AV女優の人生は崩壊している?AV女優への差別と偏見について
AV女優の一般メディアへの進出が著しい昨今、AV女優と言う職業が随分と受け入れられるようになってきたものの、それでも未だに根強い偏見があります。
AV女優は決して不幸ではない
紗倉まなが吠えた!
昨年の夏、ツイッター上で興味深いやり取りが行われました。
それは、AVアイドルとして人気を集めている紗倉愛のアカウントに対して、一般のユーザーから
というリプライが送られたと言うものです。
「まなつん」と呼んでいるあたり、紗倉まなのファンではあるものの、アイドル視しているだけに彼女がセックスを披露していることが残念でならず、このようなリプライを送ることになってしまったのではないかと推測できます。
これを受けた紗倉まなは、おとなしそうな見た目とは裏腹に強気に噛みついています。
『人生を崩壊』とまで断言してしまう、【あなただけの視野で見ている世界】が残念でなりません。
と、強気に反論をしました。
このユーザはおそらくファンだったのでしょう、紗倉まなのつ源に対して批判の意思はなかったという意味のリプライが送られました。
ならば最初からそんなリプライをおくるなと、あまりに浅慮な発言をしたものだなと思うのですが、紗倉まなの怒りは収まらずに追撃の一文として、
色々なAV女優さんに興味をもたれていながらそんなことを心の中で思って先程の様な発言をされたのであれば、発言と行動が矛盾しまくりではないでしょうか?
【視野の狭さ云々】ではなく【人間性】の問題だと思いますよ。
という発言が送られています。
ツイッターでのやり取りはこれだけで終わったのですが、その後2ちゃんねるではこのやり取りを議題として議論が起こりました。
意見は実にさまざまで、「AV女優はだれとでもセックスをするなんて頭がおかしい」とか「肉便器が偉そうなことを言うな」という否定的な意見がある一方で、「AV女優は尊敬に値する」という賛成意見も見られました。
しかし、賛成意見を述べた人も含めて共通していたのは「奥さんや彼女にするのは嫌だ」という意見でした。
AV女優の一般メディアへの進出が著しい昨今、AV女優と言う職業が随分と受け入れられるようになってきたものの、それでも未だに根強い偏見があります。
ネットや芸能雑誌に蔓延するでっち上げ記事
では、紗倉まなにむけられた「AV女優になると人生を崩壊させる」という意見はどうなのでしょうか。
これも大きな誤りです。
ではなぜそのような誤った認識が蔓延しているのかと言うと、これはマスコミの罪です。
よく芸能雑誌などでは悲惨な末路をたどったAV女優の人生をネタとして取り上げているからです。
しかし、そのようなもののほとんどは都市伝説です。
確かに、AV女優の中には失踪や逮捕などの事件に巻き込まれた女性もいます。
しかし、それをAV女優が人生を崩壊させる論拠としたいならば、今までそのような事件に巻き込まれた女性が何人いるか数え、さらに現在数千人のAV女優が現役として活躍し、この中の半分以上が毎年入れ替わっていると言う現実を見てください。
論拠としてはあまりに乏しいことが分かるでしょう。
単に、悲惨な末路を過剰に騒ぎ立てたほうがキャッチ―で雑誌が売れるから、それらの記事が世に蔓延し、一般の人たちの一般的な価値観に取り込まれていると言うだけです。
大衆というのは馬鹿な存在で、でっちあげやこじつけの記事であっても、それを真実のように捉えてすぐに洗脳され、AV女優が不幸せだと思い込みます。
元AV女優の中には普通の女性に戻って普通の生活をしていたり、結婚して幸せな家庭生活を送っている人もいます。
仮に幸せになった大部分の女優を取り上げた情報を多数流せば、馬鹿な大衆はすぐに「AV女優になることで人生が崩壊するわけではない」と言いだすでしょう。
近年はAV女優の一般化が著しいため、AV女優に対するこのような偏見もそのうち無くなるのではないか・・・と思っている人がいるかもしれませんが、それは間違いです。
AV女優の一般化の陰にはネットの普及があり、ネットの普及はAV女優の一般化とともに誤った情報も蔓延させるようになっています。
でっちあげのこじつけの記事で溢れかえり、これがAV女優たちの一般化の流れがある一方で、一般化を妨げるようになっているのです。
これはなにもAV業界だけのことではないのです。
真実とは程遠い内容が書かれていても、とにかく面白ければそれでよく、面白さゆえにその記事が読まれることで成り立つビジネスがあるのです。
これはネットニュースを見るとよくわかります。
ネットニュースなどは1記事いくらで小銭稼ぎをしている底辺ライターの巣窟といってもいいもので、ライターたちはとにかく収益を上げるためにでっち上げの記事を書くことも少なくありません。
筆者もネット上に色々な記事を掲載する機会があるため、自分と同じ立場の人間がAV女優の地位向上の妨げになっていることを考えると申し訳なく思うことも多々あります。
AV女優はすんなりと一般社会に戻れる
このような意見を述べた時に、AV女優を批判する連中はこういうでしょう。
AVは自分の顔をさらしたうえでセックスを披露する職業だ。
顔が色々な人にバレているのだ。
AV女優として顔も体もセックスも人目にさらしたような女を妻や彼女にしたがる男はいない。
だから彼女たちの人生は崩壊している。
という意見です。
