事件に巻き込まれたAV嬢。やっぱ色々起こるものなの?
AV業界はアウトサイダーな仕事であるだけに、色々な事件が起こっていそうなイメージがあるものです。
しかし、事件はあくまで今から約10年前以前に起こっていたことであり、今はこのような撮影が行われる心配はほとんどありません。
AV女優と事件
AV業界はアウトサイダーな仕事であるだけに、色々な事件が起こっていそうなイメージがあるものです。
事実、過去には色々な悲惨な事件が起きたために、そのイメージがいまだに引きずられていると言っていいでしょう。
最近はコンプライアンスや倫理的な問題から、リアルなレイプや凌辱AVといった事件性がある撮影はほとんどなくなっています。
“リアルな”レイプとは、メーカーとプロダクションがグルになって女優を騙して撮影現場に送り込み、本当にレイプをするという意味です。
最近はこのような犯罪性を帯びた危険な撮影をするメーカーはほとんどなくなりました。
よくAVでインタビュー中に物陰からAV男優が飛び出してきていきなり犯すというようなAVがありますが、これも仕込みでありガチのレイプではありません。
しかし、AV業界がクリーン化する前は色々な事件が起きていたのも事実です。
逆にいえば、そのような思考錯誤を通して、ようやく今のようなクリーンさを獲得したとも言えます。
なぜ危険な撮影が過去に行われていたのでしょうか。
それは、AVの本質的な醍醐味が、あり得ない状況下であり得ない男女がセックスをするという非現実的な性行為であるからです。
この本質的な部分を追求しすぎた結果、また2000年代前半のメーカー間競争が激化した結果、女優の同意を得たうえで行う行為では一線を越えられない犯罪的性行為が横行していたのです。
つまり、凌辱を描くのに技術を以ては不可能な部分があった場合にも、演出なしのガチ撮影で凌辱やレイプを撮影します。
それが結果的に女性の人権を踏みにじるようなことになったとしても、本当にあり得ない状況下でのあり得ないセックスを撮影することができたのです。
ユーザー主導で事件性が激しくなっていった
人間と言うのは満足すればそれ以上のものを求めようとするいきものです。
これはAVも例外ではなく、特にセルビデオが登場してからは客の声に耳を傾ける傾向が強くなったため、2002~2005年は特に過激なレイプや凌辱作品が流行しました。
このことで苦い思い、辛い思いをしてAV女優を辞めた女性が激増したほどです。
かつては多くのメーカーが凌辱シリーズを持っており、それは「AV女優の墓場」などと呼ばれたものでした。
なぜ墓場と呼ばれるのかと言うと、それらの作品に出演するAV女優は全てのメーカーを一周してもうこれ以上売れようがない企画単体女優や、もともと売れる見込みがない無名の企画女優が出演していました。
そして、殴る、蹴る、レイプするなどの暴行が行われていたからです。
モデルプロダクションは、そこに送り込めば女性がどのような仕打ちを受けるかを把握していながら、女性をつぶすつもりで最期の一稼ぎとして斡旋していたのです。
凌辱やレイプは演出なしのガチ撮影です。
つまり、AV女優には基本的に演技は期待できず、犯される迫真の演技などができる女優はごく一部に限られます。
迫真の映像を撮るためにメーカーがプロダクションに凌辱・レイプというオファーを出すと、プロダクションは女性に何も伝えずに撮影現場に送り込みます。
そして、女性が何も知らずに撮影現場にやってきたところを犯すのです。
これをガチといいます。
このように、AV女優を騙し打ちする形で行うレイプ撮影はAVの手法の一つであり、かつてはあらゆるメーカーがよく使っていた方法でした。
厄介なのは、女性が何もできないことです。
聞いていない行為をされた!とプロダクションに泣きついたとしても、そもそもプロダクションの許可済みでメーカーは撮影をおこなっているため、トラブルになることはありません。
プロダクションが問題視しない以上、女性は泣き寝入りをするほかないのです。
そこに至ってようやく、AV女優としての自分の扱いを知って絶望や恐怖を感じて辞めていくことになるのです。
大怪我しても死んでも構わない
当時の凌辱作品がいかにひどいものであったか、『職業としてのAV女優』という著書に貴重な証言が載っています。
木下いつきというAV女優の証言です。
証言によると、彼女は『極悪非道』という作品に出演しました。
内容は逆さ吊りにされて大勢の男性から殴られ続けてレイプをされ、撮影が終わった時には顔がお岩さんのように腫れあがっていたそうです。
病院に行くと医者からは「あと一歩で網膜剥離になって失明するかもしれなかった」と言われたほどでした。
彼女は「殴られて失明しそうになって、私は何をしているのだろう」と考えたそうです。
しかし、その時にはまだやる気に満ちていたため、クレームをつけたら専属をはずされてしまうとか、仕事が来なくなるかもしれないとおもって何もしませんでした。
彼女は警察に訴えるなり、慰謝料を請求するなりできたでしょう。
警察に訴えれば傷害罪になることでしょう。
このような撮影は現在では考えられないものですが、数年前のAVの転換期にはこのような事件が頻繁に起こっていました。
木下いつきのように泣き寝入りをした女優は複数存在するといいます。
彼女は企画女優だったのですが、奇跡的にもソフト・オン・デマンドの専属女優に抜擢されています。
これは彼女のルックスやスタイルが優れていたのではなく、NGなしの彼女相手ならば限界を越えたプレイに耐えられるだろうと踏んで過激路線で売ろうとしていたのです。
しかし、彼女自身は自分の頑張りや意識の高さが認められたと思っていました。
その結果、大けがを負ってしまうこととなりました。
けがをして気づくという最悪のパターンになってしまったのです。
このことから、女優は自分の体を守るためには、プロダクションが確実に守ってくれるとは思わないことです。
必ず客観的な目で見て、自分のフィルターに通して判断して身を守っていくしかないと言うこともわかります。
現代のAV業界は安心
ただし、上記のような事件はあくまで今から約10年前以前に起こっていたことであり、今はこのような撮影が行われる心配はほとんどありません。
あえて“ほとんど”といったのは、絶対に行われる心配がないとも言い切れないからです。
とはいえ、そこまでのリスクを冒して凌辱作品を撮影するうまみが今やないため、安心して働ける職場となっています。