないのです。
AVに救われているIでさえ、性の部分のみにおいて満たされているだけです。
彼女のギャラは本番アリの出演で1日当たり8~10万円です。
出演ビデオでは活躍している彼女ではありますが、お金は稼げていません。
夫にバレるかもしれないリスクを抱えていることを考えると、少ないと感じているようです。
それでも、普通のOLではとても1日では稼げない額を稼いでいるのも事実です。
とはいえ、彼女は一般的な常識のある普通の女性という部分も持っています。
夫や親兄妹にバレることを非常に恐れており、すぐにでも辞めなければならないと思っています。
それでも性欲を満たしながら小銭稼ぎができる環境は手放しがたく、葛藤は止むことがありません。