まぁ、このような意見はAV業界の実際の姿を知らないからこそ起こって来る意見であり、てんで的を射ていない意見でしょう。
AV女優として顔をさらしていたからと言って、それがバレてしまう可能性は低いものです。
パッケージ写真は実物の何倍も可愛く映っていることもあり、そこから本人だとわかるのは家族や親せき、親しい友達などのごく限られた範囲内でのことでしょう。
そもそも、有名芸能人が街を歩いていても、それが人握りの超人気者であればバレてしまうことでしょうが、多くの場合はそうそうバレないものです。
また、AV女優の寿命は単体女優を務めたことがある女優でも2~3年であり、ハイペースで入れ替わっています。
人気の単体女優であっても、引退するとその後から何千人ものAv女優が相次いでデビューし、視聴者たちは引退したAV女優の作品よりも現役のAV女優の作品を好むため、数年もすればすっかり忘れられているでしょう。
大人気になっても、引退して数年もたてば普通の生活が送れるようになるのです。
バレないリスクがゼロであり、バレる事によって人生が狂う可能性がゼロかというと決してそうは言い切れないのですが、かなり低い確率のことです。
パブを制限して活動しているAV女優であればなおさらのことであり、この低い確率をもって「AV女優をやるやつは馬鹿だ」というならば、交通事故に遭遇する可能性を指して車に乗る人を馬鹿扱いするのと同様の、愚かな行為であると言えます。
AV女優は妻や彼女にしたくないという狭量な意見
ここまでで、AV女優の人生が崩壊するわけではないとよく分ったでしょう。
すると、彼らは最後の手段として「AV女優であることを知っているか知っていないかにかかわらず、AV女優としてセックスをしまくったような女性と付き合うのは無理だ」とする意見があります。
AV女優を職業差別する差別主義者の最後の牙城ですが、こんなものも取るに足らない意見です。
たしかに、自分の妻や彼女にするのが嫌だと言うのは仕方のないことでしょう。
生物学的に見ても、種の保存の観点から考えた時には、オスはメスに種付けをして子孫を残す必要があります。
したがって、自分の遺伝子を残すべきメスに他のオスが近づくことを好みません。
自分の遺伝子を残すはずのメスが他のオスと性行為に励んでいれば、嫌悪感を抱いて激昂するように遺伝的にプログラムされているのです。
したがって、自分の妻や彼女にするのは嫌ということはそれほど異常なことでもありません。
しかし、AV女優が自分の妻や彼女になるわけでもあるまいし、そのような誹謗中傷を行うのは的外れでしょう。
自分の妻でも彼女でもない女性が、セックスを披露することを職業にしているだけであり、しかもそのような意見を抱く男性がAV女優を妻や彼女にできる可能性等ないのですから、
「もし自分の妻や彼女だったら・・・」
などと非現実的な妄想を抱いて批判の言葉とすることは誤りです。
また、ネットに書きこんでいる彼らが「自分の妻や彼女にするのは無理」と言っているだけであり、それを男性全体の意見と捉えるのは間違いでしょう。
種の保存の観点から自分の彼女や妻がAV女優をやることを嫌がるのは人が多いのは認めますが、度量の大きな男性の中には交際相手がAV女優をしていても気にしないと言うこともあります。
先日話題となったV6の森田剛とAV女優美雪ありすの恋愛にしても、森田剛は現役AV女優を彼女にしながら、広い度量で彼女の全てを受け入れているのです。
それに、元AV女優であったとしても、彼女がAV女優をしていた事実は引退後数年が経過していれば忘れ去られるものです。
現役時代に比べていくらか年も取っており、化粧の仕方を変えれば「他人の空似」で貫くことができます。
過去にAV女優をしていた女性でも、現在その仕事をしていなければ過去は関係ないと考える男性は多いものです。
一部の人間から「汚れた過去」としてとらえられるものを持っていたとしても、現在の彼女が自分を喜ばれてくれる技を持っており、ルックスとスタイルが優れており、愛し合うことができているならばそのことの方が重要なだと考える男性が多いのです。
実際に、元AV女優には幸せな結婚生活を送り、良い妻・良い母として家庭生活を営み、AVに出演したことを全く後悔していないという女性も多いのです。
男性自身もこのことはどこかで分かっている人が多いでしょう。
しかし、日本人特有の潔癖さがそうさせるのか、けがれていると見なした女性を許すことができずに“孤高のネット住人”として舌剣を振りかざしています。
自分自身も普段はAVをみてオナニーをしているにもかかわらず、その自己矛盾を棚に上げてAV女優を攻撃しています。なんとも残念な人種です。
上述の通り、AV女優を貶める情報は今後もネット上に蔓延し、悪趣味な人間たちはそれを読んでAV女優たちを誹謗中傷してやまないでしょう。
AV女優が偏見を受けなくなる時代はまだ見えてきません。
しかし、それでも10年前に比べれば明らかに差別を受けにくくなっているのは事実ですから、今後10年、20年と長く活動していくうちに次第に状況が良くなっていく見込みは十分にあります。
筆者もその時のためにできる限り情報を発信していこうと思います。
現役AV女優の女性やこれからAV女優を目指す女性たちも、被差別意識や劣等感を抱くことなく、より良い作品を作り続けていかなければなりません。
まなつんは間違いなく頭いいね。
それだけに安易にAV女優という道を選んで、人生を崩壊させた事が残念でなりません。