普通な女性がAV女優になってしまうまでの流れとは?
今の時代、AV女優はボーダレス化し、ほんの数年で急速に敷居が低い職業となりました。
ただし、これは安易に捉えるべきことではありません。
AV女優と言う職業は、撮影のために現場から現場へと駆けずり回り、大部分を占める企画女優と企画単体女優は日当ギャラでアブノーマルなプレイを含む様々な性行為を披露して回る職業なのです。
ボーダレス化したAV女優
心身の疲労は非常に大きい過酷な肉体労働であるだけに、病気や怪我のリスクがあり、さらには人に職業がバレる事によって人間関係が崩れたり偏見の目をもって見られることもある、リスクの非常に高い職業です。
しかし世間がイメージするほどギャラは高くないのです。
そんな厳しいAV女優ですが、現代においては社会的地位や育ち、年齢などに関係なく、様々な女性が自ら志望してAV女優になっています。
重大な決断ややむに止まれない事情があるというわけではない「普通な女性」が、日常の中に転がっていて誰もが経験し得る差際な事をきっかけにして、AV女優に応募してこの厳しい職業に従事し、しかも前向きに仕事をしているのです。
些細な理由というのは色々なものがあります。
あるAV女優は学校に通うために上京したものの、生活費と学費を稼ぐためにアルバイトをすると学業に支障が出るほどの時間をアルバイトに費やさなければならなくなり、学生生活が破たんしたためにAVプロダクションに応募しています。
つまり、時給数百円の一般的なアルバイトでは東京で生活するのが困難だったという、誰もが経験しうる「低収入」がAV女優になったきっかけなのです。
しかもその女優は、インターネットで良い仕事はないものかと探した結果モデルプロダクションに到達し、仕事内容のパーツモデルに惹かれて応募しています。
パーツモデルならば手や足、胸といった一部分だけを撮影するため、自分でもできると思ったのです。
しかし、実際にはパーツモデルとしてではなく、AV女優として仕事をするようになりました。
このような女性は多いもので、プロダクションがホームページでやたらと「脱がない」仕事を掲載しているのも、まずは女性が安心して応募できるようにという配慮からです。
そして応募してきた女性に対し、それらの仕事はあまり需要がない旨を伝え、AV女優という道を示します。
需要がないと言うのは本当のことで、パーツモデルなどは誰もがなれるものではありません。
並々ならぬ美しい手や足を持っているファッションモデルのみがなれるモデルの分野であり、非常に門戸が狭い分野なのです。
所詮、「脱がなくていいのなら・・・」と思って目指すような職種ではないと言うことです。
つまり、パーツモデルという言葉は、その言葉にダーティなイメージがほとんどないため、モデルプロダクションが本来持っている性的なイメージを払しょくさせ、敷居を低く見せるためのものなのです。
これによって、普通の女性の目にも止まるようにし、売れそうな女性が応募してきた場合には面接で口説こうという作戦です。
普通な女性は素人っぽく需要がある
このように求人をすると、普通な女性が応募してくることが非常に多くなります。
つまり、素人女性が応募してくると言うことです。
裸の世界の消費者である男性から支持されるのは、いつの時代も性的な匂いがあまりしない素人女性であり、だからこそ素人物というジャンルも存在し得るのです。
清楚、おしとやかといった見た目を持つ女性であり、自分の身近にもいそうな雰囲気を持っており、セックスで乱れる姿が想像しにくいような女性は価値が高く、多くの男性の興奮の対象になりやすいのです。
風俗の経験や援交の経験などといった売春の経験がない方がこのましく、セックスのイメージからより遠ざかる要素として「高学歴」「幸せな主婦」「キャリアウーマン」などの女性であればさらに販売が見込めます。
もちろん、外見がキレイであることは必須の条件です。
外見が美しく、社会的地位がある女性をAVに出演させることができれば、商品としてのクオリティはそれだけで格段に向上します。
それだけに、モデルプロダクションの求人広告は努めて下世話な感じや性的な匂いを払しょくし、面接の時の言葉づかいや仕事の説明の仕方は考え抜かれています。
また、普通な女性であればあるほどAV女優をしていることを周囲に知られたくない女性も多いことへの配慮から、バレる可能性を低くする工夫は一流であり、また、普通な女性はアブノーマルなセックスの経験が少ないため、経験やスキルがなくとも素材を活かして安心して撮影ができるように考えられています。
これによって、たくさんの「普通の女性」が従事するようになったのです。
インターネットの普及が最大の要因
このボーダレス化が本格的に起こったのは、パソコンや携帯電話が普及した90年代後半からであり、それらを通してインターネットを誰でも使うようになってからというもの、急速にボーダレス化が進みました。
つまり、AVという女性向けの高収入な職業の広告がインターネットの検索で容易に見つかるようになったのです。
「いい仕事がないかな」と探している女性が、例えば「女性 高収入」と検索すれば、検索結果の最初のページに多くのモデルプロダクションがヒットするのです。
これによってAV女優になりたいと思えば、窓口が身近に存在するという環境が整い、ごく普通の女性が自ら応募してくるようになったのです。
もちろん、インターネットの普及だけが理由ではありません。
思えば、援助交際という言葉ができ、自分の性を切り売りする若い女性が増えたころというのは、小泉首相の構造改革が行われ、年功序列が崩壊し、リストラのあらしが吹き荒れ、雇用は減少し、特に地方では経済が弱体化し、貧困層が生まれ、未来が見えなくなった人が増え、社会全体が倫理や貞操に構っていられなくなりました。
貧困層というのは、以下にしても貧困から抜け出しがたい環境を強いられている絶望的な階層であり、その地位はAV女優の方がまだ上でした。
AV女優は自分で売れるものを持って自力で稼ぐことができるからです。
このような社会の流れによって、AV女優が批判されるという状況が少なくなっていきました。
このことも、AV女優に自ら志願する女性が非常に多くなったり、現役AV女優がアイドルのように一般社会・一般メディアに進出するようになって原因と言えるでしょう。